東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第128話

ヤマメは全身にヘドロのようなドレスを身に付けて、頭部には赤い目のような飾りを頭に身に付けていた。

 

「ぐっ!?何よこの匂い!?」

 

「この洞窟の汚染を見るに、あのヤマメという方の身体は猛毒のヘドロで構成されてるよ!僕にも解るんだ!あれは触れちゃ駄目だ!いくらガメラの力を纏ってても身体が溶けちゃう!恐らくサーヴァントの肉体もアッサリ溶かされてしまう程だ!」

 

「触っちゃ駄目なのね!ってうわっ!?」

 

霊夢は地面から跳んだ。ヤマメが腕を振り下ろして猛毒のヘドロを飛び散らせたのだ。地面に当たったヘドロは悪臭を放ちながら地面をも溶解させた。匂いを嗅ぐだけでも、霊夢は片手で鼻と口を覆った。アストルフォも良い顔をしていない。しかし、アストルフォは英雄である為か、顔をしかめただけで激臭に耐えている。

 

「『ヘドロドレッシング』。公害の果てに生まれたこの毒の味はどうだい?」

 

「「嫌よ/だよ!」

 

「此も持ってけ!『ヘドリューム光線』!」

 

霊夢は炎を纏った札を掌から放ち、ヤマメに直撃させる。ヤマメは札を避けた後、背後の爆発によって一瞬だけ怯むも、頭部の巨大な目玉から赤い光線を放った。アストルフォはヒポグリフを走らせて、槍でヤマメの光線を受け止めた。しかし、パワーはヤマメが上の為か、アストルフォとヒポグリフが押されていた。

 

「ほらほらまだまだ来るよ!『ヘドロマシンガン』!」

 

ヤマメは両手を握り締めたまま突き出して、拳から自身を構成するヘドロを弾丸のように放つ。一つだけでなく、何十何百も、まるでマシンガンのように。

 

霊夢は四角型のシールドでヘドロの弾丸を受け止め続けた。しかし、毒の煙まで防ぎきれず、霊夢は煙を吸ってしまう。

 

「あっ・・・ゲホッ!?ゲホッゴホッ!」

 

霊夢は目眩に襲われ、咳き込んで血反吐を吐いた。吐血した量は多くないが、身体の中を毒で蝕まれてしまう。とはいえ克服出来ない訳ではなく、霊夢は口と鼻を手で覆いながらその場で跳んだ。ヤマメは霊夢を見上げて光線を霊夢に向けたが、彼女が間抜けなのか霊夢が無意識の内に誘導していたのか、兎に角アストルフォは好機と見てヒポグリフを全力で飛ばし、ヤマメの身体を剣で何十回も往復しながら斬る。

 

アストルフォに斬られたヤマメの身体から、ヘドロがボロボロに崩れ落ちた。ヤマメは血反吐を吐くが、更に吐血した血にはオタマジャクシのような何かが蠢いている。更に、ヘドロからもオタマジャクシのような何かが這い出ている。

 

霊夢はプラズマ火球を放って、血反吐に紛れた何かを爆発で消滅させた。

 

「『業火・夢想封印』!」

 

霊夢は炎に包まれた陰陽玉を複数放ち、ヤマメに直撃させる。ヤマメの身体が大爆発によって包まれるが、ヤマメは断末魔の叫びを上げながら爆炎の中から現れ、エイのような器官を両腕と両足の間に生やし、空中を浮遊した。その際に『硫酸ミスト』を放った。

 

それを見た瞬間、霊夢とアストルフォは自分達がヤマメの撒き散らす硫酸の雨に打たれて全身が溶かされて死ぬ未来を見た。

 

「「キャアアアアァァァァァァッ!!??」」

 

霊夢とアストルフォは転移移動により、ヤマメより真上に移動した。しかし、中が洞窟の為か天井に頭をぶつけそうになる。更に天井からは硫酸の滴が落ちてくる。霊夢の甲羅が触れただけで溶け始めて、霊夢の背中も伝って彼女の背中の皮膚を溶かして激痛を走らせる。

 

「ッアアァァァアアアッ!!」

 

「霊夢!ウワアアッ!?」

 

アストルフォのヒポグリフが、突然謎の触手によって拘束される。アストルフォは剣で切断して脱出させるが、ヒポグリフの翼が溶けていた。此れでは機動力が大幅に失われてしまう。

 

「う、嘘でしょ?」

 

