東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第126話

霊夢達は温泉から上がる。温泉施設には浴衣や外の世界で行われている卓球、更には冷蔵庫に飲み物まで完備している。まだ其処まで大きな施設ではない為、設備はさほど多くないが、それでも温泉施設としては悪くない配備であった。

 

「ふぅ・・・冬に温泉はやっぱ良いわね」

 

「だな~身体が温まったぜ」

 

「そうね。でもまあ・・・少しやり過ぎじゃないかしら?/////」

 

アリスは赤面になる。結局アリスは、霊夢が風呂場で行った乱交に参加しなかった。精々頬っぺたにキスした程度である。まだ其処までやる気概が出てこない為、頬にキスが出来ただけでも進歩した所だろう。

 

霊夢、魔理沙、アリスの三人で寛いでいると、諏訪子が三人の元へやって来た。

 

「霊夢~。温泉気持ちよかった?」

 

「そうね。冬に温泉が沸いたのは、本当にラッキーだったわ」

 

「それは良かったよ。だけど、良い事ばかりじゃないみたいだよ」

 

そう言った諏訪子は、三人の目の前にとある存在を寝かせた。それは、セルヴァム化した妖精であるのだが、色が黒く染まっていた。更に目も赤くなっている。まるでカオス怪獣形態となった麟達の目のように赤い。動かない所を見るに、諏訪子が仕留めたのだろう。

 

「妖精?でも、なんか変じゃない?」

 

「そうだな?青色だったのに、なんか黒くなってるぞ?もしかして、温泉と何か関係があるのか?」

 

魔理沙も妖精の姿を見て、何かが起きてる事を自覚する。諏訪子は首を横に振った。

 

「違うよ。温泉が妖精をこんな風にしたんじゃない。温泉と共に地下に潜む妖怪達が現れたんだよ。この妖精は、そんな妖怪達の力を諸に受けて、こんな変異を遂げちゃったんだよ」

 

そして諏訪子はその場に黒い異形の生物を放り投げた。その存在は、痩せ細って居ながら全身から禍々しいオーラを放つ人型の妖怪だった。

 

「こいつがそうなのか?」

 

「間違いないわね。アリス、関係性はありそう?」

 

「あるわね。この妖怪と妖精の変異したエネルギーの性質が百%一致したわ」

 

そして、諏訪子は語る。この温泉が吹き出した原因を。

 

「ごめん霊夢。実は神奈子から口外するなって言われてたけど、言うね。実は神奈子、地底に赴いてある妖怪に力を与えたんだ。八咫烏っていう、太陽の力を持つ神を宿らせたんだよ。多分間欠泉が沸き出たのも、その妖怪の力による物だと思う。けどさ。思うんだよ。一端の妖怪に神の力を与えたら、絶対録な事にならないよ!況してや、その子も怪獣を宿してるなら!」

 

「暴走・・・それなら尚更ヤバいじゃない!!」

 

霊夢は周囲に見られてるにも関わらず、此の場で浴衣を脱ぎ出した。幸いにも巫女服は予備の物を用意している。恥ずかしさは無い。温泉で見られた事と比べれば恥ずかしさはあまり無いのも事実だが、怪獣の力で暴走してしまっているなら、何とかしなくては行けない。

 

「魔理沙は皆に伝えたら後で追って頂戴!私は先に向かってるわ!」

 

巫女服に着替え終わった霊夢。首にマフラーを巻いた後、そのまま温泉施設を飛び出して行った。出入口から走って外に出た後、空に向かって飛んで行ったのだ。

 

「お、おい!全く一人で突っ走りやがって!なあアリス!代わりに幻想郷中に連絡してくれないか?」

 

「解ったわ。ユウコ!」

 

すると、天井をくり貫いて一人のメイドが落ちてきた。

 

『はい!お母様!』

 

「魔理沙と一緒に霊夢を追いなさい!霊夢を出来る限り・・・いいえ必ずサポートするのよ!」

 

『勿論です!霊夢様ったらまた一人で突っ走って!!』

 

「よし!ちゃんと着いて来いよ!ユウコ!」

 

そしてユウコは、開けた天井から魔理沙と共に飛んで行った。

 

「ねえ、この異変は僕も行って良い?」

 

其処へ麟が現れた。

 

「えっ?冴月ちゃんも?」

 

「洩矢さん。なんか、嫌な予感がするんです。恐らく霊夢や魔理沙だけじゃない。幻想郷の全勢力を集めなきゃいけない何かが居る。そんな気がするんです。行かせてください」

 

すると、麟の隣に萃香が姿を現した。

 

