東方転雷録   作:龍覇

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38話

時は来た。

布都と屠自古が時間を稼いでくれた。

「片岡、すぐに終わらせるからね」

勺は光る剣となる。

この技は自らの仏力と自分を支持をしている人によってなせる技、である。

その支持率はいずれ来るはずの対戦の観客からである。

その観客の人気は人に限らず、妖怪だろうがなんだろうが、なんでもいいのだ。

だがここには、神子を支持する者はいない。

いても、屠自古と布都ぐらいなもの。なのでいくら自分の仏力があるとはいえ、まだ威力は足りないものである。

だが、その数より質、という事態が起きている。

屠自古と布都、そして数々の魂と想いが、(・・)神子の持つ剣に力が集まり、最早大剣となっている。

それは奇跡というだろう。

神子は数々の魂の正体を知っていた上で、このラストワードを選択した。

皆もまた、同じ願いである。

片岡を、楽にして欲しいと。

「ラストワード…」

「ラストワード…!!」

片岡もまた、勝負に出ていた。

それは、神子の光と対をなす、暗い闇。そして、赤い電気が走っている。

「詔を承けては必ず慎め!」

「独り虚しき千四百年の痛み!!」

光の剣と闇の剣はぶつかり合い、辺りは白く染った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界が元に戻る。

神子はかなり吹っ飛んでしまった。土埃がたち、ケホケホとむせている。

対して片岡は横たわり、空を見ていた。

いつの間にか片岡の作り出した世界は消し飛び、神霊廟にいた。

(ああ、負けたのか…)

片岡は一人思った。

今はもう、苦しくない。痛みはあるが、それは先程受けたダメージだ。

負けて、こんなに清々しく思うのは初めてだ。

(亡霊とはいえ、母上もいるんだ。もう、いいんじゃないかな)

どうしてあんなに苦しかったのだろう。

「神子様、片岡…」

「…いったた、ありがとう、屠自古」

「……」

そう言えばさっきから、片岡と屠自古が呼んでくれているではないか。

「…片岡?」

片岡はボロボロと泣いていた。

「やっと、母上に会えたんだ」

「…ごめんね、片岡…」

引っ込んでいた涙が溢れ出す。

神子はそんな二人に歩み寄る。

「親子揃って、泣き虫ですね…。でも、見た目は私の髪色のした屠自古ですしね…」

「…本当ですね、父上」

聞きなれない、男の声が聞こえた。

「山背…?」

「はい、お久しぶりです。片岡を止めて下さり、ありがとうございました」

山背は背が大きくなり、美丈夫といっても過言ではない。

「父上が女性になっているのは少々驚きましたが」

「財…!」

財も、目付きが悪いせいでキツく見えてしまいそうだが、それでも美丈夫だ。

「俺もいますよ!」

「日置兄上…」

やんちゃな印象の残る日置。二人と比べると中性的だが、二人に見劣りしない外見だ。

「…あ、ああ…っ!」

屠自古が更に大泣きをしてしまった。

それに釣られて、片岡も泣く。

「……みんな、大きくなったね…」

神子はふっ、と笑う。

家族全員の、久しぶりの再会であった。




神子が主人公してる…

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
  • 尸解仙にする
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