「散らばった破片から増えてるの!?」

 

ヤマメが撒き散らしたヘドロ。それが形を形成し、ヘドロまみれのヤマメへと姿を変えていく。

 

一体だけでなく、何百何千と増えて、最終的には二人を無数のヤマメが囲んでいた。本体であるヤマメより身長は小さくて幼女に見えるが、増える度に悪臭や毒の霧が濃くなっていく。

 

「さあどうするのかな?」

 

「・・・なら、一気に吹き飛ばすだけよ!!」

 

霊夢は一瞬だけ目を閉じた。その間に、霊夢は精神世界のとある場所へ向かっていた。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

──────────────────────

 

『ねえ。アンタ、起きてるかしら?』

 

霊夢の精神世界。霊夢の目の前の椅子に座っているのは、かつて輝夜に口説き落とされた時に変わった時の霊夢だった。

 

『あらぁ?何か用かしら?』

 

『アンタの力を借りたいのよ。手加減しないアンタの力が』

 

すると、もう一人の霊夢───闇霊夢は霊夢の目の前に現れて、霊夢の口にキスをした。

 

霊夢は一瞬驚くが、闇霊夢のキスを受け入れた。暫くキスをし続けたが、闇霊夢は口を離して自らの唇を人差し指で撫でる。

 

『ッハァ。貴女が私のキスを受け入れるなんてぇ、変態ねぇ』

 

『い、良いでしょ別に!それにさ、アンタは私でもあるんだし!』

 

『ふふっ。それもそうね。じゃあ、貴女と代わってもらうわ。人間の公害が産み出した怪物を宿す女の子も、ゲテモノみたいな感じで好きよ』

 

『言っとくけど変な事やるんじゃないわよ。ヤるなら異変終わらせてからにしなさい』

 

『分かった分かったわよ。ケチね』

 

──────────────────────

 

そして、瞬きをした霊夢に向かって、ヤマメと周囲の子ヤマメは赤い目から『ヘドリューム光線』を放った。全方位から放たれた光線を前に、アストルフォも身を屈めて敗北を認めようとした。

 

その瞬間、霊夢の全身が嘗て闇堕ちした姿へと変わった。そして、両手を合わせて合掌を行い、合掌した手から黒い熱波を纏った結界を展開した。

 

「ハァァァッ!!」

 

闇霊夢が走る。走る度に足元から炎が発生し、子ヤマメを焼き尽くしていく。ヤマメはヘドロ弾を放って闇霊夢を攻撃するが、闇霊夢は片手で弾き飛ばした後に黒い炎を纏った蹴りを放ってヤマメを蹴り飛ばした。

 

「臭くて刺激的ね!刺激的な女の子は好きよ!」

 

「れ、霊夢?」

 

アストルフォは霊夢の姿が変わってるのを見て驚いた。彼は全く知らなかったのだ。霊夢のもう一つの人格である闇霊夢の事を。

 

「『ヘドリューム・ブラスト』!」

 

ヤマメは全身に赤い目を生やし、ヘドリューム光線を一ヶ所に束ねて一気に解き放つ。

 

「『悪鬼羅刹・夢想封印』!」

 

闇霊夢は全身から黒い炎に染まった陰陽玉を展開し、ヤマメに向かって放つ。

 

そして、お互いの必殺技がぶつかり合い、大爆発が起きて、ヤマメと闇霊夢は吹き飛ばされた。




新技集

『ヘドロドレッシング』
使用者:ヤマメ
自らを構成する猛毒のヘドロを手から飛び散らせて攻撃する公害の果てに生み出されたその猛毒は、微量でも怪獣を宿した者を苦しめ、皮膚を溶かしてしまう。

『ヘドロマシンガン』
使用者:ヤマメ
猛毒のヘドロを拳から放ち続ける。

『ヘドリューム・ブラスト』
使用者:ヤマメ
全身から目を生やし、目から放つヘドリューム光線を束ねて一気に解き放つ極太光線。ヘドリューム光線の数だけ威力が増していく特性がある。

『悪鬼羅刹・夢想封印』
使用者:闇霊夢
霊夢の『煉獄・夢想封印』の闇バージョン。威力は変わらないが、浄化せずに地獄の苦しみを延々と味わわせる。


ヤマメが増殖した理由は、原作ヘドラが完全に滅んだか解らない所と、MMD作品の『シン・ヘドラ』から来てます。
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