その日、サキュバスは“人間”を知った 作:とある組織の生体兵器
朝 朝食完成
「よし!出来たね!」
「うん。」
狼女が割烹着を着たまま朝食を炬燵の上に人数分並べる。
「あとは、みんな起きてくるのを待つだけだね!」
「起きるかな?」
「時間が来たら起こすよ。」
狼女がポットに水を入れて沸かす。
「ところで、Dさんの夢…どうだったの?」
「…雪の降る山の麓で、寺とかのない墓でしゃがんでた。猿のお面を被った者もいて…。…とても寂しそうだった。」
「…そう。」
「あと、Dは私たちのことをこの上ない大切な存在だって。ただ、異種族との交配は禁じられているから異性としては認識してないって。」
「…そう…。」
狼女が分かっていたかのような顔になっていた。そこに…。
「ふぁ〜…。おはよう…。」
「巨人お姉さん。」
巨人が部屋から出てきた。4人と5人一部屋だったらしく、ドアの中には妖精が寝ていて、竜は朝の手入れ、機人がスリープモードに入っていた。
「お姉さん…まずは髪の毛ボサボサだから髪をとかそう?」
巨人が炬燵に座り、その後ろで狼女が櫛でとかしてあげる。ちなみに、巨人の方が姉だ。
「そろそろ6時…。吸血鬼ちゃんたち起こしてきてくれない?」
「うん。分かった。」
狼女に言われ、サキュバスが部屋に戻る。
「…すごい姿勢…。」
サキュバスが呟いた。吸血鬼は抱き枕を抱いていて、半分妖怪の姿になっているアルラウネは日の当たる場所に自然と行くのか、僅かに光が入っているタンスの上に、砂女は何をしようとしたのか不明だが、ポニーテールがタンスの扉に挟まっていて、斜めになっていた。
「吸血鬼お姉さん。起きて。」
サキュバスが吸血鬼を揺らす。
「ん〜…。眠いよぉ…。」
吸血鬼が目を閉じたまま嫌そうな顔をする。
「朝ごはん。」
「…ほっぺにおはようのチューしてくれたら起きるかも…。」
「なら、いらないね。」
「…わかった、起きるよ…。」
サキュバスは吸血鬼を放って、アルラウネたちを起こす。
「アルラウネお姉さん、サンドガールお姉さん起きて。」
サキュバスがタンスごと揺らす。
「あっ、そうだ。アルラウネ姉さんを無理矢理起こしちゃダメだからね…。」
「……。遅いよ…。」
吸血鬼が言ったが、すでに遅かった。アルラウネの左腕から出てる巨大ウツボカズラがサキュバスを捕らえていたのだ。
「…なんか靴下がシューシュー言って、足がピリピリするけど、これ大丈夫なやつ?」
「にぇ!?大丈夫なわけないじゃん!消化が始まっちゃってるよ!」
吸血鬼は眠そうだったが、飛び起きて除草剤を持ってきた。
「ごめん!アルラウネ姉さん!サキュバスちゃん!今助けるから!」
シューーー!
