王様ゲーム終了後から一週間が経過し、トライスクワッドが幻想郷にやって来てから更に一週間が経過した頃にまで遡る。
永遠亭の中庭へ五人の少女達が集まっていた。神降ろしを教える依姫を筆頭に、霊夢、輝夜、魔理沙、麟が集まっている。
神降ろしとは文字通り、神を降ろして自らに憑依させる儀式の事だ。本来ならば様々な手順を必要とするのだが、依姫曰く霊夢達ならば手順無しでもコツが掴めれば神降ろしを会得出来るようだ。
霊夢から行う。霊夢は元々巫女というだけあって、神降ろしのやり方を早くも覚えつつあった。
続いては麟だ。麟もどうやら神降ろしを問題無く行える。
魔理沙もだ。そして輝夜も。
依姫の指導による神降ろしの修行が始まった。一ヶ月もの間、依姫から神降ろしの修行を付けて貰った四人は、依姫にとって予想外の結果を得る事になる。
それは、霊夢達に神降ろしを試しに行わせてみた時だった。一ヶ月もの時に学んだ神降ろしを実行した四人は、依姫を驚愕させる。
「何!?貴女達が宿したのは、日本の神々ではない!一体どうなっているのだ!?」
依姫にとって予想外な事、それは四人がそれぞれ違った神々を宿したのだが、日本神話の神々ではなかったからだ。
先ず依姫が注目したのは魔理沙だ。魔理沙の体に何かが憑依した瞬間、魔理沙のミニ八卦炉が変形し、陰陽玉を柄に描いたトライデントとなっていた。魔理沙も驚いている。幸いにも掌サイズの為、スカートがビリビリに破けずに済んだ。
「霧雨、君が宿したのは海の神ポセイドン。とは言っても本人を宿した訳ではない。君のミニ八卦炉が変形して完成したそのトライデントを貰った程度だ。恐らくお前の属性に似合った変形として、ポセイドンの武器の形となったのだろう。そのトライデントは、名付けるならミニトライデントと呼ぶべきだな」
「へぇ・・・でも何で本人が来ないんだよ?」
「それは簡単だ。今の君では、本人を宿すには至らないからだ。宿したゴジラ・フィリウスがいくら最強でも、ゼウスやポセイドンのように、怪獣を遥かに超える格上の神々は存在する。しかし、君が今後も努力を続けていくならば、ポセイドンを宿し、その力を扱えるようになるだろう。それにしても、いきなり当たりの神の力を宿すとはな。お前は水属性の究極系となるやもしれん」
「へへっ!そうか!ありがとな依姫!」
魔理沙は自信が付いてきた。他ならぬ神降ろしに長けた依姫から神を扱えるようになると言われたのだ。自信が付いた魔理沙は、より一層努力すると誓った。努力家にもなった霊夢に負けないように。
「次に博麗。君が宿したのはエジプト神話の天空神ホルス。太陽神とも呼ばれており、エジプトの冥界の神オシリスとその妻にして妹でもあるイシスの子でもある」
霊夢は背中に隼の翼を生やし、胸元には隼の横顔を象った模様が浮かんでいる。まるでエジプトの遺跡の壁画のようだ。また、左耳に太陽のピアスを、右耳に月のピアスを着けている。
「そう・・・えっ?待ってどういう事よ!?兄妹で夫婦なんて!?」
「ま、マジかよ・・・」
霊夢と魔理沙は驚愕した。古代エジプトの王家では、兄妹による結婚が存在していた事を知らなかった為に、オシリスとイシスの兄妹が夫婦になった事が信じられなかった。
「事実だ。しかし、エジプト神話の最高神にして太陽神たるラーにも並ぶ神だ。そして、とても善良な神でもある。また神降ろしをしてホルスを呼ぶ時、君に力を貸してくれるだろう」
「・・・兄妹の子なのが複雑だけど、良い神様なら別に良いわ」
霊夢はそれで納得した。
「それと!姫様は私や御姉様も狙ってるんだ!お前にゾッコンだからと言って自惚れるな!!//////」
「何で今その話をするのよ!?////」
依姫に突然迫られて動揺する霊夢であった。
「次に冴月。君はどうやら、博麗に似た太陽神、それも君だけは日本神話の皇祖神、天照大御神。日本神話の主神たる女神を宿すとはな。君も神降ろしの適正がある。後は宿した神を失望させないよう努力を務めるんだ」
「はい。ありがとうございました」
麟はお辞儀をした。日本神話の主神を宿すなんて、
「最後は姫様ですね。姫様はどうやら悪神に見入られたようです。宿した神は北欧神話の悪戯の神ロキです。他の三柱と比べると力はさほど強くありませんが、それを補える程の狡猾さと頭の良さを持つ。正に私の愛する姫様に相応しい神です♥️」
