東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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今回で風神録の本編は終わります次回から麟の活躍する番外編です。


第108話

ユウコ達は早苗に足止めを受けていた。デュークの元で購入し改造した新型ヴァルチャーに乗り、霊夢の援護に向かおうとした。しかし、早苗のミサイル攻撃を受けて足止めを食らい、早苗と交戦している最中であった。

 

『通してください!こんな所で足止めを受ける訳にはいかないんです!』

 

「通さないわよ!神奈子様と諏訪子様の元へ死んでも行かせるもんですか!」

 

早苗はヴァルチャーに向かって、背部バックパックの多連装ペダニウム誘導弾発射システムから、ペダニウム誘導弾と呼ぶミサイルを連射し、ヴァルチャーを狙おうとする。

 

しかし、ペダニウム誘導弾は空中でバランスを崩し、早苗に向かって飛んでいく。

 

「あの天使だか悪魔だか分かんねえ機体ばっか見すぎだ。俺達の事、忘れてねぇか?」

 

それは、メガ・カイジュウを宿したハイゼンベルクだった。ハイゼンベルクは磁力でペダニウム誘導弾を操り、早苗に直撃させた。自分達の攻撃が通らないならば、早苗自身の攻撃を通させるという、ある意味正解の攻撃だった。

 

「ハイゼンベルクさんの言う通りです!私達を嘗めないでください!」

 

アトラル・ヒドラを降りた睦美が両手から糸を出して、早苗を拘束する。単に胴体を縛るのではなく、分離が出来なくなるよう縦向きに縛ったのだ。

 

『収束中性子砲!発射!』

 

ユウコはヴァルチャーの両腕を合わせて、一本の長い砲台に変形させる。それは、ユウコの知るメカゴジラの頭部を模した砲台だ。背中から赤い電光を放ち、砲台の先端に集束させる。そして、一本の赤い熱線を放ち、早苗に直撃させる。そして、早苗は大爆発に巻き込まれ、階段に叩き付けられそうになる。

 

しかし、早苗は叩き付けられる前に、何者かによって受け止められた。彼女の体は既に通常形態に戻っており、その状態で階段に叩き付けられたらただでは済まない。

 

「早苗、お疲れ様。迷惑掛けてごめんね」

 

「諏訪子様!?正気に戻られたのですか!?」

 

「うん。今まで迷惑掛けてごめんね。でも、もう争う必要は無いよ。ね?神奈子」

 

受け止めたのは、諏訪子だった。諏訪子は怪獣娘形態となって、触手を束ねて早苗を受け止めたのだ。触手で早苗のお腹を包み、ゆっくりと地面に降ろす諏訪子。早苗が着地した後、触手をほどいてある者達を呼んだ。

 

すると、階段の上から神奈子が霊夢達と共に降りてきた。

 

ハイゼンベルク達はボロボロの結芽を見て驚いた。当然だ。結芽はスルト付きとはいえ、ザ・キングダムでも指折りの強さだ。

 

「早苗、これ程の人数を相手によく頑張った。だが、我々の敗けだ」

 

「は、はい・・・」

 

「お前達、博麗が宴会を開くそうだ。我々を幻想郷に住む一員として認めて貰える。もう争う必要は無いさ。それに諏訪子は・・・」

 

「うん♥️霊夢が好きになっちゃった♥️暫く博麗神社に泊まるね♥️」

 

「えっ?ええええええっ!?」

 

早苗は驚愕した。自分の知らない所で何があったのか、この後説明を受けてもまだ受け入れる事が出来なかった。

 

──────────────────────

 

宴会場所は博麗神社だ。今回は人数が多い為に、準備や片付けに至っては霊夢や早苗、そして諏訪子や紫の式である藍、藍の式神である橙も手伝ってくれた。

 

勧誘ははたてと文が行った。表の異変をはたてが、裏の異変は文が取り上げ、二人の新聞は瞬く間に人気が上がった。

 

ザ・キングダムで駆け付けたメンバーの中には、異変の裏側で起こった『ヤマノケ異変』に関わったメンバーも集まっている。

 

「よっしゃ麟!私達『鳥獣鬼人』のライブ、見せてやろうぜ!」

 

「うん、萃香!それでは聴いてください!僕達の新曲を!」

 

「「私達の新しい曲聴いてください!『オキノタユウ』!」」

 

萃香が軽快にドラムを叩き、麟の奏でる二胡の伴奏が背景を彩っていく。響子とミスティアが共に歌えば、演奏と合わさって秋の情景を聴く者の視野に映し出した。

 

鳥獣鬼人は幻想郷音楽界で一、二を争う音楽チームであり、和楽器を扱うバンドである。プリズムリバー四姉妹に並ぶ、幻想郷を代表する音楽グループである。

 

