その日、サキュバスは“人間”を知った   作:とある組織の生体兵器

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続けて投稿。


その日、サキュバスは新たなモンスターを見た。

小学校

 

サキュバスとアルラウネが小学校の裏口にいる。監視カメラはあるが、裏口の抜け道があるところだ。正確には動物のいない飼育小屋の裏だ。

 

「ここから入るの…?不法侵入じゃ…。」

 

「…大丈夫…。不法侵入…だけど…変身…すればいい…。」

 

「ど、どうやって…。」

 

「こう…。木になったり…。」

 

メギメギメギ…

 

アルラウネが無理に木になろうとして歪な形の木になった。

 

「怖い…。普通に怖い…。魔女の生やした禍々しい枯れ木みたいになってる…。」

 

サキュバスは普通に怖がった。

 

「なら…面白くないけど…これ…使う…?」

 

アルラウネが保護者証を出す。

 

「なんでそんなものが…。」

 

「妖精が通ってる…。」

 

「通ってるんだ…。でも、休日だけど勝手に入っていいの?」

 

「あくまでも…最終手段…。こっそり侵入…。」

 

「やっぱり…。」

 

サキュバスは、ズカズカとはいるアルラウネの後ろをついて行く。

 

「それに…サキュバスには…魔眼がある…。」

 

「結局、私頼み…。」

 

2人がそのまま進み、中庭に行く。長草や木が生えていて、しゃがめばバレなさそうだ。2人は学校の中の様子を見る。

 

「……。」

 

「……。」

 

アルラウネは、少し羨ましそうにじーっと見ているサキュバスを見ていた。

 


 

「こんな感じなんだね。学校って。」

 

一通り色々なところを見て、サキュバスが少し満足した。

 

「そう…。」

 

「アルラウネお姉さんはどこか学校とか通っていたりするの?」

 

「してない…。すると…正体がバレる…。」

 

アルラウネたち妖怪は、人間よりも断然に寿命が長い。妖怪にとって10年など、早く感じても人間で言う数ヶ月だ。と、なれば1、2年で身長など変わらないということだ。

 

「でも、妖精は小学校行ってるじゃん。」

 

「小学校や…中学校は…成長に…バラつきが…ある…。だから…ギリギリ…セーフ。」

 

「ふぅ〜ん。」

 

サキュバスとアルラウネが話していると…。

 

『ややっ!誰だ!?』

 

「見つかった…逃げなくちゃ…。」

 

「逃げるの!?」

 

二人が裏口へダッシュで行く。

 


 

「はぁ…はぁ…。」

 

「……。」

 

サキュバスはゼェゼェ言っているが、アルラウネは呼吸一つ乱れていない。

 

「これが…人間の…小学校。」

 

「はぁ…はぁ…。そう…。」

 

アルラウネたちがグラウンドへ戻ろうとしたが…。

 

『……!』

 

『……!』

 

「?」

 

中学校から何やら声が聞こえる。サキュバスとアルラウネが行くとそこには…。

 

「はーなーせー!」

 

「離すか!いい加減に学校へ来い!休日も張り込みしてやっと見つけたと思ったら!」

 

「やーだー!どうせ高校行けないからいーやー!」

 

吸血鬼と職員が何やら言っている。吸血鬼は掴まれた手を離せと言い、職員はいつも不登校の吸血鬼を学校へ引きずってでも行かせようとしている。実際は吸血鬼に力負けしているが…。

 

「高校行かないと大変だぞ!」

 

「私はいいのー!」

 

「言い訳あるかっ!?将来大変だ!」

 

「将来とか何年も先なのにー!」

 

「先のことだから今やるんだ!」

 

吸血鬼と教員が揉めている。

 

「ふんっ!」

 

「あっ!待て!」

 

吸血鬼が腕を振り解き、逃げた。

 

「…見れば…分かるけど…吸血鬼も…中学生…。」

 

「と、いう設定。」

 

アルラウネとサキュバスは逃げる吸血鬼を見ていた。

 

「そう思ってみれば、学校へ通っている妖怪って妖精や吸血鬼お姉さんたちだけなの?」

 

