東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第103話

「『炎刀・夢想封印』」

 

霊夢はお祓い棒にプラズマ火球と夢想封印を込めて、刀身が二メートルの長い炎の刀に変えた。持ち手の先っぽには紙垂が垂れ下がっている。どうやってくっついているのか、或いは吊るされているのか不明である。

 

「なら私も!嘗ての友よ!力を貸してください!『オルタナティブガーディー』!」

 

椛は盾を赤く光らせ、剣の持ち手を銀色に輝かせる。体に纏う狛犬のような甲冑も赤く染まり、甲冑の節々に銀色の線が走っている。

 

「っ!?あの人が幻想郷に居るのか!?」

 

「えっ?あの人って?」

 

「っ!何でもありません・・・さあ、続けますっと言いたい所ですが、聞いてませんでしたね。改めてお聞きしますが、私に勝てば貴女達を此処から通す。私が勝てば大人しく引き下がる。それで宜しいですか?」

 

「ええっ。それで良いわ」

 

「ええっ。では、行きますよ!」

 

椛が走り出す。霊夢が走り出した後に炎刀を振り下ろし、椛が盾で防ぐ。炎が飛び散るが、盾は斬れない。恐らく光の力によって防いで居るのだろう。

 

椛が剣を振るう。霊夢は炎刀を振って剣を止める。お互いに剣を振って止める。そんな剣と刀の応酬が続く。そして、三十回目の応酬が起こった瞬間、椛が霊夢の炎刀を弾いて隙を作らせた。

 

椛が胸元の宝玉に剣を重ねる。その瞬間、剣の刀身が銀色に輝いて光のオーラが集まっていく。

 

「『オルタナカリバー』!」

 

椛は剣を振り下ろし、銀色に輝く光線を刀身から放った。

 

「『炎刀・紅蓮封印』!」

 

霊夢も刀身の炎の勢いを強めて、炎刀を横向きに振って三日月型の斬撃を放つ。

 

そして、斬撃と光線がぶつかり合った。

 

その時間は二人の体感時間で一時間。観客側と審判であるはたてから見て十秒。

 

光線と斬撃は暫くぶつかり合ったが、軈て爆発を起こして相殺された。

 

椛は爆炎の中を飛び出して霊夢に剣を振り下ろそうとするが、途中で攻撃を止めた。

 

霊夢は既に、炎刀を椛の首筋に向けていたのだ。それも頸動脈のある部分を。

 

「私の勝ち、よね?」

 

「・・・はい。負けました。貴女達の通行を認めます」

 

「終わったわね?じゃあこの勝負、博麗霊夢の勝ちとします!」

 

はたてが霊夢の勝利を宣言。軈て白狼天狗達から歓声が響く。

 

「椛だったわね?また挑みたいなら歓迎するわ。但し、私も強くなるから」

 

「勿論です。貴女なら・・・っ!失礼、どうやら話してる暇はありません!山頂の神社に最短で行けるルートがあります!ドローンに最短ルートを求めれば、きっとすぐに辿り着ける筈です!皆!私に続け!」

 

そして、椛は跳んで木の先っぽに片足で立った後、別の木の先っぽに向かって跳び、立って跳んで立って跳んでを繰り返し、何処かへ去っていく。

 

更に、白狼天狗達も椛の後を追うように森の中を疾走する。

 

「な、何だ?急に」

 

『どれどれぇ?・・・・・・あっ!にとり様の所で、大型怪獣の反応があります!此は、何でしょう?見た事の無いエネルギーが沢山集まって巨大化し続けてます!其処で麟様と萃香様、他にも沢山の人妖が戦ってます!』

 

「麟が戦ってんのか!?なら救援に向かわないと!」

 

「麟なら大丈夫よ。彼奴も柔じゃないわ。それに仲間が沢山居るし、椛達も居るからきっと大丈夫よ」

 

霊夢はそう告げた。麟ならきっと上手く対処出来る。自分達は今起きてる異変に対処しなくてはならない。異変の裏で起きてた事件まで対処したいが、それは麟がやってくれる。

 

(麟・・・そっちは頼んだわよ)

 

霊夢は先に進んだ。

 

(麟が対処してる異変、きっと文はそっちに行ったわね。私は霊夢達の方を新聞にするか。此方も面白そうだしー)

 

はたては、麟の方を文に任せた。はたては霊夢に着いて行く。そしてこの選択により、後にはたての『花果子念報』が幻想郷でも人気ナンバーワンの新聞となるとは、この時のはたてはまだ思わなかった。

 

──────────────────────

 