「あーっ、なんか分かるわね・・・」
「輝夜も大概だもんなぁ」
「うん。輝夜さんに合ってると思う」
「あん♥️罵倒なんて酷いわ酷いわ♥️でも霊夢の綺麗な声による罵倒は、ス・テ・キ♥️/////」
輝夜は喜んでいた。
「罵倒しちゃう霊夢にはお仕置きね♥️」
「いひゃいいひゃい!にゃにしゅるのよ!///」
「歪んだ顔も怒った顔も好きよ♥️」
輝夜は霊夢の頬を引っ張る。
「むぅ!絶対負けないからな!/////」
依姫は霊夢をライバル視している。幼い頃、ある事が切っ掛けで豊姫と同じく輝夜に恋をした。しかし、輝夜は霊夢にゾッコンだ。いつか姉と共に姫様を霊夢から自分達姉妹へ振り向かせてみせる。そう決意した依姫だった。
「霊夢の奴、此から大変だな」
「そうだね。でも、魔理沙だって頑張らなきゃ。霖之助さんにアタックしなくちゃね?成美も応援してたよ」
「う・・・よ、余計な・・・言われなくてもそのつもりなんだぜ!クリスマスに大きなプレゼントをするんだ!凄いだろう!それより麟もな!萃香やフランの気持ちに応えないとな!////」
「うぅ・・・勘弁してよぉ。フランちゃんや萃香が最近積極的に誘惑してきて困ってるのに・・・////」
例えるなら、萃香は麟の家の中で胸を押し付けて来たり、風呂の時は体で洗うように擦り付けて来たりした。フランも授業中を除いて、自分に何度も告白をしてきた。教師と生徒が恋人になるのは御法度だと言って、何度も断っても諦めずに告白してくる。挙げ句の果てには涙目になって上目遣いになりながら告白してくる事もある。その時は返事を濁して誤魔化した。
「お前が触手の怪獣にハジメテを奪われたからな!」
「えへへ・・・気持ちよかったから♥️って何言わせるの魔理沙!!//////」
麟は顔を真っ赤にする。
とはいえ、いつかはっきりしなくてはならない。
「・・・魔理沙、僕、フランちゃんや萃香と話をしてみるよ//////」
「おう!頑張れよ!もし選べないなら霊夢みたいにハーレムやっても良いんだぜ!」
「いくら一夫多妻が認められるようになったからって、ハーレム作るかなんてまだ決められないし・・・/////」
余談だが、今の幻想郷では一夫多妻が認められるようになった。但し、夫となる者が愛妻や妾の同意を得なくてはならないという条件の元でだ。
そしていよいよ、お待ちかねの霊夢洗脳タイムが始まった。
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「洗脳は好きじゃないけど、王様ゲームのルール上仕方無いわ。モンスターバトル、始めましょう。霊夢」
「はぁい♥️姫様ァ♥️」
現在、霊夢は嘗て輝夜に落とされた闇霊夢となっていた。輝夜が闇の力を送り、霊夢を洗脳したのである。それぞれ怪獣娘形態に変身している。
「頑張ろう魔理沙!」
「気を付けろよ!あの霊夢は決して手加減しないぜ!」
麟と魔理沙もそれぞれの怪獣娘形態となり、魔理沙はミニトライデントを構えている。
「よし。では此れより、博麗&姫様対冴月&霧雨のモンスターバトルを開始します!両者構えて・・・」
四人はそれぞれ戦闘の構えに入る。
「始め!」
こうして、モンスターバトルが開始された。それぞれの宿した神(魔理沙はトライデントのみ)の力と、怪獣の力、そして自身の鍛えた実力を確かめ合う、モンスターバトルが始まった。
「始まったね御師匠様。鈴仙と御師匠様は、どっちが勝つと思う?」
「私は輝夜と霊夢ね」
「私は可能性を信じて、麟と魔理沙に賭けます!」
そして、永淋と鈴仙、てゐは観客側として見守る事にした。この勝負の行方を見守る為に。
この小説での神々の力は、下手な怪獣より格上ってことにしてます。よく考えると、神話を考えた人達は自分達の産まれた土地が世界又は宇宙の全てと考えてたらしいです。それを極大解釈して考えると、ギリシャ神話のゼウスやポセイドン、ハデスのような神々も、本来は宇宙規模の力の持ち主と解釈出来ても不思議ではありません。そう考えれば、インド神話の神々強すぎますねぇ。此は私の完全な個人的解釈なので、気にしなくて結構ですよ。