東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第138話

その頃、魔法の森では大騒動が起きていた。妖精達は、突如として現れたこいしを見た瞬間、一目散に逃げ出した。

 

「『ヒャハハハハハハハハ──』」

 

しかし、こいしの胸元から無数の青白い腕が伸び始めた。それは妖精達を捕らえると、瞬く間に体内へ吸収していく。それが果たして何処へ向かうのか?否、何処へも向かわない。輪廻転生の輪にも加われない。行き着く先は、完全なる『無』だ。それは、分解吸収光線である『グリーザアブソープション』であった。こいしが宿したグリーザの力により、吸収された妖精達は『無』に還される。二度と復活出来ないのである。

 

そして、こいしが走り出そうとした。しかし、こいしの身体に一本の光線が飛んできて、彼女に当たりそうになる。しかし、こいしには当たらず、横に反れた。

 

そして、上空から六人の妖精達が飛んできて、同時に地面へ着地した。全員がこいしを見て戦々恐々としている。

 

「お前・・・なんかアタイの勘が囁いてる!あれは危険だ!」

 

「うん・・・でも、ほっとけないよね!」

 

「・・・う、うん!そうね!頑張ろう!皆でちゃんと特訓したから、その成果を見せようよ!」

 

それは、機龍を纏ったチルノとカメーバを纏った大妖精だった。両肩に背負うバックパックと両手の二連レールガンをこいしに向けながら、チルノは冷や汗を流した。大妖精は背中の甲羅にトゲを生やしており、亀の足を模したグローブを手に身に付け、足に亀の足のような靴を履いていた。下半身には薄暗い緑色のズボンを穿いており、上半身には薄暗い緑色の半袖を身に付けていた。そして三人目は美しい蝶の羽根を生やすエタニティラルバ。彼女の怪獣娘形態は、慧音の変身したモスラの怪獣娘形態にそっくりであった。何故ならラルバが宿した怪獣は、初代モスラの子孫であり、機龍とも間接的に関わりのあるモスラだからだ。ラルバは差別する為に『二代目モスラ』もとい『スラちゃん』と呼んでいる。

 

「私達も居るわ!」

 

「ええっ!なんたって私達は!」

 

「光の三妖精だもの!でも、何で感知出来なかったのかしら?」

 

残りの三人は、光の三妖精であるサニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアである。三人も怪獣娘形態となっており、既に戦闘態勢に入っている。

 

そして、スターは目の前の妖怪の気配を感知出来なかった事を不思議がった。

 

「そんな事は良いから、迎え撃つぞ!」

 

「「「「うん!!」」」」

 

チルノを筆頭に、六人はこいしに向かって走り出した。

 

『推奨BGM:三妖精SAY YA !!』

 

最初にチルノが飛んで肘蹴りをこいしに食らわせようとするが、こいしは避けてチルノを平手打ちで吹き飛ばす。チルノがレールガンを発射するが、こいしに当たる直前で下に反れてしまう。

 

大妖精が甲羅に太陽の光を集めていき、その身体を光に変換してこいしに向かっていく。光の速さでこいしに迫り、回し蹴りを放つ。大妖精の回し蹴りを避けたこいしは、大妖精の脚を蹴り飛ばして空中で回転させる。空中で回る大妖精は再び光の速さで上空へ瞬間移動した後、無数の光弾を上空から降らせる。

 

サニーが腕を振り下ろした瞬間、無数の光弾がこいしの元へ迫る。こいしに当たる直前でまたしても反らされる。しかし、サニーが光弾を操って再びこいしに向けて飛ばす。

 

ラルバは羽根をはためかせて金色の鱗粉によってこいしを囲むが、鱗粉はこいしに当たらず、全てこいしに当たる前に彼女の周辺に飛び散っていく。

 

「タイタスさん!この子ももしかして!?」

 

『うむ!暴走してるかもしれん!』

 

「私の力なら、言葉を届けられるかも!」

 

『だが油断するな!グリーザを宿した以上、一筋縄では行かんぞ!』

 

ルナが自身の肩に乗ったタイタスから忠告を受ける。

 

「分かってますわタイタスさん!でも私は届けてみせる!静かなる月の光、ルナチャイルド!進化した力で、私の声を届けてみせる!!『ボイスレター』!!」

 

ルナは声の波動を口から出し、こいしに当てる。此は攻撃ではない。こいしに言葉を届けているだけだ。

 

『ねえ貴女、聴こえる!?宿した怪獣に負けないで!!貴女の大切な物が全部無くなっちゃうのよ!!それでも良いの!?』

 

すると、こいしの行動に変化が訪れた。突然こいしの身体がより激しく揺れ始めて、まるで壊れたゲームのバグが秒単位で発生し続けるように、不規則な揺れ方をしていた。もう、作者も表現が限界な程に。

 

しかし、こいしは頭を抱えていた。

 

「『キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』」

 

『すげぇ!!届いたぞ!!』

 

『どうだスター!?彼女の気配は!?』

 

サニーの中に居るタイガは、グリーザを宿したこいしに言葉が届いた事に驚いた。スターの中に居るフーマはスターに問い掛けた。

 

「フーマさん!気配がするわ!彼女がきっと宿した怪獣と闘ってるのよ!ルナの声が届いてるわ!」

 

「ルナ!諦めないで言葉を届けて!あの子は宿した怪獣によって暴走してるだけで、あの子自身は怪獣じゃないから!」

 

「分かったわサニー!!」

 

そして、ルナはこいしに呼び掛けようとした。その瞬間だった。

 

「『ミンナダズゲデエエエエエエエエエ───イイイヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒハハハハハハハハハハハ!!』」

 

その瞬間、こいしは頭を左右に揺らし、鐘の音に似た怪音波を発した。

 

「あぎがあああ!?」

 

「頭が・・・あがぁ・・・」

 

「イダイイダイイダイイイ!!」

 

「ルナあぁ!何とかしなさいよおお!」

 

「やってるのよ・・・でも何でか防げないのよ!」

 

「頭が割れそう・・・痛い・・・」

 

こいしが左右に頭を揺らす。鐘の音に似た怪音波『グリーザアクオン』を頭部の被り物から発しているのだ。そして、六人は怪音波によって苦しんでしまい、こいしは六人に光線を放とうとした。

 

『危ない!!』

 

その瞬間、タイガが小さな状態のままシールドを張った。そして、こいしの頭部から放たれた光線をシールドで防ぎ、こいしは何かを察したのか再び繭のようになり、そのまま上空へ飛び去って行った。

 

「ま、待てえ!!」

 

「チルノちゃん無茶しないで!チルノちゃんに何かあったら、文さんに顔向け出来ないよ!」

 

大妖精が飛んで行ったチルノを追い掛ける。

 

「あの方向、人里に向かってる!」

 

「麟さんの住んでる人里を襲う気ね!?皆!行くわよ!」

 

「「うん!」」

 

そして、三妖精も追い掛け始めた。

 

そして人里の上空では、人里で待機していた者達が待ち受けていた。




BGMを敢えて加えたのは、完全にウルトラギャラクシーファイトのオマージュですw。要は遊び心ですよ。

クラウンピースはまだ合流してないので、代わりに大妖精を導入しました。

新技集

『ボイスレター』
使用者:ルナチャイルド
攻撃技ではなく、相手の脳内に声を響かせる為の謂わばコミュニケーション用。言葉は相手の理解出来る言葉で脳内に変換される為、通訳要らず。
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