東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第135話

「おーい麟ー!」

 

「あら?デュークさんまで居るわ!何を売ってくれるのかしら?」

 

魔理沙と霊夢が麟に追い付いた。麟が『宇宙の穴を縫う針』をデュークから購入しようとしていた所だ。

 

「あっ!二人とも!ボスにアストルフォも!狂三に智世ちゃんまで!良かった!皆合流出来た!」

 

麟は心の底から安堵した。しかし、安堵が出来たのは一瞬の間だけだ。

 

「お前がデュークか?」

 

「わあ、おっきいなぁ!」

 

ザ・ボスとアストルフォがデュークを見た感想である。

 

「お二人とも失礼ですわよ。それよりデュークさん。また新しい物を入荷しておられるのですか?」

 

狂三がデュークに尋ねた。

 

「ええっ、冴月様が購入なさるおつもりです。冴月様が手持ちのお金を散財されて漸く購入されました」

 

「うぅ・・・・・・でも、暴走した子の命に替えられないからね。此れが、『宇宙の穴を縫う針』だって。こいしちゃんが宿したグリーザという怪獣に、唯一対抗出来るんだってさ」

 

麟はデュークから、針について説明を受けていた。それを全員に説明し、誰が使うのか考え始める。

 

「・・・僕がやりたいけど、針が反応しないなぁ」

 

麟は針に使おうとする意志を込めるが、針は反応を見せない。霊夢も試すが起動せず。

 

「その針はただ使いたいだけで動く代物ではありません。その力を誰よりも貪欲に欲する方を求めておいでです。冴月様以上に欲する方が此処に居られる筈ですぞ」

 

デュークがそう告げた。

 

「・・・私も麟も駄目なら・・・」

 

霊夢は狂三達を見た。

 

「・・・わたくしは其処まで興味がありませんわ」

 

「私もだ。『必要だから』という理由だけでは、意味が無いのだろう」

 

「僕は使ってみたいけど、色々あるから必要は無いかな」

 

「ジャグラーさんは?」

 

『俺は別に要らねぇよ』

 

「なら良い」

 

狂三、ザ・ボス、アストルフォは反対。智世は自分では決められない為に契約したジャグラーに尋ねるが、ジャグラーが反対した為に自分も反対した。

 

「・・・分かっております。仰らずともこの針の力が欲しいのでしょう?」

 

全員が魔理沙を向いた。魔理沙は全員に見られながらも、ため息を吐いた。

 

「・・・ああっ。私はあの力が欲しい。強くなりたいのもあるが・・・暴走しちまった子はほっとけないからな!頼む麟!売ってくれ!!」

 

魔理沙は麟に頭を下げた。

 

麟は針の持ち手を掴んでいる手を魔理沙に差し出し、返事を出す。

 

「そんな事しなくても、魔理沙にプレゼントするつもりだよ。ほら」

 

麟は魔理沙に針を渡す。魔理沙が手に入れたい目的はもう一つあった。それは、自分は神の武器を手にしただけで、神を降ろせた訳では無い。

 

(もし此れがあれば、私はポセイドンを今度こそ!)

 

魔理沙はそう思った。

 

「デュークさん。本当にありがとうございました。何から何まで色々と」

 

「デュークの大店をご利用頂きありがとうございます。またのご利用をお待ちしております」

 

そして、霊夢達は門を潜り、地霊殿を目指して歩き続けた。外見は手入れが上手なのか、汚れ一つ見当たらなかった。

 

そして霊夢は扉を開いて中に入る。床や壁にはステンドグラスが張り巡らされ、柱は大理石で出来ていた。更に奇妙な事が一つある。

 

「何かしら?肌で感じる位の時空の歪みが起きてるわ」

 

「さとりさんのブルトンの力だよ。恐らく咲夜より強力。じゃあ霊夢、狂三、一番時空の歪みを感じやすいのは?」

 

麟は霊夢と狂三に尋ねる。

 

「下から感じますわ。恐らくブルトンの能力で次元ごと切り離して、妹を封じ込めておられるのでしょう」

 

「・・・複雑だろうな。古明地姉は」

 

「ボスの言う通りだね。でも、大好きな妹が誰かを傷付けるよりマシなんだろうね。閉じ込めるなんて、辛い決断だったと思うよ」

 

そして、霊夢達は地霊殿を歩いていると、地下への階段を発見する。すると、霊夢達の前に両腕にコウモリのような羽根を持ち、赤い爬虫類のようなスーツを纏った肌が白い妖精達が現れた。妖精達の周りで青い炎を纏った骸骨が浮いている。敵対する意志は無さそうだが、警戒は必要だ。

 

「あの妖精達・・・ギャオスを宿してるのね」

 

霊夢は一目で妖精が宿してるのはギャオスだと理解した。

 

「気を付けなさい。多分、地上の妖精より手強いわよ。ガメラさんを苦しめた怪獣でもあるんだから」

 

「そうだな。確かに、セルヴァム宿した妖精より強いだろうな」

 

「でもなんか、攻撃してこないようだけど?」

 

麟の言う通り、今の所は攻撃してくる様子は無い。しかし、表情は慌ただしい。

 

すると、白い妖精が紙に文字を記した。

 

『お燐様の命により案内を任されたゾンビフェアリーの一人です。皆様をこいし様の居場所へ案内するようさとり様とお燐様に申し使っております』

 

「話が通っていたのか。確かに敵対の意志は感じられない。博麗、霧雨、冴月、狂三に智世、信用して良いだろう」

 

『此方へ』

 

ザ・ボスはゾンビフェアリーが嘘を付いてない事を見抜き、案内を受ける事を提案する。

 

その間に、アストルフォは魔理沙に尋ねた。

 

「魔理沙だっけ?君はどうやってその針を起動させる?」

 

「それは・・・まだどうすりゃ良いか分からない。でも、きっと使いこなしてやるぜ!此があれば、こいしを助けられるかもしれないって、デュークも言ってたしな!」

 

「胡散臭いように見えるが、あの男の言葉に嘘は無い。分かるさ」

 

ザ・ボスが補助を入れてくれた。

 

そして、霊夢達は地下への階段を降りていき、広い部屋に出てある二人の人物と出会う。赤い猫耳を生やし、ゾンビフェアリーや怨霊達を周りに使役する少女が、霊夢達に手を振った。もう一人は背中に白いマントで覆われた巨大な烏の翼を生やし、右手に長い棒を填めた少女。

 

「やっと来たね。アタイは火焔猫燐(かえんびょうりん)。さとり様に仕える火車の妖怪さ!そっちの金髪リボンのお姉さんも同じ“りん”だから、アタイの事はお燐って呼びなよ!」

 

「私は霊烏路空(れいうじうつほ)!さとり様に仕える地獄鴉であり八咫烏の妖怪だよ!お空って呼んで!」

 

そして、二人の背後には半透明の空間が存在しており、半透明の壁によって鮮明に見えないが、何かが暴れている。いや正確には、落ち着いてないように身体を揺らしまくって居る。不規則な程であり、不気味でもある。そんな時空の歪みと次元を利用した結界の外から見ても解るのだ。閉じ込められてる存在が、危険だという事を。

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