東方転雷録   作:龍覇

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7話

あれから2年が経ち、7歳となった。

周りの変化もまた、目まぐるしく変わっていく。

そしてそんな中。

太媛が、死んだ。

降りしきる雨の中、屠自古は一人外にいる。

葬式は終わり、太媛と別れてきた頃。

屠自古は誰にも告げず外に出ていた。紫陽花が咲き誇り、綺麗だった。

(とうとう、死んでしまった…)

太媛は良くもったと思う。

これでも寿命はもって一年くらいだと医者に言われていたらしい。

それを2年でもってくれた。

(…ああだけど)

一番悲しんでいるのは馬子だろう。

馬子の鋭い目に陰りを落とし、涙をこらえる様は、見ていて辛かった。

屠自古の目には、涙が出ない。

胸が苦しい。たしかに苦しい。

悲しすぎて、頭が真っ白になって、涙が出ない。

「母上…」

七年間、慈しみ見守ってくれた、今世での母。

前世では親より先に死ぬという(生きているのも分からないが)、最大の親不孝をやらかした。

だから太媛には沢山親孝行をしたかった。

しかし、令和の時代とは違って医療は発達などしておらず、食べ物自体もあまり贅沢はできない。

故に、栄養などはあまり取れたものでは無いだろう。

現に、ここの人たちの身長はあまり高くないように感じる。

「母上は、幸せだったのかな」

「幸せだったと思いますよ」

「…太子様」

神子もまた、太媛の葬式に来ていた。

そして途中から屠自古が見当たらなくなり探してみると、屠自古が立っている。

そんな神子の耳には、張り裂けんばかりの悲しみの欲が聞こえる。

正直ずぶ濡れで手遅れだが、それでもと神子は傘を入れる。

「…それにしてもここの紫陽花はとても綺麗ですね。」

「それは、…母上のお気に入りの場所だったのです。母上が元気な頃は父上と共にこの場所によく来ていました。…特に梅雨の時期の紫陽花が好きだと、母上は言っていました」

今年も綺麗に咲いている。

だがそれでも、屠自古は心には何も晴れない。

「…太媛様は、あなたが幸せに生きる姿を、楽しみにしているはずでしょう。あなたの手紙から読む限り、そうなんでしょう」

「…っ」

「屠自古、どうか、どうか…泣いて欲しい。今の君の顔は痛々しくて、…私も悲しいですが…天に昇った太媛様も悲しいはずですよ」

「…あ…うあぁ……」

神子は屠自古の頭を撫でる。

自分の手が濡れることを構わず。

それと同時に、神子は疑問が浮かぶ。

(…どうして、人は死ぬのだろう)

大地はこれからも生きていくのに。

人間はどうして死んでいく。

最愛の人を残して、死なねばいけないのだろう。

どうして屠自古が悲しまなくてはならないのだろう。

(…ああ、これが未来の私への道標か)

尸解仙となった一つの可能性の自分へと馳せる。

仙人には会っていないから仙術も何も分からないが。

(私はどんな手でも…)

悲しまないように。

(人間を幸福に導くことを、誓おう)

「…ああ、寒いな…」

神子がポツリと、呟いた。

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
  • 尸解仙にする
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