突如としてタイタン達の前に姿を現した黄金の穴。それは、タイタン達の身体の大きさにも匹敵しており、其処から巨大な怪物が二体も現れた。
一体は無数の人工物が集まり、関節部位を糸で繋げたジャンクで構成された巨大なドラゴンである背部には巨大な繭状の塊があり、その中で何かが動いていた。
もう一体は無数のスクラップで構成された怪物であるが、三本の尻尾を持ち、頭部が二本の大きな牙を持ったスクラップの怪物であった。四肢の爪が丸ノコで、足の踵には車輪が搭載されている。まるでスクラップを無数に纏った鋼鉄の怪獣である。
『ったくこんな目になっちまうとはな!』
『仕方ありませんよ!幻想郷に入れたらあっちが終わっちゃいますから!』
二体のジャンクで構成された怪獣から声が響く。
一体目のスクラップのドラゴンの正体は、睦美である。彼女が『アトラル・カ』の糸で無数のスクラップを繋ぎ合わせて巨大なドラゴンを形成したのだ。繭状の塊は睦美の操縦席であり、其処からスクラップのドラゴンを操縦しているのである。コックピット内部は無数のレバーやボタンがあり、その全てが糸で構成されている。操縦桿も糸で形成しているのだ。そしてその形態は、『アトラル・ネセト』と呼んでいる。否、オリジナルより二倍も大きいジャンクドラゴンである。
二体目は、ハイゼンベルクである。彼が無数のスクラップを纏った上で『メガ・カイジュウ』を纏って怪獣装甲形態となったのだ。アトラル・ネセトに及ばないものの、多くのスクラップを纏った為に自分が変身出来る怪物の姿よりも遥かに巨大化していた。尚、スクラップは全て金属製である。
「全く、幻想郷が危ないってのに此方は此方で大混乱じゃない」
「ああっ。だがこいつ等を通す訳にも行かない。此処で止めさせてもらおう」
三人目はベルだ。彼女は闇を身に纏い、胸元にYともVとも見れるコアを取り付けた、赤いボディラインの入った黒いスーツを身体に身に付けていた。
四人目はカルナだ。彼はベルのサーヴァントだ。彼は宿した宇宙人『グローザム』を纏い、冷気を纏う白い軽装の鎧を身に付けた。更に赤いマントを風で揺らし、光槍をタイタン達に翳した。
「さとちゃん・・・」
「大丈夫よしおちゃん。しおちゃんと私なら、絶対に負けない」
「うん!さとちゃん!」
続いて現れた二人の少女。一人は幼女だが、四肢や胴体は蛇のような鱗に覆われ、お腹は蛇の腹のようなデザインをしている。両手の爪は鋭くなり、背中には悪魔のような翼を生やす。彼女の名前は神戸しお。一人の少女と共にザ・キングダムへ所属し、二人の城を拠点で持つようになった。しおが宿したのは『幻魔王フォーティンブラス』。この力を宿したお陰で、ザ・キングダムではしおを危険視しており、特に鬼の種族からは嫌悪されている。しかし、さとうが居るお陰で寂しくは無く、他にも災厄の怪獣を宿した者達とは仲が良い。
もう一人は松坂さとう。その見た目は変化しており、狼の耳を頭部に生やし、狼の尻尾を腰に生やしている。首元は白い毛皮に覆われており、白いセーラー服を着込んで、スカートの下には白のドロワーズを履いている。彼女が宿したのはある世界では八王と呼ばれた猛獣であり、狼の王『バトルウルフ』。その中で圧倒的な長である『狼王ギネス』を宿し、その怪獣娘形態となった。
「結芽ちゃん!一緒に闘おう!」
「彼奴等を食べないでよ桜」
「結芽も殺しちゃ駄目だよ!タイタンを足止めするだけで良いんだから!」
続いて現れたのは、フューチャーアースの防衛を変わって幻想郷を護る為にやって来た間桐桜だ。彼女は頭に山羊の角を二本も生やし、背中には無数の鋭い歯を持って中心に穴があるマントを羽織っている。彼女が宿したのは『ボガール』と呼ばれる怪獣で、背中のマントのような口で何でも喰らってしまう高次元捕食者である。更に、桜はザ・キングダムで戦闘訓練も受けており、まだ未熟な所はあるが、それでも並の怪獣と渡り合える力を持つ。
「ほら、行くわよ両姫」
「はぁ~い、彩菜ちゃん」
「さあて、新入りの実力を見せるチャンスよ。赤の私に代わって、地球の私が食い止めてやるわ」
最後に現れたのは、金と銀を基調としたスーツを胴体に着用し、更に各所は黒くなっている。各部のディテールは複雑になっており、上腕部から伸びる羽衣状の装飾が大きな特徴となっている。スーツは身体にピッタリとハマり、彩菜の身体の妖艶さが強く表れている。両足に履く靴は女性らしくヒールとなっており、爪先の先端はカールしている。彼女は藤沢彩菜。嘗ては虐めを受けて地獄の日々を送っていた少女だったが、ヘカーティアによって闇の巨人三人を宿してもらい、全員を死に追いやった。そして今の怪獣娘形態は、『妖艶戦士カルミラ』という女性の闇の巨人である。
もう一人は両姫。彼女は背中に翼を生やし、ゴツい鎧を着込んで鳥の頭のような兜を被っている。彼女が纏った怪獣は『ゴルバ』だ。但し、彩菜が来た事で完全に彩菜の手下となった。
そして最後の一人は、棍棒型の特殊な武器を手にして、胸元に紫色のカラータイマーを着けた女性だ。ベルに似たスーツを身に着けているが、両手の爪は鋭く、そして輝いている。
「さて、赤の私に頼まれた以上、きっちり仕事をこなしてやるわ」
こうして始まろうとしていた。ザ・キングダム対タイタン軍団。片方は幻想郷を、もう片方は地球を護る為に動いていた。
次回、漸く戦闘に入ります。