「なら私も行くよ。私は前まで地底に住んでたし、私なら顔が利く。麟の事も話を通してみるよ」

 

「・・・良いの?」

 

「当たり前だろ?信じろって」

 

「うん!ありがとう萃香!洩矢さん!お願いします!」

 

諏訪子は麟に頼まれて、一瞬だけ渋ったがすぐに了承した。

 

「分かったよ。ただ、地底の妖怪は手強いよ。気を付けてね」

 

「はい!」

 

すると、麟の袴をフランが引っ張った。

 

「ねえ、私も行きたい!私も麟先生の役に立ちたい!」

 

しかし、萃香が首を横に振る。

 

「駄目だ。お前は地上で待機してろ」

 

「嫌だ!麟先生の足を引っ張らないから!私も麟先生と行く!」

 

フランは抗議した。すると、麟がフランの肩を持った。

 

「フランちゃん。地底には地底のルールがあるの。僕は人間だから立ち入り出来るけど、フランちゃんは地上の妖怪だから立ち入りは許されてないんだよ」

 

「でも、麟先生の役に・・・」

 

「大丈夫だよ。それとも、僕が生きて帰れないって、思ってる?」

 

「・・・ううん」

 

フランは首を横に振った。

 

「なら信じてよ。僕は必ずフランちゃんの所へ帰ってくるから。信じて、ね?」

 

「・・・うん!約束だよ!帰って来なかったら許さないからね!」

 

「大丈夫だよ。萃香も居るし、運が良ければ()()()()()()()にも会えるから。そうだ。フランちゃんは腕輪の通信装置で、ザ・キングダムから増援を頼んで欲しいんだよ。なるべく人間が良いよ」

 

「うん!麟先生、気を付けてね!」

 

そして、空に浮いた萃香に抱えて貰いながら、麟は空へ向かって飛んで行った。麟は空を飛べない為、空を飛べる萃香に抱えてもらう他なかった。

 

フランは腕輪型の通信装置を使い、ザ・キングダムに連絡を入れた。

 

「もしもし?フランドール・スカーレットだよ。ザ・キングダムから何人か増援を頼みたいんだけど──」

 

──────────────────────

 

「───分かったわよんフラン。増援を送るわね」

 

『うん!』

 

ザ・キングダムの高い建物にある司令室で、ヘカーティアが通信装置から来たフランの増援要請を聞き届け、そのまま通信を切った後にザ・キングダム全体に放送を流す。

 

『今現在暇な子は居るかしら?そんな子はすぐに司令室へ集まるように』

 

ヘカーティアがそう告げてから数分後。三人の女性が自動ドアが開いたと同時に姿を現した。

 

「わたくしに御用でしょうか?」

 

一人は精霊の一人にして、時間を操る天使を持つ少女『時崎狂三』。

 

「私も訓練以外してなかったから、受けるよ」

 

ジャグラスジャグラーと契約し、彼を宿した日本人離れした見た目を持つ少女『羽鳥智世』。

 

「僕も暇だったからね。出来る限り手伝うよ」

 

元々病気に掛かっていたが、ヘカーティアにより救われて今ではザ・キングダムに所属して自由に動ける身体を堪能する『紺野木綿季』ことユウキである。

 

「私も受けよう。任務として受ける」

 

最後の一人は、本来なら愛する弟子に殺される筈だった伝説の英雄であり、本名不明である『ザ・ボス』。

 

そして、もう一人が姿を現す。

 

「僕も力を貸すよ!シャルルマーニュ十二勇士の一人、アストルフォ!ジークやルーラーは別の任務で今動けないから、僕が代わりに来たんだ!」

 

最後の一人は元気溌剌な少女のような男の娘、その正体はシャルルマーニュ十二勇士の一人である『アストルフォ』である。因みに男だ。見た目こそ少女のようだが、男である。しかも並の女性より可愛いのである。

 

「狂三、智世、ユウキ、ザ・ボス、アストルフォ。此れより貴方達には幻想郷の地底に行って、麟や霧雨、博麗の三人を援護してほしいの。私もなんか、嫌な予感がするのよ。宇宙を脅かす何かが、地底に潜んでる。そう感じてるのよ」

 

ヘカーティアの表情に曇りがある。その上冷や汗を流している。自分達を束ねる存在が此処まで動揺するのを見て、五人はただ事ではない事を理解する。

 

「では、その場所へ繋げるわ。全員、何としても三人を守り切るのよ。此方での仕事が終われば、更に増援を出すわ。突き止めたのよ」

 

ヘカーティアは告げる。

 

「プリカーサーとヤプール達の本拠地の場所を。そして、ダークルシフェルは、其処に居るわよん」

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