驪駒早鬼ちゃんとトレーナー・太子様によるうまぴょいはまだですか…?
「…っ」
山背はボロリ、と涙を流した。
その様子に、周りはギョッとした顔になった。
「私は…父上のように、なれなかった…」
「……」
周りに聞こえるのは、神子の賞賛した声と、その子供に対する期待である。
山背は、神子と同じように人格が優れ、人望も良く、神子と同じように頭脳明晰であった。
だがしかし、神子の真価とも言える、欲の声を山背には聞こえなかった。
それが、運命の分かれ道と言えようか。
山背は、若すぎたのだ。
やがて屠自古の兄・蝦夷の息子、入鹿と他に属していた一派に襲撃され、やがて斑鳩寺にて一族と共に自害をした。
一人、片岡が生き残って。
「貴方のように、欲が聞こえていれば回避出来ていたのかもしれない。そうすれば、片岡を一人にさせることがなかった…!」
「山背」
ぎゅ、と山背を抱きしめてあげた。
屠自古よりも山背は大きくなっていたし、山背は小さくなったと感じる。
お互いは霊なので、体温は感じない、はずである。
だが不思議と暖かく感じた。
「私たちが死んでしまっている間、家族を守ってくれてありがとう。頑張ったわね」
「…母上…」
「それに、山背は山背。神子様は神子様。貴方は神子様ではない。それでも、山背は頑張ってきた。…連れていけなくて、ごめんね…」
ぽん、ぽんと背中を優しく叩かれた。
山背が転んで泣いた時はいつも優しく背中を優しく叩いてくれたのを思い出し、山背は更に泣いた。
そして、山背は大きくなったのだと自覚した。
「…母上、俺も、撫でてもらっていいか…?」
日置は涙を滲ませ、聞いてくる。
日置に、屠自古と神子の記憶はない。まだ幼かったのだから当然である。
「おいで。財も、片岡も」
「うん!」
「……俺は、いい大人です」
片岡は躊躇いなく抱きついてきたが、財は躊躇った。
屠自古はクスクスと笑う。
「私からしたら財は子どもだけどね」
「…っ!」
財は顔を赤くして俯いた。
ゆっくりと屠自古に近づき、もたれかかる。
「財兄上はやることは極端だよな」
「…!」
片岡は目を見開いた。
3人の体が、金色の光の粒となっている。
「……三人とも、逝くんだね」
「はい」
「…俺たちは、片岡が心配でした」
「でも大丈夫そうです!な、片岡!」
「あ…」
片岡の首には痛々しい縄の跡がない。
そして、3人と同じく金色の光の粒となっていた。
能力のせいで死ぬ事がなかったが、それでも決して不老不死ではなく。
最後まで生きて、死んでいる。
だがそれでも苦しみは消えることなく。
精神も病んでいたことから、自分が老いていたことも知らず、死んでしまったことにも気づかず。
自分の身が怨霊・悪霊の類になっていることも気づかなかった。
片岡は気づかなかったのだ。本当は、山背達の所へ逝けることを。
「…お別れ、ですね」
「そうだね…」
「もし、私が地獄に堕ち、罪を悔い改めたあと。生まれ変わったらまた、あなた達の娘となって、山背兄上たちの妹になってきます。…いいよね?」
「当たり前じゃないか…君たちは、私たちの自慢の、子どもだよ…!」
「…ありがとう…!」
片岡は神子と屠自古に抱きついた。
暖かい。
暖かい。
これなら、どんな地獄にだって耐えられる。
「…母上。ごめんね…」
「なん、で、謝るの…?」
「母上に悲しい思いをさせたから…」
「いい。いいんだよ…」
「…よかった」
ああ、消えてゆく。
最後まで、最後まで。二人の温もりを覚えていたくて。
家族みんなで、最初で最後に抱きしめあった。
この優しい苦しさを忘れていたくない。
片岡たちは、消えたのだった。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)