「階段前に来たのは良いけど・・・」

 

「何でお前が居るんだよ・・・」

 

『私のレーダーにも、此処まで来る過程を探知出来ませんでした・・・』

 

三人は守矢神社へ通じる階段の前に来ていたが、ある人物と再会した。

 

「どうやら最終決戦前に間に合ったようですな。最後の戦いの前に、備えを万全にされては如何です?」

 

デュークだった。馬車に乗り、様々な商品を並べている。ユウコですら、どうやって此処まで来たのか解らなかった。益々謎の多い男だ。

 

三人は疑問を抱きながらも、デュークの大店を利用する事にした。

 

「おっ?魔力を高める魔力薬か!売ってくれ!」

 

「毎度ありです。霧雨様は火力特化の魔法使いとお聞きしておりますので、半額サービスさせて頂きます」

 

「おっしゃ!」

 

魔理沙が購入したのは、魔力回復に必要な魔力薬だ。魔理沙は熱線に魔法を加えて火力を発揮するのだが、その分消費が激しい。その為、魔力を回復する手段は多い方が良い。

 

「それじゃあ此をくれるかしら?今あるお金で買える分だけ頂戴」

 

「回復薬、そしてこの二つの勾玉ですな?二つの勾玉からは不可思議な力を感じますなぁ」

 

「ありがと。それにその勾玉、一つは多分ガメラさんの。もう一つは多分、イリスの物ね。多分役に立つわね」

 

「ありがとうございます。今後ともご贔屓に」

 

霊夢が買ったのは買えるだけ買った回復薬と、二つの勾玉。それも、ガメラの物と思われる勾玉と、イリスの物と思われる勾玉だ。

 

『此は・・・あの!此を何処で手に入れたんですか!?』

 

ユウコはデュークに尋ねた。それは、デュークの商品リストにある、ユウコもよく知る兵器であった。

 

『此は、『ヴァルチャー』ではありませんか!』

 

「はい。既に破損しておられるので使用不可能ですが、宜しいのですか?」

 

『はい!私が居れば修復可能です!いえ、ヴァルチャーをよりパワーアップさせてみせます!霊夢様!魔理沙様!私は暫くこの場を動けません!申し訳ありませんが、お二人には先へ進んで頂きたいのですが!』

 

「っ!ええっ、解ったわ。何をするのか知らないけど、ユウコがパワーアップする気がするわ。勘だけど」

 

「そういう事なら任せたぜ!霊夢!」

 

「ええっ!私達は先に行くわ!絶対追い付きなさいよ!」

 

霊夢と魔理沙は階段に向かって走る。ユウコはデュークに、ヴァルチャーの購入を宣言した。

 

『デューク様!ヴァルチャーを購入します!』

 

「半額サービス及び中古品、並びに損傷品扱いとなりますので、格安になっておられますぞ」

 

『はい!ありがとうございます!』

 

こうして、ユウコは損傷したヴァルチャーを購入した。そしてユウコは、損傷したヴァルチャーの修理兼改造を行い始める。




オリジナル技図鑑

『炎刀・夢想封印』
使用者:霊夢
夢想封印をお祓い棒に込めて、浄化と退魔の力が込められた刀身二メートルの炎刀に変える。浄化と退魔を抜きにしても、プラズマ火球を構成する炎で出来ている為、プラズマによる炎熱で万物を容易く切断出来る。

『炎刀・紅蓮封印』
使用者:霊夢
炎を強めた炎刀を横に振り、三日月型のプラズマで構成された火炎の斬撃を放つ。プラズマ火球を斬撃に変化させており、爆発しない分万物をプラズマにより一瞬にして切断する。椛の『オルタナカリバー』とぶつかって暫く拮抗したが、爆発を起こして周囲を吹き飛ばした。

『オルタナティブガーディー』
使用者:椛
ガーディーが本編ではやらなかった、ではなく出来なかった新たな形態。それは、ある光の戦士又はある光の戦士を宿す者が椛と同じ空間に居て、尚且つ光の戦士側が暴走していない状態で始めて変身出来る形態。この話で条件が揃ったという事は・・・?

『オルタナカリバー』
使用者:椛
ある光の戦士の光線を、刀身を振り下ろして放つ銀色に輝く光線。その威力はある光の戦士の光線と同じ威力らしいが、やはりその光の戦士又はその光の戦士を宿す者が椛と同じ空間に居ない限り使えない。霊夢の『炎刀・紅蓮封印』と相殺した為、実際の威力は不明。


椛達が去った正確な理由は、番外編にて明かします。
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