廃墟に戻って来た一行は取り敢えず明日に備えて寝ることに。
アヘン達が眠っている廃墟の外で炎帝は月を見ていた
そんな炎帝に近づく影が一つ
「…なんのようだ?」
「いやあんたこんな夜になにやってんのよ…」
近づき話しかけたのはテフレントだった
テフレントは炎帝の隣に座り、同じように月を見上げる
「…目が覚めてしまっただけだ。深い意味はない」
「そう。…しっかし月って不思議よね」
「…」
「あんたに話したっけ?私の過去話」
「してないな」
炎帝がそう言うとテフレントは自分が王女であること。後継者争いに巻き込まれて逃亡した先で五人と出会ったことを話した
「まっ、そんなわけで私はあいつらと一緒にいるって訳よ」
「…あいつらと過ごした時間はそんな長くないのか」
「まぁそうね」
「なのにあれだけ信頼しているのは何故だ?」
炎帝が聞くとテフレントはキョトンとする
「何故って…あいつら多分バカだもん」
「ぶっ」
テフレントがそう言うと炎帝は思わず吹き出す
「バカって…」
「だってそうでしょ?アヘンは難しいこと考えんの嫌いそうだしカインは脳内ピンクだしデルタはそもそも頭ないしMark.6は…まぁおいといて。ガスパディーンは賢そうだけどあいつに乗っても特に襲われなかったしね。そもそも襲うなら始めに船に乗った時点で襲われてるわよ。それをあいつらはしなかった。それだけで私はある程度信頼してるわよ」
「…なるほど」
「…そういや私もあんたに聞きたいことあったのよね」
「なんだ?」
「…あんたは何で私たちと一緒にいるの?」
テフレントが聞くと炎帝は廃墟の壁に寄りかかる
「あんたら帝としてのアングロに来た理由は神器の回収でしょ?でもあんたはそれをしないって言ったし。帝から離反するなら何で私たちと一緒にいるのか、それがわからないのよ。…まぁあの五人はそんなこと気にしないだろうけど…私としては気になるの」
「…あんたは帝の仕組みを知っているか?」
「仕組み?各属性の魔法の使い手の中でも最上位の奴らがなるんじゃないの?」
テフレントが言うと炎帝は「いいや」と首を振る
「その方式だったのはずっと前さ」
「え?」
「…最初はあんたの言う通り最上位の奴らがなっていたんだ。だがある時帝達は気づいたんだ。『魔力や属性は遺伝する』ということにな」
「遺伝…」
「ならばわざわざ帝が死ぬ度に新しい帝を見つけるよりも帝の子供を次の帝にしてしまった方が良いってなってな」
「…じゃあ炎帝も親が?」
「あぁ。…オレの父親が先代炎帝だった。…だがオレは帝になりたくなかったんだ」
「なんで?」
「…オレの父親。先代炎帝はそりゃもう強くてな。『歴代最強の炎帝』とまで言われていたんだ。その子供ってことでオレも期待されていたんだが…オレには才能もなかった。」
炎帝は手に炎を纏わせる
「…ハッキリ言ってオレは弱い。他の帝から見ても現帝達の中でぶっちぎり最弱だ。それが帝達にバレたとき、スッゴいバカにされてな。どうやら先代炎帝に不満を抱いていた奴らがそれはもう凄い勢いでな。んでオレはその時思ったんだ。『炎帝にならなきゃこんな目に会わなかったんだ。なら帝なんぞやめてやる』ってな。それでオレはアングロの任務中に離反したんだ。そこであんたらに出会った訳だ」
「うーん…だとしてもなんで私たちと一緒に行動してるのよ?」
「そこはお前と似たような感じさ。あいつらは帝すらろくに知らない連中だろ?ならあいつらがわた…オレを帝達に突き出すことはないだろうしな。まぁ安心できたってことだな」
炎帝がそう言って頭の鎧を取る
「…なっ!?あんた…!」
炎帝の素顔を見たテフレントは驚愕する
それもそうだろう。何故なら炎帝は…
「女だったの!?」
女だったのだ
キーマカレーもすきです。