東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第100話

「悪いが回復はさせねぇぜ!」

 

「貴男が相手?悪いけど貴男の相手は・・・っ!?」

 

雛はハイゼンベルクの周りを見た。霊夢や魔理沙、ユウコの元へ向かった個体は兎も角、ロボット少女軍団が空中に浮き始めたのだ。石は浮いてない。どうやら金属だけが浮いてるようだ。

 

「お前は回復させると面倒な事になるからな」

 

ハイゼンベルクがそう言った瞬間、雛の身体に金属の歯車や、鉱石を含んだ石がくっついていく。まるで磁石に引き寄せられたように、雛の体にくっついていくのだ。更にロボット少女軍団も、雛の体にくっついてしまう。離れようとしても、何故か離れられない。

 

「う・・・ぁ・・・重い・・・」

 

「悪いな嬢ちゃん。暫く眠ってて貰うぜ」

 

機械的な鎚を抱えるハイゼンベルクの顔を、雛は自分を覆い尽くす金属の穴から覗き込む。しかし、最後のロボット少女が雛の顔を覆ったと同時に、彼女は意識を手放した。

 

ハイゼンベルクは、雛が埋まった金属の山を見る。金属を浮かせて取り除き、雛が気絶しているのを確認した。

 

「鍵山雛の退治完了。俺や睦美はあの風が天敵だから早めに倒して正解だぜ」

 

「凄いですねぇ~。ハイゼンベルクさんの能力は」

 

両姫がハイゼンベルクを褒める。

 

「なあ両姫。ポンズの奴はどうした?」

 

「ポンズちゃんなら博麗ちゃん達の回復に向かいました~」

 

「そっか。俺達も追うぜ。特に河城にとりとの戦いは、俺の力が必要不可欠だからな。それに久々に出番が来そうだぜ。俺の新型ゾルダート共!」

 

ハイゼンベルクと両姫はその場から歩き出す。そしてハイゼンベルクは、玩具で此から遊ぼうとする子供のような笑みを浮かべていた。

 

(まっ、今回は雛の敗北でいっか。にとりがまだ負けてないからバトル続行だけど。取り敢えず、雛が目覚めたら説明しないと)

 

空からカメラを撮影し、雛の敗北を撮影に成功するはたて。そして、霊夢達の元へ向かって飛んで行った。

 

──────────────────────

 

その頃、霊夢達は襲い来るキングジョー、インペライザーの大群を相手にして、数押し作戦に苦戦を強いられる。

 

霊夢はプラズマ火球を発射してインペライザーに直撃させ、インペライザーを爆発させる。しかし、インペライザーはまた姿を現した。

 

「ああっ、もう!冗談じゃないわよ!一体何体居るのコイツ等は!!」

 

「霊夢!まだ増えてきてるぞ!『マスタービーム』!」

 

魔理沙はミニ八卦炉から青白い熱線を放ち、キングジョーとインペライザー一体の軍団を凪ぎ払い、爆発四散させる。霊夢と魔理沙が戦うインペライザーは紅魔館の妖精メイドのような再生能力は無かったが、その代わり頑丈さが増している。先程の熱線でも、インペライザーに当たったがすぐに壊れなかった。二分もぶつけ合った末に壊されたのだ。

 

『キリがありません!このままでは数に・・・後、千四百!?』

 

ユウコは顔を青く染めた。何故ならレーダー反応には、千を超える数のロボット少女軍団が多数存在しているからだ。

 

何処かにある工房を破壊すれば、彼等の動きも止まるだろう。

 

しかし、インペライザーの大群はどんどん押し寄せてくる。一体ずつ倒してはキリが無い。一気に倒すのも手だが、例え成功してもまたそのにとりという人物がロボット少女軍団を送ってくる。

 

ユウコは両手をキャノン砲に変えて、冷気を込めたエネルギー弾を放つ。エネルギー弾を連射し続けて、インペライザーの一体に直撃させる。インペライザーの体が凍っていき、軈て全身が氷結した。そして、ユウコが再び冷気のエネルギー弾を放った瞬間、インペライザーは粉々に砕け散った。

 

『むぅ!チルノ様が凄すぎます!』

 

すると、インペライザーが一人の少女の伸ばしたタコのような触腕に締め付けられ、握り潰される。

 

『貴女は、どちら様ですか?』

 

「私はポンズ。海の怪物“クラーケン”を宿したのよ」

 

ポンズの姿は変化していた。甲殻類のような籠手を両腕に装着し、両手は甲殻類を思わせる硬い鎧で包んでいた。腰からはタコの脚のような長く太い触手を四本も生やし、更に体は稼働する甲殻のような鎧を着込んでいた。

 

『クラー・・・ケン?』

 

ユウコは首を横に傾げた。ポンズの姿からは、データ上にあるクラーケンとは似ても似つかない。唯一似てるのは腰から伸びる長く太いタコの触手だけだ。

 

「黄泉の王ハデスが、自分の体を削って産み出した不死身の怪物よ。ある意味ハデスの子供ね」

 