「ううん…。二クラスに…一人の…割合…。」

 

「そんなにいるんだ。」

 

「国際異種族憲法で…それぞれの…国の…教育方針に…従うって…書いてある…。」

 

「そんな憲法あったんだ…。」

 

サキュバスは少し記憶喪失であり、転々としてきたため、あまりよく分からない。

 

「でも、田舎だからこんなに少ないのかな?」

 

「ううん…。すごく多い…。」

 

「この学校で10人も満たないのに?」

 

「うん…。田舎の…方は…逆に…多い…。都会は…逆に…少ない…。人が…多いから…存在が…バレやすい…。」

 

「じゃあ、ここは地味にホットスポットなわけね。」

 

「そこを…管轄して…統制するから…父さんは…とてもすごい人…。」

 

アルラウネはDを思い浮かべる。

 

「ふーん。」

 

しかし、サキュバスはどうでも良さそうな顔だ。

 

「ところで、引っ越しがどうのとか言っていたけど、どうなの?」

 

「引っ越し…。…したいけど…父さんが…嫌がってる…。」

 

「でも、私が来たせいで狭いと思うし…。」

 

「元々…狭かったから…そんなこと…考えなくても…良いよ…。」

 

「…Rって、見たことある?」

 

「R…。会ったこと…無いから…分からない…けど、中国で…5年間…働いていた…みたい…。」

 

「中国?そんなところにもこの組織あるんだ。」

 

「ううん…。父さんの…所属する…組織は…日本だけ…。アメリカでは…エイリアン担当…みたいに…分かれている…。」

 

「へぇ〜。」

 

サキュバスは詳しい事情を知らなかったため、新鮮に感じた。

 


 

「ただいま。」

 

「おかえりなさい。」

 

狼女が笑顔で出迎えてくれた。

 

「いい散歩になったよ。」

 

「ジジジ…。」

 

「私の勝ちだったね!」

 

「遅く…なった…。」

 

「うん…。夜だもんね。」

 

現在10時前後。警察などに補導されないか心配だ。

 

「お父さん、まだ帰ってこないんだ…。」

 

「うん…。夜ご飯もう作っちゃったのに…。」

 

吸血鬼が聞いて、狼女の尻尾と耳が垂れ下がる。今晩は天ぷらをやったみたいだ。

 


 

「…もう大半は寝ちゃったし…。」

 

夜行性の吸血鬼と狼女とサキュバス、夜行でも昼行でもない鬼、そして寝る必要のない機械人が待っている。他の者は夕食を先に食べて寝てしまっている。

 

「…丸一日、家を留守にしたことは無かったよね…。もしかしたら…。」

 

「やめて。そんなこと想像しないで。」

 

吸血鬼が少し追い詰められた顔をしたが狼女がやめるように、真剣な表情で言う。

 

「…まぁ、死ぬリスクが高い仕事をしているものね…。ふふふ…。」

 

「死ぬリスク…?」

 

「はい。お父様は人間です。私たちのような妖怪を相手にする訳ですから、突然死んでも納得してしまいます。」

 

「……。」

 

(だから、あの時猿の仮面は…。)

 

サキュバスはGを思い出す。

 

「だから、死んでほしくないから他の職業を探すように言ってるけど…。」

 

「しかし、そうなるとわたくしたちの生活費がストップされてしまいます。」

 

組織はドライのようだ。そこに…。

 

「!」

 

鬼がベランダの方を向く。

 

「帰って来たの?」

 

「しっ!灯も消して…。ふふふ。」

 

「「「……。」」」

 

狼女が明かりを消す。真っ暗になった。しかし、彼女たちの目には見えている。

 

「…人ではありません…。おそらく妖怪…。いえ、海外だからモンスターです…。」

 

機械人が瞬時に分析した。

 

「う…く…。」

 

苦しそうなうめき声をあげるベランダの怪物。そして、狼女が警戒しながらカーテンを開けた。

 

「!」

 

ハーピーだった。ハーピーはカーテンが開けられた途端に睨み、飛び立とうとしたが翼を怪我していて動けない。

 

