東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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今回と次回で地霊殿編の本編は終了です。その後は、タイタン達とザ・キングダムの足止めの様子を番外編にて明らかにしようと思います。


第142話

翌日の夜。博麗神社の近くに出来た温泉宿『博麗温泉』に作られた大食堂にて、大勢の人妖が集まって宴会をしていた。地上、地底を問わずに集まっており、本来なら嫌われても可笑しくない覚り妖怪の姉妹であるさとりとこいしの姿もあった。更にはザ・キングダムのメンバーも何名か集まっており、彼等も温泉に浸かったり大食堂で食事を楽しんだりして、激闘の疲れを癒していた。

 

「がんばったわね霊夢。でも、無理はしないで。傷はまだ癒えてないんだから」

 

アリスがイカの刺身を箸で取って、隣の席に座る霊夢の口に運ぶ。霊夢の両腕は激闘の為か折れており、永淋の見立てでは霊夢の自然治癒力でも三日が限界であった。現在、霊夢の両腕にはギプスかしてあり、両腕を安静にさせている。後一日、動かさずに安静にしなくてはならない為、日常生活において介助が必要になる。

 

霊夢の要望により、アリスとルーミアが霊夢の介助を行う事に。輝夜や諏訪子、小悪魔か紫では霊夢の身が危ない為、麟かアリス、ルーミアの誰かとなった。麟は寺子屋の音楽教師として忙しい為、アリスとルーミアが交代で介助を行っている。

 

「あ、ありがとアリス。ハムッ////////」

 

アリスが運んだ刺身を食べる霊夢。しかし、恥ずかしい為か赤面していた。大好きなアリスに食べさせて貰ってるのは嬉しい事だが、それでも大勢の前で食べさせて貰ってる姿を見られるのは恥ずかしい。

 

「ズールーい!私も霊夢に食べさせたいよ!」

 

諏訪子が霊夢のお腹に抱き着く。

 

「大丈夫ですよ諏訪子さん。でも霊夢は怪我が治ってないんですから、無理はさせないでくださいね」

 

「分かってるよアリスちゃん。ほーら霊夢、あーん」

 

諏訪子はエビの天ぷらを箸で掴み、霊夢の口に運ぶ。

 

「あ、あーん/////」

 

霊夢は恥ずかしがりながらも、エビの天ぷらを食べた。美味しいが、やはり恥ずかしい。

 

「うぅ・・・やっぱり恥ずかしい。早く治ってくれないかしら/////」

 

「文句言わないの。それに・・・」

 

アリスは霊夢に抱き着いた。

 

「あ、アリス!?///」

 

「霊夢が無事で良かった・・・こんなに怪我して、どれだけ心配させれば気が済むのよ!////」

 

「・・・ごめんなさいアリス。でも私は守りたいのよ。貴女も愛する、この幻想郷を。こいしみたいに怪獣の力で暴走した子も、皆助けたいのよ」

 

「・・・全く霊夢は。でも、そんな優しい霊夢だから、私は・・・貴女の事が好きになったのよ////」

 

「・・・えっ?アリス──」

 

その瞬間、アリスは霊夢の唇に、自らの唇を重ねた。

 

「ああっ!?」

 

諏訪子はアリスに不意を突かれて、悔しそうに叫ぶ。アリスは諏訪子の叫びを気にせず、顔を赤くしながら霊夢に告げた。

 

「改めて言うわ。霊夢。大好きよ♥️」

 

恥ずかしさが半分、嬉しさが半分といった笑みを浮かべながら、霊夢に告白したアリス。

 

「あ、アリス・・・今の・・・///」

 

「・・・ほら、まだ食べたいでしょ?////」

 

「う、うん・・・・・・//////」

 

「それに、貴女のハーレムは私も認めるけど、一番になれるよう我慢しないでアタックするから、覚悟しなさい♥️」

 

アリスは霊夢の頬を撫でながらそう言った。その顔は完全に恋する乙女であった。

 

「もう!私も霊夢の介助したいー!♥️」

 

霊夢はアリスに再び食べさせてもらった。諏訪子も参加して、霊夢の介助を行うのだった。

 

「むー!私も介助したいのだー!」

 

(アハハ・・・)

 

ルーミアも参加した。霊夢は此から自分の愛する者達からアタックされる日々が始まるかと思い、複雑な気持ちになるのだった。

 

一方、麟はさとりとこいし、フランと共に温泉に浸かっていた。お空やお燐も共に浸かって、麟と話し合いをしている。

 