彼女が宿した怪獣は、怪獣と言うよりある意味神話の怪物だ。冥界とはいえ神の体から産まれた怪物なのだから。言ってはいないがこのクラーケン、実はゼウス、ポセイドン、ハデスの父であるクロノス率いるタイタンの神々を滅ぼしたのである。ポンズはクラーケンに変身する度に思い出す。ポンズの記憶ではない。クラーケンの記憶である。ポンズはクラーケンの記憶を見た。クラーケンが不死身の肉体と破壊の力を使い、タイタンの神々を滅ぼす光景を。

 

そして、ポンズが触手を束ねて伸ばし、キングジョー五体とインペライザー四体を貫いた。

 

「取り敢えず、タイタンを滅ぼした力を受け取りなさい!」

 

ポンズが触手に暗黒のエネルギーを流し込む。そして、キングジョーとインペライザーが一気に消滅した。神をも滅ぼす力、異星人のロボットすらも容易く葬り去った。

 

「行きなさい貴女達!ロボット達を統べる河童の位置は把握済みよ!山岳の研究所!其処にロボット少女軍団を生み出してる河童が居るわ!」

 

「ありがとう!」

 

「感謝するぜ!」

 

『無理しないでください!』

 

霊夢達は飛んでいく。インペライザーが狙い撃ちしようとしたが、突然キングジョーに頭から突っ込む形で突撃した。

 

「っ!この磁力・・・カール!」

 

「よぅポンズ。相変わらずタコとは思えねえ見た目だなぁ」

 

其処へハイゼンベルクが葉巻を吸いながら姿を現した。彼の後ろから両姫が姿を現した。両姫は背中に翼を生やし、ゴツい鎧を纏い、鳥のような兜を頭に身に付けている。

 

両姫が宿したのはゴルバー。ゴルザとメルバが合体した怪獣である。

 

「ポンズちゃん強いわねぇ~。流石は冥界の神様の子供ね」

 

「言い方が誤解を招きそうなのだけれど?」

 

「まあ良いじゃねえか。俺達はロボット少女軍団を抑える事だ。来い、ゾルダートレギオン!そして、俺の新たな失敗作にして最高傑作!!シュツルム・ファンゴだぜ!!」

 

その瞬間、ハイゼンベルク達の背後に黄金の穴が展開され、耳に響くエンジン音と空気を切る音が響いた。軈て、ハイゼンベルクが“生まれ変わった”と豪語するシュツルムが最初に姿を現した。

 

それは、頭部が高度な刃物で構成されたチェーンソーで出来たプロペラを搭載したエンジンに変えられた巨大な猪の姿をしたモンスターであり、体は見たことの無い金属の鎧で覆われている。また、エンジンには四つのランプが搭載され、それぞれの色に白色で字が書かれていた。赤いランプには『炎』、青色のランプには『氷』、黄色のランプには『雷』、緑色のランプには『風』と、それぞれ書かれている。シュツルム・ファンゴの元にしたのはドスファンゴというモンスターだ。ヘカーティアが取り寄せてくれたドスファンゴの死体を利用し、新型シュツルムに改造したのである。

 

そして、シュツルムの背後から無数のモンスター達が姿を現した。全員が頭部又は両腕にドリルを搭載している。

 

小型恐竜型のモンスター『ゾルダート・ラプトル』はラプトルと呼ばれる小型恐竜の頭部に、掘削用のドリルを搭載したゾルダートだ。カドゥを心臓に植え付け、胸部に植え付けた『カドゥ制御リアクター』を使い、頭部の制御装置でハイゼンベルクの命令通りに動くようになった。

 

浮遊型死体兵『ゾルダート・UFO』。背部に円盤型の装置を持つゾルダート兵であり、以前の『ゾルダート・ジェット』では不可能だった永続的な飛行及び浮遊能力を獲得。浮遊装置に加えてデュークから購入した『永久式エネルギー炉』を使う事で、永続的な浮遊と飛行を獲得した。

 

そして、巨大な装甲を纏った『ゾルダート・コング』。巨大なゴリラの体に謎の金属で構成されたアーマーを纏わせた大型死体兵だ。

 

他にも様々なゾルダート兵が出現し、何れも異世界の様々なモンスターの遺体が使用されている。

 

「フハハハハッ!此れが俺のゾルダート・レギオンだ!テメェが軍団で来るなら此方も軍団で対抗してやらぁ!」

 

「死者を兵士に利用するなんて・・・クラーケンの親のハデスみたいね」

 

「うぅ・・・見慣れないわやっぱり」

 

ポンズはさほど驚いて無いが、冷めた目でゾルダート達を見ていた。両姫は吐きそうになっている。

 

「さあ行けぇ!!俺のゾルダート・レギオン!シュツルム・ファンゴ!!テメェが先行しろ!!」

 

『ブルルルルルウウウウウウウウウウッッ!!』

 

激しいエンジン音と咆哮を撒き散らし、猪の如くシュツルム・ファンゴが走り出す。それに合わせて、ゾルダート兵が走り出した。

 

『負けるな私のロボット達!お前達がそんな数だけの奴等に負ける訳が無い!』

 

「おっと言い忘れてたから一つ言うぜ。そいつ等のドリルやシュツルムのプロペラチェーンソー、鎧や武器に使った素材を教えてやる。ヘカーティアが仕入れてデュークが購入し、俺が爆買いした金属だ。その金属の名前は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“ヴィブラニウム”だ」

 

 

 

 

 

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