次にライブを行ったプリズムリバー四姉妹も、今回は四姉妹一緒に演奏を行いながら新曲を奏でた。『go to Romance>>>>>』という新曲である。

 

「異変の後なのに、麟ったら演奏する体力あるわね」

 

「でも良い曲じゃないか。プリズムリバーに負けてねぇぞ」

 

霊夢と魔理沙は秋の木葉を眺めながら、杯の酒を飲む。

 

「うぅ・・・限界ですぅ・・・」

 

早苗、倒れる。酒は飲まない為か、酒に慣れず倒れてしまった。

 

「霊夢!魔理沙!私達のさつま芋だよ!」

 

「穣子が貴女達に食べて欲しいと、実らせたさつま芋を焼き芋にして持ってきたのよ」

 

穣子と静葉が霊夢と魔理沙に芋を持ってきた。

 

「ありがとう、静葉に穣子」

 

「焼き芋って美味いよな~!秋が来たって感じるぜ!」

 

「秋の神様には感謝ね」

 

「ありがとうね~!」

 

「ええっ、秋以外は気分が上がらないけど、また遊びに来たらお茶を出すわ」

 

そして、にとりと雛はハイゼンベルクと話をしていた。

 

「んでよぉ!ドスファンゴの死体使って新しいシュツルム造った訳よ!突進だけで良いって事にして、炎や冷気、雷に突風を発生させる新機能も加えたぜ!」

 

「おおっ!凄い!ロボット少女達から見てたけど、あのゾルダートやシュツルムに興味有ったんだ!是非見せてくれないかい!?」

 

「にとりったらもう。すみませんカールさん。私とにとりに付き合って頂いて」

 

「構わねぇよ。話が合う奴が居て良かったぜ。こうして酒を飲めるんだからよ」

 

ハイゼンベルク、ご満悦。

 

そして、結芽とサチは神奈子と話をしていた。

 

「成る程。スルトはアスガルドを滅ぼす炎の巨人だったのか」

 

「そうだよ。オーディンおじーちゃんが永久なる炎を封じて力を失ったけど、ロキおにーさんが王冠を永久なる炎で燃やして復活させたんだ。そして、アスガルドを破壊したんだ。全ての世界を蹂躙しようとした死の女神ヘラを次いでに倒したらしいし」

 

「なんか話が大きいね・・・でも、結芽は確かにザ・キングダムでもかなり強いよね」

 

「でも、神奈子おねーさんに勝てなかったよ」

 

「経験が違う。お前を鍛えてやろうではないか」

 

神奈子は結芽の力を認めていた。もし鍛えれば、本気で自分と渡り合える。そう思ったのだ。

 

一方、睦美とリグルは二人で向かい合う形で共に飲み物を交わす。睦美は酒を飲めない為、ジュースを飲んでいる。

 

「虫ってそんなに数が多いんだね!」

 

「はい。地球を支えている存在と言っても良いですから。貴女の予想よりも凄いんです。虫は」

 

「そうなんだね・・・ありがとう睦美!」

 

「っ!?/////」

 

睦美は今まで感じた事の無いトキメキを感じた。リグルに対して、イケナイ感情を抱きつつあるのだが、睦美はまだ気付いて無い。

 

そして、宴会が終わり、数日後の博麗神社にて。

 

「霊夢~キスしよう♥️」

 

「もう分かったやるから!暑苦しいからくっつくなぁ~!//////」

 

諏訪子が霊夢の口にキスをしようとする。

 

「もう霊夢ったら!白昼堂々何やってるのよ!////」

 

アリスが頬を赤くしながら霊夢に怒鳴る。

 

「可愛い神じゃない♥️この子も私の物にしたいわ♥️」

 

輝夜は霊夢と諏訪子を纏めて抱き締める。

 

「霊夢さんったらもう♥️罪深い方ですねぇ♥️」

 

小悪魔ことこあも、霊夢の背中に抱き着いた。

 

「認めないわよ!!私は絶対に認めないわ!!」

 

紫は柱に縛り付けられた。霊夢のハーレムを認めてないのもあるが、変態達に霊夢を汚される訳には行かないからだ。

 

「私だって・・・」

 

紫を縛る縄が千切れて行く。

 

「霊夢とイチャイチャしたいー!!!!♥️」

 

「ぎゃー飛び込むなぁー!」

 

縄を力で引きちぎった紫が一瞬で服を脱ぎ捨て、霊夢に飛び掛かるのだった。両手を合わせた某泥棒の如き飛び込みだ。しかし霊夢に札を投げられ壁に叩き付けられるのだった。

 

今日も博麗神社は賑やかであった。




次回登場する敵の元ネタをサクッと紹介します。

元ネタ:ヤマノケ
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