東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

136 / 261
第136話

「・・・この中に居る子が、こいしちゃん?フランちゃんが最近仲良くなった二人の女の子の話で言ってたのって、この子だったんだね」

 

麟は結界の先に居る、朧気ながらも左右に身体が激しく揺れるこいしの姿を見た。

 

「そうだよ。アタイとお空の持ってるゴジラの力を結界に与え続けて結界を維持してるけど・・・ガハッ!」

 

お燐はその場に仰向けに倒れそうになる。其処へお空が駆け寄り、お燐を支えた。

 

「お燐!しっかりして!」

 

「ごめんねお空・・・アタイはもう保たないや。『大怨霊・呉爾羅』の力が尽きちゃった・・・変身する体力も無いよ・・・」

 

お燐は肩で息をする程に弱っていた。その瞬間、結界の穴が開き始めた。

 

「『アヒヒヒヒヒャヒャヒャヒヒヒヒヒヒヘヘヘヒヒヒヒヘヘホヒヒヘフフヒフヒフヒヒヒヒフホホホフフフホホホヘヒヒヒハホホホホホハハハハ───』」

 

結界の穴から、狂気に満ちた笑い声が響く。

 

「ひっ!?」

 

「ぐっ・・・」

 

アストルフォが腰を抜かし、ザ・ボスはその場で膝を着いた。しかし、アストルフォはモスラを纏った怪獣装甲形態となり、ザ・ボスも怪獣を纏った怪獣娘形態となる。右手に巨大な鉤爪を装備し、背中に巨大な羽のような物を生やしている。腰から生やす尻尾の先端が蛇の口のようになっており、肘や膝には数本の赤いトゲを生やし、白い鱗模様の軍服を身に付けていた。軍服の脇には、赤い鱗が装備されており、折り曲げも自由自在だ。

 

ザ・ボスが纏った怪獣。それはある地球人がゲームで世に出そうとパソコンでデザインした怪獣であり、ある悪のウルトラマンがその地球人にエネルギーを与えて実体化した存在。名前の意味は『暗闇に巣食う蛇』という意味だ。名前は『スネークダークネス』。それを、ザ・ボスが宿したのだ。

 

二人がそれぞれ怪獣を纏った形態となった瞬間、こいしから放たれる邪悪な力の波動が効かなくなり、立ち上がって身構える。

 

「笑っているが、苦しんでいる。解るのさ」

 

ザ・ボスは軍人としての経験で、結界の中から見え始めたこいしの顔を見た。笑っていたのだが、目は笑ってなかった。瞳に宿る苦しみを、ザ・ボスは見た。

 

「やっぱり・・・こいし様は・・・」

 

お空はこいしを心配する目で見ていた。ザ・ボスから聞かなくとも、こいしが笑みの中で苦しみ続けているのを知った。

 

「魔理沙。君は神降ろしに集中して。その針の力をこの場で使いこなせるのは、魔理沙だよ」

 

「その代わり、成功させなさいよ」

 

麟と霊夢がそれぞれ降ろした神を身に纏う。怪獣娘形態と合わせる事で、更に神々しい姿へ変化した。霊夢はガメラの怪獣娘形態の巫女服のままだが、頭に隼の翼を生やし、隼の横顔を象った模様を浮かばせる。麟はビキニ姿から何故かゴスロリ姿となり、仮面は身に付けていない。霊夢は鳥と亀の組み合わせという奇抜な格好だが、麟の場合は何故か背中に背鰭を持ったゴスロリ少女となった。

 

霊夢はホルスを身に纏ったが、麟は天照を纏った筈なのに西洋のゴスロリファッションとなった。日本の女神が何故だろうか?

 

「おおっ!なんかまた僕が可愛くなっちゃった!仮面を身に付けてないせいか、僕の可愛さが更に明るみになったね♥️!」

 

「こんな時でも図々しい事が言えるの?でも、その図々しさは頼もしいわ!」

 

「ありがと。それに、あの子はフランちゃんのお友達だからね!助け出してあげる!だから魔理沙!僕達が時間を稼ぐから、頼んだよ!」

 

「わ、分かった!任せろ!」

 

魔理沙はその場から離れた。此れより神降ろしを行い、ポセイドンを自らに降ろすのだ。魔理沙は懐からミニ八卦炉を取り出し、神降ろしを行ってトライデントに変形させる。片手でトライデントを手にして、もう片方の手に麟がデュークから購入した『宇宙の穴を縫う針』を重ねて、祈りを込め始める。

 

しかし、タイミングが悪かった。結界の穴が広がり、其処からとうとう封印されたこいしが姿を現した。

 

「『フヒフヒヒヒヒヒヒヒヒヒャハハハヘヘヘヘヘヒヒヒホホホヒヒヒホホヘヘフフハヘヘヘヘヘヘヘヘホヒヘハヘ──────』」

 

こいしは身体を不規則に揺らし、目からは涙を流していた。頭に黄色く発光する不気味な被り物を被っており、両目が見える程度に顔と頭を覆っているのだ。胸の中央に黄色い円が着いた不気味なスーツを全身に身に付けており、不規則に揺れ動いていた。身体のラインがハッキリと表れており、太股が露出していた。

 

「こいしちゃん!聞こえる?」

 

「『フヒヒヒヒャハハハハハハハ───』」

 

こいしは笑い続けていた。麟の問い掛けに答えてるつもりだろうが、笑う事しか出来ない。

 

「無理よ!彼女には聞こえてないわ!可哀想だけど、モンスターバトルが通用する相手じゃないわよ!」

 

「ぬらお爺ちゃんが助けを呼んだから、援軍が来るまで持ち───」

 

その瞬間、麟はその場から跳んだ。先程まで麟が居た場所にはこいしが両手の指を揺らしながら走って来たのだ。

 

「あ、危なかったぁ!」

 

麟は空中で浮いた。今まで飛べなかった麟が飛べるようになったのは、宿した神のお陰である。

 

こいしは猫背になっており、麟は両手を合わせて獣の口のように構えた瞬間、背鰭が日の光を放ち、両腕が一瞬だけ輝いたかと思えば、両手から今までと違った白い火炎状の熱線を発した。今までは口からパワーブレスを放ってきたが、今回は違う。太陽の神である天照を宿したお陰で、麟が両手を合わせて放ったブレスは天照の力が込められていた。

 

しかし、こいしに当たる直前に地面へ反れた。弾かれたというより、空間その物が湾曲し軌道がずれてしまったのだろう。

 

「・・・ぬらお爺ちゃん早く来て欲しいなぁ!」

 

麟は空から蹴りを放つが、こいしに当たる直前に避けられ、こいしに頭突きされて吹き飛ばされる。

 

霊夢は空を甲羅からの噴射に加えて隼の飛翔能力によって空を滑空しながら、プラズマ火球による爆撃を行った。軈てこいしごと巻き込む大爆発が起きた。爆炎が晴れた後には、無傷のこいしがその場に居た。

 

「・・・なんか今回の異変はヤバいわね」

 

そう感じた霊夢だった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。