東方転雷録   作:龍覇

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雷の尸解仙編
28話


起きろ。起きろ。

声が聞こえた。誰だろうか、この眠りを妨げる者は。

答えはすぐに出た。

「ん…?」

目の前に、布都がいる。

「おぉ、起きたか!屠自古!!」

布都が目の前にいた。

布都のこれまで以上にないほどの嬉しい顔は子どもたちが産まれた時ぐらいだろうか。

「ふ…と…」

どこも痛くもなく、苦しくもなく。

少し頭がぼんやりする。上体を起こすと目に入るのは足。

ぼんやりと思い起こす。

屠自古の足は本来はないはずだったが、今見えるのはスラリと伸びた、見慣れた足。

白いハイソックスと黒の革靴。

布都は、屠自古の壺をすり替えてなどなかったのだ。

そして周りに広がるは綺麗な光の塊。欲を叶えてもらおうと集る、神霊たちだ。

今何が起きているのか瞬時に理解した。

「おはよう、屠自古」

優しい声色に、安心した。いつもの、布都だ。

「うん、おはよう。布都」

「おぉう!?」

思わず抱きついた。

晩年は布都にあまり会えていなかった。毎日でなくとも結構な頻度で会っていたのに、いきなり会えなくなって、心配していた。

布都の匂いが、こんなに安心するとは思わなかった。

「…寂しい思いを、させてしまったな」

すまぬ、と布都は小さく謝る。

「いい。…でもこうして復活したってことは、太子様も復活なさるんでしょ?」

「そうだな。そして早速、我らに試練がやってきているようだ」

「なら、まず最初に私に行かせて」

「む、いいのか?」

「ええ。…久しぶりに動きたいから!」

バチバチと電気が走る。

あの頃は苦しくて動けなかった。いまはどうだろう。

走れるし、喋れるし、飛べる。

いまならなんだって出来そうだ。その様子に布都は満足気に笑った。

(ようやく、おてんば娘に戻ったか)

布都もまた、そんな屠自古の様子に感嘆した。

「じゃあ、布都!いってきます」

「おう、いってこい!」

思わず飛び出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

博麗霊夢は先を進んでいた。

アンデッドばっかりだった。倒したと思えばまた出てきた。散々である。

「…!」

特大の雷の矢が飛んでくる。

「…お、外したか」

「ちょっと、何すんのよ」

「悪い。だがここから先は通す訳には行かないからな」

屠自古は雷の矢を生成する。今度は、三本。

「そう、じゃああんたを倒してこの先を進むわ」

「そうか」

雷の矢を放つ。

だが、今度の矢は違う。

放ったかと思えば、矢がジグザグに増え、霊夢に向かう。

そして、誘導の為の弾を放つ。

雷矢「ガコウジトルネード」。

屠自古のスペルカードの一つ。他にも用意しているが、容赦しないつもりでいくので、この弾幕で攻めた。

もちろん、霊夢はその弾幕を難なく避けていく。

やはり主人公というべきか、一筋縄ではいかないようだ。

 

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
  • 尸解仙にする
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