「じゃあ取り敢えずそれぞれ二つ案を書いて箱に入れましょ」
オカンの提案通り俺とオカンがそれぞれ二つ名前を書いた紙を箱に入れる
オカンが箱をシェイクして机の上におく
「…まずは私とジャンケンしてもらうわ。勝った方がここから紙を一枚引く。そこに書いてある名前が彼女の名前になるわ。…ちなみに一回決まった名前は変更不可よ」
「一回で全てが決まるわけか…よし」
ふぅぅぅ~と俺とオカンが息を吐き手を構える
「「じゃんけんぽん!!」」
俺が出したのは…パー!対してオカンは…
「…あいこか…」
「えぇ。そう簡単には決まらないってことね」
パーだった。つまりあいこ!
「「ジャンケンポン!!」」
俺は渾身のグー!
「なっ…!?」
「…確かに君は…成長していた。私相手に一回あいこに持ち込んだのは評価する。だが!しかし!」
オカンの手は…開かれていた。つまり…パー!
「クソぉぉぉぉぉ!!!」
「フハハハ!!では早速引かせてもらおう!」
オカンが高笑いしながら箱に手を突っ込む
「ふぅむ…これだぁ!」
オカンが箱から紙を一枚引く
そこに書いてあった名前は…!
「…『Mark.6』?」
オカンが紙に書いてある名前を読み上げる
「キター!俺の名前じゃぁ!」
思わずガッツポーズ
「なんだこの名前!?何でクローン番号みたいな名前なの!?」
「ふっ…。響きがよかった」
「いやいやいや…。そもそも1~5どこ行ったよ」
「まぁそこはほら…ね?」
「何で6?」
「半分ではないがかといって上位でもない…つまり最強」
「何でだよ。これなら私の考えた『ドリル』の方が…!」
「くじは絶対だろ!よし!決定!」
鳥人改め『Mark.6』。うちの家族になりました。
●●●●●●
そんなことがあった翌日、俺はとある奴の家に向かっていた
「…相変わらず辺境だな…オーイ!」
その家は街の離れの森の中にひっそりと立っていた
外見は明らかに廃墟だが…
「おー!来たか来たか!さぁ入って!取り敢えずその辺の椅子にでも座ってくれ!今飲み物持ってくるから!」
そう言って出迎えたのはこの家に住む俺の友人のオーク。名前を『ガスパディーン』
まぁオークなので当然魔族である
こいつとは学園で知り合い、同じ魔族同士という事で仲良くなった。ちなみに今日はあと二人ここにくる予定がある。
「しっかし急に呼び出すなんて…何かあったのか?」
俺は今日ここに呼ばれた理由を聞こうとキッチンにいるガスパディーンに聞くと「まぁまぁ!取り敢えず四人揃ってから説明するから!」と言われた
「あいつらいつ来るんだよ…。遅刻の常習犯だぞ?」
「まぁ…それはそうだけど…」
ガスパディーンが茶を持ってくる
俺は渡されたお茶を飲みながらふとMark.6のことが頭によぎった
「…そういやあいつ大丈夫かな…」
「あいつって?」
「んぁぁいや。実は昨日奴隷市場のバイトやったんだけどさ?」
俺は昨日あったことをガスパディーンに話すとガスパディーンはうわぁという表情を浮かべる
「いやネーミングセンス…。何でそんな名前しか思い付かないの?」
「む。じゃあなんかいい名前あるのかよ」
俺が聞くとガスパディーンは「そうだなぁ」と呟く
「…ミカエルを文字って『ミカロス』とか?」
「うーわ。オカンの『ジャスパルガス6世』よりも下だわ」
「まず何で6世とかMark.6とか数字つけるの?遺伝?」
「かっこいいじゃん」
「痛いよ…。その子が仮に独り立ちすることになったときに名前聞かれたら「Mark.6です」って答えるんだよ?恥ずかしくない?」
「いやオカンは家族って言ってるけど形式的には奴隷だからね?独り立ちなんて出来ないでしょ」
俺がそう言うとガスパディーンは「そうかなぁ」と言ってくる
「…なんだよ」
「いや…。アヘンは知らないかもだけど最近奴隷が反乱を起こしたってニュースが流れてきたんだ」
「え?ここでか?にしては街も平和だけど…」
「ちがうよ。『ガンタニア王国』であったんだって」
ガンタニア王国…俺たちが住んでいる『ケルシャス聖国』から二つ国を挟んだ位置にある国。主に魔族が中心となっている国。長年とある悪魔の王族が納めてきた国。
「ガンタニアで?あそこは俺たち魔族にとっては理想の国だったけど…」
「行きすぎた奴隷管理が爆発したんだよ。獣人や人間、エルフや妖精が一挙に王宮に押し寄せたんだって。流石に対処しきれなかったのか王の元までたどり着かれて奴隷達に捕らえられたんだと。んでそのまま処刑。今は『ガンタニア王国』改め『ガンタニア国』になったんだって」
「おいおい…それじゃ反乱じゃなくて革命じゃねぇか…それで魔族達はどうなったんだ?」
俺が聞くとガスパディーンは首を横に振る
「今はガンタニアで強制労働だって。…今は国際世論も反魔族が広がってるんだ。お陰でそれぞれの店だったり軍だったりも魔族お断りが増えてるんだ。…まぁ魔族の水商売は特に影響受けてないみたいだけど…僕みたいなオークは力仕事がメインだから仕事がなくなって困ってるってさ。一応魔族がトップに立っている国はまだあるからそういったところに亡命した方がいいかもね…まぁそこもいつ革命が起こるかわかんないけど…」
ガスパディーンがそう話す
「…なんか魔族にとってはとっては生き辛い世の中になったな…」
「それは昔からでしょ?」
それもそうかと俺が言い、お茶を飲むと入り口の方から「「オーイ!」」という声がする
「おっ?どうやら遅刻常習犯が来たみたいだぞ?」
「そうみたいね。はーい!」
はてさてあいつは何のために俺達を集めたのかね…
そんなことを考えながら俺はお茶を飲み干した
最近トマトが凄い旨みあることに気づいた。