「…苦しそう…。」

 

「…鬼姉さん、どうする?」

 

「…一応助けましょう…少しでも攻撃してきたら、迷わずに拘束ね。ふふふ…。」

 

そして、鬼たちは助ける選択をとった。

 

ガララララ

 

「大丈夫?」

 

「……。」

 

ハーピーは睨んだままだ。狼女は耳と尻尾を目立つように、振ったりピンとさせたりする。

 

「…妖怪…?」

 

「あ、気づいてくれてよかった。」

 

分かった途端、睨んでいた目が和らぎ、少し安心した顔をした。

 

「歩ける?」

 

「……。」

 

狼女が聞くが、首を振るハーピー。よく見ると、足も怪我していた。

 

「よいしょ。」

 

鬼も力を貸して、一先ず入れて治療する。

 

「誰にやられたの?」

 

「……。」

 

鬼はハーピーの見ている足を見る。鋭い爪のであり、返り血がついていた。

 

「…すごい傷跡じゃ…。間違いなく殺しにきておる…。」

 

鬼は竜も起こして、手当てを急ぐ。翼は大きく抉れ、あと数センチ傷がずれていたら死んでいた。

 

「…羽はこれくらいじゃ…。あとは出血が止まっていない足じゃ。」

 

「ふふ。」

 

竜と鬼が一生懸命手当をする。鬼が圧迫止血をして、竜が傷薬を塗って包帯を巻く。

 

「…ダメじゃ、止まらん!サキュバス、儂の部屋から赤い液体の入った瓶を持ってくるのじゃ!」

 

「う、うん!」

 

包帯に血が滲んで行き、竜が叫ぶ。サキュバスは急いで取りに行き、渡す。そして、それを飲ませた。

 

「大丈夫だからね。手を握って。」

 

「回復速度30%上昇。」

 

「鬼姉さん、変わるよ?」

 

「大丈夫よ。ふふふ。」

 

「これで、良くなるはずじゃ…。」

 

4人が治療する中、サキュバスは考えていた。

 

(こんな生死に関わる傷を、普通人間から受けるかな…?だとしたら組織…。見たところ未成年に見える…抵抗したんだ…。多分、Yにやられたんだと思うけど…。私も、助けが来なかったり抵抗していたらこうなっていたんだ…。)

 

サキュバスはハーピーを見てゾッとする。

 

「…出血は止まったのじゃ…。あとは安静にしておくことじゃ…。2〜3日は歩けん。…飛ぶことは尚無理じゃ…。多分、このまま永遠に飛べんだろう…。」

 

「う…!く…!」

 

ハーピーは羽である手を動かそうとしたが、激痛が走って動きもしない。

 

「手は尽くしたのじゃ。組織の病院へ行けば良いと思うが…。父上に事情を話さなければ進まん…。」

 

「父上…?」

 

「Dじゃ…。明日の朝には帰ってくると思う。そのまま安静にしておくのじゃ。」

 

鬼と竜は、手についたハーピーの血を洗いに洗面所へ行く。

 

「安静にして。」

 

狼女はハーピーに毛布をかけてあげる。

 

「ベッドがないからリビングだけど…。この際我慢して。明日までにはお父さんも帰ってくるから…。」

 

吸血鬼と狼女は夜行性のため、一晩中みているつもりだ。

 

「わたくしはベランダの血液の処理等をしてきます。」

 

機械人は掃除だ。

 

「……。」

 

サキュバスはハーピーをじっと見る。羽と髪は鮮やかな赤色、整った顔立ちをしていて、控えめに言って美人だ。前から見るとショートだが、後ろから見るとロングの髪型も相まってより一層良い。体つきは…………うん、まぁ、こんなもんだろう…。

 

(…深傷を負わせたって言ったから、多分Yじゃないよね…。アレは負うはずがない…。なら、組織じゃ騒ぎになっているはず…。Dが帰ってきたら情報を教えてもらおう…。)

 

サキュバスはそんなことを思っていた。




タイトルががが。
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