あれから神子たちは帰って行った。
「屠自古、皇太子様はどうだった?」
「すごく、仲良くなれました。あと、お手紙のやり取りをする約束もしました」
「……そうか」
馬子はそこまで仲良くなれたことに、感動を覚える。
神子の性格であれば、屠自古とも仲良くなれるだろう、とは思っていたがまさかここまでとは思わなかった。
(これなら屠自古を将来的に…皇太子様に嫁げるかもしれんな…)
馬子がさっきまで話していた内容の中には、神子と屠自古の婚約も含まれている。
人間は30年生きればいい方だ。
だが逆に言えば30まで生きていられるか分からないのだ。
現に太媛は病に伏してしまっている。
自分も今は元気だが、いつ死ぬかわかったもんじゃない。
娘にこんなことを思うのは引け目を感じるが、神子と結婚し、なんとか無事に世継ぎが生まれて欲しいとは思う。
そして政略結婚となれば、好きでもない人と結ばれることが多い。
太媛もまた、物部の人間であり、政略結婚である。
物部の人間、ということで最初は穢れた血を物部に混ざるとは思わなかった、が。
最初こそはいざこざこそすれ、太媛は気立てのいい女だ。
子どもが生まれた頃には太媛の事も、少しは許せるようになったと思う。
だがそれまでが辛い期間だ。
誰に似たのかお転婆でありつつも気難しい性格のしている屠自古が、神子に対して好感触を抱いている。
これなら、最後まで円満に続くことだろう。
「父上、どうしたのですか?」
こちらを見上げる娘の顔はキョトンとしている。
その顔が太媛に似ていて、とても愛おしい。
「いいや、なんでもない。屠自古、今日はもう遅いから部屋に戻っていなさい」
「はーい!」
パッ、と笑う屠自古はパタパタと歩く。
「…ふぅ」
今日は太媛のところに顔を出しに行こう。
馬子の足は、今も寝ている太媛の所へ行く。
「つっかれたー!!!」
屠自古は着ていた堅苦しい服を脱いですぐに、楽な格好に着替える。
かなり緊張していたせいか、体には倦怠感が一気に襲っている。
話してしまったのが正解なのかわからず。
だが、神子はこのことを決して話さず、2人だけの秘密にしてくれるはずだ。
今日は習い事がない。もう、寝てしまおう。
(…太子様には会えたけど、布都には会えてないな?)
彼女はどこで何をしているのだろうか。
蘇我と物部は対立している。
そして自身も蘇我であるがために、物部の人間には会うことすらない。
太媛の見た目は布都に似ているとはいえ、彼女の髪は黒い。
性格も穏やかな人だからかなり真逆。
(もしかしたら案外…仕事をしていたりとかな…)
ああ、うとうとしてきた。
もう寝てしまおう。
屠自古の目は閉ざされた。
「へっくしっ…!!!」
その噂の本人はくしゃみをしていた。
「あー…嫌じゃのう…これは絶対誰か噂をしておるな?」
銀髪の髪をポニーテールにして、揺らしている。
斎宮の仕事をして何年か、わからない。
「まあよい。我は我の仕事をすればいいんじゃからな!はっはっはっ」
満足気に笑う童女。
斎宮を務めて、何年かもう分からない。
ただ言えるのは、自分の体は少々無茶をしすぎたことだけだった。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)