「!?!?!?」
除草剤をもろに浴びて、アルラウネが堪らずに飛び起きた。
「…で?」
吸血鬼は足を掴まれて逆さ吊りにされていた。
「たしかにサキュバスを助けるためには仕方ない…。でも、直で顔にやるってどういうこと?」
「い、いや〜…。もう既に消化が始まっちゃってて…。すぐに止めるには直でやるしかないかなーって。」
「……。吸血鬼…下をよく見て。」
「?…!ラ、ラフレシア…。」
吸血鬼の吊るされた真下にラフレシアが咲いていた。
「謝らないと、このまま少しずつ下に…。」
「う、うん!謝る!謝るからヤメテ!」
その後すぐに吸血鬼は謝った。
「砂お姉さんは?」
サキュバスが砂女を探すが見当たらない。
「?そこにいるじゃん。」
「どこ?」
「踏んでるよ。」
「!?」
サキュバスは砂を踏んでいることに気がついた。つまり、そういうことなのだ。
「寝ぼけて妖怪そのものの姿になっちゃってるね…。街を砂で埋めなきゃいいけど…。」
「!?砂で埋める…?」
「うん。前はこのマンションを砂で埋めちゃったことがあってね…。ものすごく怒られてたから、寝ぼけてももうしないと思うんだけど…。」
「……。」
サキュバスは心底、この家庭が普通じゃないことを実感する。
「そんな時は、霧吹きをかけてあげて。」
「?」
シュッシュッ…
シュゥゥゥゥ…
サキュバスが霧吹きを砂にかける。すると、寝ぼけている姿に変わった。
「起きて。砂お姉さん。」
サキュバスが揺らす。
「…ん…?」
砂女が起きる。
「……。…おはよう。」
「おはよう。」
辺りを見回した後、ボケるネタがなかったのか普通に挨拶をした。
「朝ごはん?」
「うん。こっち…。」
サキュバスが皆を連れてリビングへ行く。
「おはようございます。」
「おはよ。」
「おはよう。」
機人たちが既に炬燵に入って座っていた。まだ誰も朝食に手をつけていない。皆で集まってから食べるのが基本なのだろう。そこに…。
ガチャ…
「ただいま。ふふふ。」
「ただいま…。」
鬼とDが玄関から来た。
「あれ〜?お父さん、鬼姉さんとどこ行ってきたの?」
吸血鬼が聞く。
「家族がついに10人を超えたからな…。部屋も既にギチギチだったからな…。良い物件を鬼と一緒に下見をしに行ったんだ。」
Dが洗面所から手洗いうがい、消毒をして来た。
「なら、一戸建てが良い!」
「妖精…一戸建てはダメだと分かっているだろう…。」
妖精が言い、Dが却下する。
「どうして?」
「私たちが妖怪だとバレたら、引っ越さなくちゃいけないじゃん?一戸建てだとお金もかかるし、すぐに移動できないから…。」
「ふぅ〜ん。」
「…一戸建てかぁ…。…1人用の部屋欲しいなぁ…。」
サキュバスと吸血鬼が話す。
「…ちなみに、1人一部屋ずつの物件はあった…。」
「「「本当!?」」」
「…だが、場所は本部のすぐ隣の、妖怪専用アパートだ…。」
「…それはやだな…。」
「ふふ…。」
「いや!」
Dが言った途端に全員が思いっきり拒否する。
「あそこ、噂ではAからZも住んでいるんでしょう?Yと毎日遭遇するなんてとても耐えられない…。」
「全員はいないけど、確実にいる。」
「他とか…。」
「…部屋が一つ増えただけの物件もあった。」
「なら…そこにするしかない…。」
「だが、ここよりもさらに駅が遠くなる。デメリットの割合の方が高い。」
「……。」
「最近は物件も安くない…。事故物件は大抵妖怪が潜んでいるからな…。同居なんて嫌だからな…。」
「同居は困ります。」
「知ってる。」
全員、家族会議のようだが決まらない。それぞれ、このマンションで一部屋借りて10人で住むのは狭いと気づいているからだ。
「…あそこはどう?ふふふ。」
「あそこか…。たしかに、納得しそうだが…。」
鬼が言い、Dが困った顔をする。
「どんな場所?」
「ここよりも駅が近くで、部屋の数も一つ増えて広い場所よ。お金もさほど変わらないわ。ふふふふ。」
「絶好の場所じゃん!」
「なんで嫌なの?」
サキュバスを含めた姉妹がDを見る。
「…それは…。」
「仕事の仲間がいるからよ。ふふふ。」
「いるのはRだ…。女だが、色々と変態でな…。なんというか…近寄り難い。」
「どんな変態?」
砂女が聞いたのがまずかった。
「…露出魔で…。」
「「「露出魔…。」」」
「ドMで…。」
「「「ドM……。」」」
「まぁ、パッと思いつくだけでもこれだ…。他にもあっち系方向へ持って行こうとしたりな…。まさにR-18(アルファベットでRは18番目)だ。」
Dがため息を吐く。すると…。
ピピピピピ…
携帯が鳴った。
「…俺だ。…仕事か。分かった。…D680の道を移動中か…。…ああ。…すぐ行く。」
そして、Dが携帯を切った。
「…悪いが、朝食は共に食べれそうにない。帰るのは恐らく明日の朝だ。頼むぞ。」
「はいはい。いってらっしゃい。ふふ。」
「いってらっしゃ〜い…。」
「行くのか…。…父上、帰ってくるのじゃぞ…。」
「…いってらっしゃい…。」
「無事に帰ってきて…。」
「いってらっしゃーい!」
「いってらっしゃいませ。」
「……。」
「お父さん、いってらっしゃい。」
「早く帰ってきてねー!」
「行ってくる。」
Dが玄関から急いで行く。
「…朝ごはんの時に呼び出されるなんて…。人間って不便…。」
サキュバスがつぶやいた。
「ま、そんなことより朝食朝食♪」
砂女が席に座る。他の姉妹たちも席に座って行く。
「「「いただきます。」」」
「召し上がれ!」
本日の朝食
えのきと豆腐とわかめの味噌汁
鮭の塩焼き
小松菜
白米
たくあん
とても美味しかった!