「良い温泉だよね~。疲れが取れるし、冬の寒さには丁度良いや。冬でなくても、お風呂に浸かってゆったりするのは凄く良いと思わない?」

 

「でも、麟先生と一緒に入れるなら気持ちいいよ!」

 

「ふ、フランちゃん・・・もう/////」

 

フランが麟に抱き着いた。フランの顔が胸に埋まるように抱き着いて来た事で、麟は顔を赤くする。

 

「あの、私に寺子屋の教師が勤まるのでしょうか?」

 

さとりが麟に尋ねた。

 

「大丈夫だよ。さとりさん優しいし、子供達に好かれれば自然と大人にも良い噂が広まるし、その心を読む能力もやり方次第じゃあ商売も出来るよ」

 

「がめつい発想ですね。ですが、私に教師が勤まるか分かりませんが、やらせて頂きます」

 

さとりは麟に頭を下げた。

 

「ねえ、貴女がフランちゃんの先生なの?」

 

「ん?そうだよ、こいしちゃん」

 

「あの・・・お礼が言いたくて・・・私の事を呼び覚ましてくれてありがとう。お陰で私ね、グリーザを制御出来るようになったんだよ。『虚無』じゃなくなったけど、それでも強くなったと思うよ」

 

こいしはあの日から、グリーザの本来の強みである『無』では無くなってしまった。『有』となり、実体を得てしまった。その為、攻撃は自力で避けなくてはならない。とはいえ、こいしは無意識を操る事は出来る為、さほど気にしてはいなかった。そしてこいしは、グリーザの怪獣吸引放電『ダークサンダーアブソープション』によって、生命や攻撃エネルギーを吸収し自分の力に変える能力を手に入れたのだから。

 

「うん。それに、こいしちゃんが生徒になってくれるなら、僕は歓迎だよ。フランちゃんも、友達が寺子屋に来てくれたら嬉しいよね?」

 

「うん!」

 

「だからこいしちゃん。寺子屋で皆と仲良くして行ってね。もし希望するなら、こいしちゃん今後も寺子屋に通って欲しいな。僕はそう思ってるよ」

 

麟が古明地姉妹に下した判決は、そんなに重い物ではなかった。こいしは妖精達を何体か『無』に還してしまった為、それなりに償いは必要になる。とはいえ、こいしも暴走していた為に彼女も被害者でもある。しかし、幻想郷を脅かしそうになった加害者でもある為、それなりに償いはしなくてはならない。とはいえ、人里への被害は殆ど無く、人間や妖怪の死亡は無い。妖精達は犠牲になったものの、幻想郷への被害はかなり少ない。その為、麟は古明地姉妹にそれほど重い罰を下さなかった。

 

さとりには教師を、こいしには生徒として、寺子屋に暫く所属してもらう。

 

覚り妖怪が恐ろしくて相手にしない方が良いという偏見を、何とかしたいという一心が殆どである。さとりやこいしは悪い妖怪ではない。話してみればすぐに理解出来る。

 

「じゃあ・・・宜しく、ね?麟・・・先生///」

 

その時、こいしが麟から視線を反らしながら挨拶をした。

 

「うん。宜しくね、こいしちゃん」

 

「うん!」

 

こいしは麟に頭を撫でて貰い、グリーザによって暴走していた時とは違った、純粋無垢で微笑ましい笑顔を周りに見せる。

 

「こいし。麟さんに撫でて貰って嬉しい?」

 

「うん!お姉ちゃんも良かったね!お姉ちゃんずっと悩んでたよね?心を読む力のせいで周りから嫌われて、仲良くしたいと思っても出来なかった事で!」

 

「・・・そうね。でも・・・この力があっても仲良く出来る方法があるなんて・・・それに、教師なんて初めてやるけど、頑張るわね」

 

「大丈夫!お姉ちゃんなら出来るよ!」

 

そして、話を聞いていたお燐やお空もさとりを励ました。

 

「さとり様は優しいですから、絶対出来ます!戻るまで、アタイ等が地霊殿を守りますので!」

 

「さとり様!こいし様と楽しんでね!お燐と地霊殿を守って見せるから、安心してね!」

 

「お燐、お空・・・ありがとう。頑張るわ」

 

こうして、さとりとこいしの判決が決まった。

 

そして、魔理沙は風呂上がりに、同じく温泉へ来ていた霖之助と話をしていた。




次回は、魔理沙編になります。
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