紅美鈴。紅魔館の門番兼庭師を務める妖怪だ。妖怪とは言ったものの、美鈴自身も何の妖怪か解ってないが、美鈴自身にとってはどうでも良い事だ。
今日、花壇の手入れを行う美鈴の元に、咲夜がやって来た。ジョウロの水を花にやっていた美鈴に、差し入れを持ってきたのだ。
美鈴「あっ、咲夜さん」
咲夜「お疲れ様。美鈴」
その時、咲夜は紙袋を持っており、人里での買い物を終えた後である。咲夜は食糧の買い出しに出ており、今帰ってきた所である。
咲夜「あっ」
その時、咲夜は転けそうになるが、美鈴が支えた。
美鈴「大丈夫ですか?」
咲夜さん「あ、ありがとう・・・助かったわ///」
咲夜は美鈴の顔が近くなり、恥ずかしさに目を反らす。
美鈴は手に紙袋を乗せており、中の食材も無事であった。
美鈴「・・・もしかして咲夜さん、休みを取れてませんね?」
咲夜「えっ!?いや、そんな事は・・・」
美鈴「失礼します」
咲夜「えっ!?い、いや大丈あああ!?///////」
美鈴は自らの額を、咲夜の額に当てる。美鈴の顔が更に近くなり、益々顔を赤くする咲夜。
咲夜(め、美鈴の顔が近くに!?完璧で瀟洒なメイドと呼ばれる私がこんな事で・・・でも美鈴・・・やっぱり綺麗で素敵ね・・・/////)
咲夜は美鈴の顔を見て、美鈴の魅力を改めて理解する。
美鈴「ふむ。顔は赤いですが熱がある訳ではありませんね。ですが、過労による肉体の負荷と生命力の乱れを感じます。咲夜さん、今から休みましょう。私が部屋まで抱えてお連れします。この後の家事は妖精メイドやホフゴブリン達にお任せください。私も彼等を支えますので」
咲夜「い、いや私は・・・/////」
美鈴「駄目です!」
咲夜「っ!?//////」
美鈴「咲夜さんは屋敷の中を任されて居るのです。お嬢様や妹様、パチュリー様にこあさんも心配してましたよ。無理矢理にでも休んで頂きます」
咲夜「・・・ふふっ、分かったわよ」
美鈴「全く咲夜さんは。無理はしないでくださいね。
咲夜「・・・ありがとう、美鈴」
咲夜は、美鈴の優しさに触れて、ある事を思い出した。それは、メカキングギドラを宿す前であり、そして此処のメイドとなる前、吸血鬼ハンターとして活動してた幼い頃にまで遡る。
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十数年前の、ルーマニアの何処か。
紅魔館の門前にて、一人の幼い少女が全身に傷を負い、大量の壊れたナイフを地面に落とし、紅魔館に通じる道の真ん中で倒れていた。
???『・・・そんな、時間を止めてまで戦ったのに屋敷に入れないまま此処で・・・・・・』
美鈴『・・・貴女、人間ですね?ただの人間なのに時間を操る力を持ってるのは驚きましたよ』
そして、門を護っていたのは美鈴だ。スカーレット家の門番兼庭師を勤めて長い美鈴は、優れた格闘能力と武術を持ち合わせていた。美鈴が門番となったのは、パチュリーや小悪魔達が紅魔館を襲撃してから数週間後だ。その後も十年間門番を勤めており、未だに敵の侵入を許していない。
そして、紅魔館に襲撃を仕掛けた少女は、生まれつき時を操る力を持っていた。戻す事は出来ないが、加速したり止めたり出来る上に、応用して空間を自在に操る事も可能であった。そんな反則能力を目につけた人達から、生きる術を知らなかった少女は、吸血鬼を含めた異形を滅ぼすハンターとして訓練させられた。自らの生き方すら選べる自由も与えられず。そして今日も、吸血鬼の住む屋敷に赴き、何時ものように屋敷に住む吸血鬼を倒そうとした。
しかし、少女は油断した。しくじってしまった。
少女は何時ものように時間を操って攻撃を繰り出したが、美鈴とは力の差があった。幼い少女は美鈴に歯が立たず、返り討ちにあってしまう。
美鈴『・・・貴女、名前は?』
???『・・・名前なんか無いわよ・・・私はハンターとして化け物を狩らなくてはならない!』
美鈴『・・・もし良かったら、屋敷で暮らしませんか?此処の主であるレミリアお嬢様とフランお嬢様にお仕えすれば、今よりずっと良い人生を送れますよ』
???『・・・』
美鈴『大丈夫ですよ。
???『っ!?』
こうして少女は、美鈴によって紅魔館へ招待され、レミリアより『十六夜咲夜』の名前を授かった。
この時美鈴が掛けた言葉は、今でも咲夜の頭に残っている。
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咲夜は美鈴に抱えられて、自室のベッドに座らせてもらった。
美鈴「咲夜さん。今日はゆっくり休んでください。明日はお嬢様に頼んで休暇にしてもらうよう頼んでみます」
咲夜「・・・ねえ、美鈴///」
美鈴「なんですか?」
咲夜「・・・い、いや何でも無いわ!////」
美鈴「っ?分かりました。では、失礼しますね」
咲夜を部屋に残し、美鈴は部屋を出た。
咲夜「ああぁぁーーーーーー!!何で言い出せないのよ私はーー!!!////////」
咲夜「・・・・『美鈴の事が好きだ』って言うだけじゃない。何やってんのよ私・・・//////」
咲夜はベッドにふて寝した。顔を赤くしながら、恥ずかしさと後悔で枕を濡らしてしまった。
咲夜が告白出来る時が来るだろうか?それは、彼女次第である。