「ボー…。」
サキュバスがボーッとする。いつも話している吸血鬼は狼女と朝食の後片付けだ。そこに…。
ドガーン!
「「「!?」」」
鬼たちの部屋から爆発音が響いた。
「あー…。また失敗したね…。」
「後片付け大変だろうね…。」
吸血鬼と狼女が分かったかのように言う。すると…。
ガチャ
「ケホッケホッ…。ふふ…。」
「毎回言っておろう!改造は外でやれと!」
「起こされちゃった〜…。」
「煙い!」
鬼たちが部屋から逃げるように出てくる。部屋からモクモクと煙が出ていた。鬼たちは急いで窓を開ける。
「本当…。近所迷惑になるからやめてほしい…。」
狼女がつぶやく。
「ジジジ…ケイサンミスデス…スミマセン…。」
サキュバスが中を除くと、半妖怪の姿で腕を機械化させて、色々改造している機人がいた。部屋はもうヒッチャカメッチャカだ。そこに…。
ピンポーン!ピンポーン!
「早速苦情が…。」
狼女が困った顔になり、人の姿に変わって玄関へ行く。色々言われて、ペコペコ謝っている狼女。サキュバスは可哀想と思った。
「これで今月何回目?ふふ…。」
鬼も通常通りの不敵な笑みを浮かべていたが、声に怒りを感じていた。皆迷惑しているようだ。
「…10回目…。…1週間に一回…必ずそうなってる…。」
アルラウネが言うと…。
「機人…。今後当分、改造禁止よ?約束してたものね。ふふ…。」
「ジジ…ゴメンナサイ…。」
「ごめんなさいで済めば、こんなこと言わないわよ。ふふ…。」
鬼が不敵な笑みを浮かべていうが、内心怒っていることがすぐに分かった。
「そうね…。3ヶ月禁止よ。ふふ…。」
「サ、サンカゲツ…。」
「ええ。約束してたものね。ふふ…。」
「…ハイ…。」
機人が人の姿に戻った。
「はい。これでおしまい。皆んな、もう機人を責めちゃだめよ?ふふふ。」
鬼が言う。ならば、もう機人に何も言うまい。
「うぅ…。」
機人が炬燵の隣で横になる。
「…夢魔…。」
「?」
「…暇です…。」
「…同じく…。」
「…外へ遊びに行きますか?」
「…外で何するの?」
「ボール遊び…。」
「空き地あるの…?近くに…。」
「…歩いて1時間ほどすれば広い空き地があります。平日なので人もいないと思いますし…。」
「…外…。」
サキュバスが外を見る。晴れていて、鳥が飛んでいる。
「…うん。行こう。」
「それでは、行きましょう。」
「吸血鬼お姉さんは?」
「わ、私吸血鬼だよ!?太陽の光が死ぬほど嫌いなんだけど…。」
「狼お姉さんは?」
「私は家事があるから…。サキュバスちゃんは遊びに行って?」
「…うん。」
サキュバスと機人が玄関へ行くが…。
「ちょっと待ったー!何故あたしを誘わない!?」
引き留めたのは砂女。隣には無理矢理連れてかれそうになっているアルラウネがいた。
(わー。すっごい迷惑そうな顔…。)
アルラウネの顔を見てサキュバスが思う。
「あたしも行きたーい!体動かしたーい!」
「…断っていいよ…。」
「なら、砂女さんも行きますか?」
「行くー!」
「…行きたくない…。」
「なら、行きましょう。」
機人が靴を履く。アルラウネの言葉は聞こえていない。
「…あの4人じゃちょっと不安…。」
「サキュバスちゃんは道をよく知らないし、砂女ちゃんは方向音痴だし、機人ちゃんは精々1人を相手にするのに手一杯そうだし、アルラウネ姉さんは自由だし…。吸血鬼ちゃん、行ってきてくれない?」
