東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第102話

「ありがとうございました。またのご利用をお待ちしておりますぞ」

 

デュークと別れを告げた霊夢達は、空を飛んでドローンの案内通りに進んでいく。

 

しかし、此処で予想外の襲撃を受ける。

 

「貴様等が侵入者か!お前達を此処で排除する!」

 

現れたのは、白い狼の耳を頭に生やし、腰から白い狼の尻尾を生やす少女達。しかし、その体は黒い機械的な装甲を纏っている。首もとには背骨状のパーツといった有機的な要素が見られる。右腕から伸びた剣と左手と一体化した銃。

 

「天狗、いや正確には白狼天狗ね」

 

『すみません!通らせて頂きます!』

 

「ギガデロス部隊!突撃せよ!」

 

白狼天狗達が迫る。白狼天狗達が宿したロボット怪獣の名前らしき部隊名を叫んだ一際大きい白狼天狗の姿は、他の白狼天狗とは違っていた。白狼天狗達と違って毛並みは赤く、耳が巨大化している。赤い毛皮を纏った青いスーツを身に付けている。彼女が宿すのは『ウルフファイヤー』。とある怪獣と同じく夜行性で日光に当たればガスになる性質を持っており、口から火炎を吐く怪獣だ。

 

彼女は恐らく、隊長格だろう。

 

隊長格の白狼天狗が、突撃を命じた瞬間だった。

 

「待て!!」

 

しかし、白狼天狗達は動きを止めた。とある人物の一言で。

 

「椛様!」

 

「椛様、何故此処へ?」

 

「椛様!」

 

白狼天狗達が道を開ける。

 

「お前達が敵う相手ではない」

 

その白狼天狗は、カラータイマーらしき宝玉を胸元に填めて、青い甲冑を胸元に着けた白狼天狗だった。赤い髪に二対六本の角を頭部に生やした少女。体格が大きい訳ではないが、歴戦の気迫を纏っている。その体に纏う鎧は、まるで狛犬を擬人化したような姿である。

 

隊長格であろう体格の大きい白狼天狗すらも退ける所を見るに、かなりの地位に居る白狼天狗だろう。

 

「何より、彼女達なら山頂に勝手に入り込んだ神々を何とかしてくれる。待っていろ、私が話をしてみよう」

 

そして、その白狼天狗の少女は霊夢達に頭を下げた後に頭を上げて挨拶を行う。

 

「初めまして。文から話を伺っております。私は文の同期である犬走椛と申します」

 

「私は博麗霊夢よ。山頂の神様に話があるのよ」

 

「私は霧雨魔理沙だ。霊夢に同行してるぜ」

 

『ユウコと言います!霊夢様にお仕えする自立人形です!』

 

そして、椛は霊夢達に告げる。

 

「霊夢さん、魔理沙さん、ユウコさんですね。我々も山頂に現れた神社に赴いておりますが、全員が尽く返り討ちに遭いました。我々では神々に対処出来ません。しかし、にとりや雛様、静葉様と穣子様に勝利した皆様なら、二柱の神と風祝に対抗出来る筈です」

 

「私達に頼み込むのか?それなら頼まなくても戦うつもりだぜ」

 

「ありがとうございます!ですが、皆様のお力を試して頂きます。私と一戦交えてください。一対一の、そちらで言うモンスターバトルを申し込みます」

 

椛が剣を真っ直ぐに構え、左手に持つ盾の持ち手を握り締めて、中腰の構えになる。

 

「私がやるわ。魔理沙、ユウコは見てて頂戴」

 

「そして審判は私がやるわー」

 

はたてが空から降り立つ。椛が構えを解いた。

 

「はたて!」

 

「ハロハロー椛。相変わらず真面目な雰囲気醸し出してるわねー。つーかぁ、真面目過ぎて固すぎだしー」

 

「余計なお世話です!ですが、審判を引き受けてありがとうございます。文と違ってはたては信用出来ます」

 

「サンキュー。じゃあ、お互い構えて」

 

霊夢はガメラを纏った怪獣娘形態となり、椛は初めから怪獣娘形態のままである。椛が改めて構えを取り、霊夢はお祓い棒を構えて片腕の爪を椛に向ける。

 

「モンスターバトル、始め~!」

 

はたての間延びした開始宣言と共に、椛と霊夢が走り出す。

 

「霊夢ー頑張れー!!」

 

『応援してます霊夢様ー!!』

 

魔理沙とユウコが応援を始めた。

 

──────────────────────

 

その頃、睦美とリグルは妖怪の山の上空を飛んでいた。アトラル・ヒドラは翼の円盤の反重力エンジンにより浮遊しており、更に睦美の意志で行きたい所へ飛べる為、非常に便利だ。

 

「そろそろハイゼンベルクさんと合流出来る筈です」

 

「ねえ睦美。私が本当に蟲の王になれるの?」

 

「なれますよ。私が保証します。とは言っても今の段階ではリグルさんに昆虫の素晴らしさと、蟲を操って出来る方法を教える程度しか出来ません。ですが、忘れないでください。蟲の力は偉大であると」

 

「・・・ありがとう、睦美!」

 

睦美はリグルの笑顔を見た瞬間、睦美は胸の奥から熱い何かが込み上げて来るのを感じた。そして、鼓動が早くなるのを感じた。

 

(な、何ですか・・・この気持ち・・・リグルちゃんの笑顔が眩しく見える!)

 

その瞬間、睦美は操作を誤り、アトラル・ヒドラを森に落下させてしまう。

 

凄まじい音と衝撃波が周囲に轟き、木々を薙ぎ倒してしまう。

 

「・・・す、すみません。大丈夫ですか?」

 

「うん、平気だよ」

 

「取り敢えず降りなくてはいけません。リグルちゃん、此方です」

 

睦美は繭を解除して、外に出た。アトラル・ヒドラは糸により形を保っていたが、所々が崩れ落ちている。

 

「ったくビビっちまったじゃねえか!ってコイツは、まさか睦美か!?」

 

「あらぁ。睦美ちゃんに、その子がリグルちゃんね?」

 

「頼り無さそうよ?使えるの?」

 

ポンズが直球で尋ねた。

 

「リグルちゃんは頼れます!それで、相談したい事がありまして────」

 

睦美は自分が考えた計画を話した。三人は面白そうだと感じて、協力する事にした。

 

そして、守矢神社に向かって再び組み立てたアトラル・ヒドラに全員が乗って、空を飛んで移動し始めた。




文と椛って、別に上司と部下って訳でもないかもと思ったので、タメ口ではありませんが呼び捨てしあう関係です。
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