「日向…。」
「サキュバスちゃんに嫌われちゃうよ?」
「……。」
『吸血鬼お姉さん嫌い!あっち行って!』
「…へへへ…。少し良いかも…。」
「…え…。」
「じょ、冗談だよ!行ってきまーす!」
狼女がドン引きして、吸血鬼が誤魔化してから行く。
「……。」
サキュバスが道を覚えるためキョロキョロ周りを見ながら行く。自分たちの住んでいるマンションの近くに、高さも低くて古いマンションが4つほど建ち並んでいて、その隣に駐車場のある、真ん中の全く車の通らない道の歩道を歩いて通る。そして、緩やかな坂を登る。
「…疲れてない?」
「大丈夫…。」
「この先を右折です。」
砂女に心配されて、サキュバスも坂を歩く。すぐに坂の終わりに到達して、右折する。歩道の狭い白い線が左側にあり、4人一列になって歩いて行く。
「…学校…。」
「?うん。人間の通っている学校だね。」
しばらく歩くと小学校が見えて来た。広い道路を挟んですぐ隣に中学校がある。
「ここを左折です。」
しかし、真ん中の道路は通らず、小学校の周りの道を行く。小学校のある右側に広い歩道があったがすぐに無くなり、白い線の内側を1列で歩いて行く。サキュバスは学校が気になったが、迷った…もしくは逃げ出したと判断されないように3人について行く。
「ここを左折です。」
機人がナビのように説明する。その道を歩いたらすぐに下り坂…。そこにある国道の通っているT字路の横断歩道を渡るらしいが、近くの電柱の下に花束が置いてあった。誰か亡くなってしまったのだろう。
「まだつかないの?」
「もうすぐ。」
砂女が流暢に言い、安全を確認して皆で向こう側へ渡る。…まぁ、交通事故に遭っても怪我をするのは車側だと思うが…。
「左折して、また上り坂だけど、道中右側に総合グラウンドがあるから…。」
「まだ上るの…?」
「体力ない?歩いてまだ10分くらいだよ…。」
砂女がサキュバスに言う。ちなみに、皆気づいていないが、サキュバスは半妖怪の姿だ。ツノや尻尾、羽が出たままだ。
「これにて、ナビを終了致します。」
そんなこんなでグラウンドについた。
「…グラウンドだね…。」
「うん。グラウンド。」
「…サッカーのコート以外何もないよ…?」
「うん。何もないよ。」
「…奥に数本木があるだけ…。」
「邪魔するものはないね〜。トイレと自動販売機はあるけどね。」
誰もいない、ほぼ何もない土のグラウンド。これが市の運営しているグラウンドなのだから驚きだ。
(…アルラウネお姉さんは雑草むしってるし…。どんだけ行きたくなかったの…?)
アルラウネがそこらの、少しだけ出ている雑草をむしってた。好きな読み途中の本も家に置いてきて、無理矢理連れてかれたのだから塞ぎ込むだろう。
(向こうではもうすでにキャッチボールの準備してるし…。)
砂女等がグローブをはめたり、ボールを持ったりしている。
「本気でこーい。」
砂女がふざけて言う。が。
「分かりました。」
機人が真に受けた。そして、半分機械化した。
「…時速1500km…パターン剛速球…ストレート…南西カラ北東へ風速3m/s…左下斜メ6cm…。」
何やら、機人が計算している。構えて、投げるその姿に禍々しいオーラが見えるのは気のせいだろうか…?
ビュォォォォ!!!
(音速を超えたー!?)
その球が投げた途端に見えなくなるのだから、魔球どころじゃない。
ズッッドォォ!!!
(とったーーーー!?)
砂女が見事にキャッチした。しかし…。
どひゅーーー…ガラガラガッシャーン!…バフンバフン!
砂女が吹っ飛び、色々大惨事になった。
「いたたた…。」
「ちょ、大丈夫!?」
サーカーのコートが折れ、見事に脇腹に突き刺さっていた。
「脇腹に…。」
「うん?あぁ、平気。普通の人間なら大惨事だけど…。」
スポ
「私、身体が砂で出来てるから。」
(そうだった…普通じゃないんだ…。ここの人たち…。)
砂女が何ともなさそうに起き上がり、スライドさせて通り抜けた。
「でも、サッカーコート壊しちゃった…。」
「ワタクシノ責任デス。何トカシマス。」
機人の右腕がバーナーに変わった。そして、手際良く接合して行く。
(そう思ってみればアルラウネお姉さん…。まだ草むしってる…。)
どうやら、相当ストレスが溜まったらしい。
「ア、アルラウネお姉さん…。」
「?」
アルラウネが振り向く。しかしサキュバスが声をかけると、不快にさせないようにしているのか、嫌な顔はしていない。
「…何かして遊ぼう?」
「…うん…。」
立ち上がり、サキュバスの後をついて行く。
「…何するの…?」
「ん〜…。」
サキュバスが周りを見るが、本当に何もない。いるのは、本気で投げ合って球が見えないくらいのキャッチボールをしている砂女と機人のみだ。
「…何もないね…。」
「……。」
「ちょっと待ってー!」
またしゃがみ込むアルラウネを引き止める。
「?ううん。違う…。見て…。」
「?」
サキュバスがアルラウネの隣にしゃがむ。
「わ〜。」
アルラウネは草をむしっていたわけでは無かった。まだ咲いたばかりで全然花開いていないタンポポを見ていたのだ。
「春の訪れ…。気持ちの良い季節…。私の好きな季節…。」
「うん。」
アルラウネが少し嬉しそうに言い、サキュバスもほのぼのする。
「手を振れずにそのまま自然のまま眺めるのが1番…。でも、自分のものにしようと持ち帰っちゃう人間もいる…。」
「うん…。そういう人やだな…。」
「でも、それも自然のことなのかな…て、思う…。…人間は満たされない生き物みたいだから…。」
「…満ちても、慣れればもっと満たしたくなる生き物なんだね…。人間って…。」
「何というか…。…可哀想な生き物…。」
「…うん…。」
「でも、だからと言っても、他を蔑ろにしてまで満たそうとするのは良くない…。植物も生きてる…。自分のものを取られるのが嫌なのに、自然のものを取るのは良いなんて、理屈がおかしい…。誰のものでもないものなんて無い…。」
「…そうなのかもね…。」
アルラウネが儚げに言い、サキュバスも納得する。
「…暗い話はもうやめ…。学校…気になってたよね?一緒に行こう…?」
「?でも、砂お姉さんたちは?」
「…多分、アレはすぐに終わらない…。」
砂女と機人は音速を超えたキャッチボールをしていた。2人を放って、サキュバスたちが来た道を戻る。例え、変な人に絡まれても何とかなるのは確かだからだ。
Passion!!!
登場人物紹介コーナー
機人…普段から自身の改造が趣味。過去は不明。半分妖怪化した時の身長は変わらないが、重さはなんと5tほどある。
砂女…サンドガール。普段は人の姿であり、半分妖怪になっても1番気づかれにくい。唯一の違いは砂で人の姿か否か。
組織から化け物扱いされている者
長女 鬼
次女 巨人
三女 竜
六女 砂女
七女 機人
可愛い系
巨人、アルラウネ、狼女、砂女、サキュバス、吸血鬼、妖精
美人系
鬼、竜、機人