『俺と睦美が最初に行かせて貰うぜ!』
『私達の巨体なら、タイタン達と渡り合える筈です!』
ハイゼンベルクと睦美が動き出した。睦美の操縦するネセトが足の裏の車輪を回し、地面を走ってタイタンに迫る。ハイゼンベルクも同じように、踵の車輪を回して加速する。
二人はゴジラの元へ向かっていたが、此処で二人を阻む相手が現れた。カブトムシのような昆虫型のタイタンである『サルゴン』だ。サルゴンはネセトの脇腹に突進して、ネセトを持ち上げた後に投げ付ける。ネセトは引っくり返るが、すぐに起き上がってサルゴンに目を向ける。
『大きいカブトムシ!?凄いし生態も知りたいけど、今はこの場を通す訳には行かない!此処は通さないわ!』
睦美は操縦桿の隣にあるレバーを前に倒す。その瞬間、ネセトの車輪が回り始めて、そのまま走り出した。サルゴンはネセトの足に踏み潰されるが、額の角で弾き返した。
一方のハイゼンベルクも、爪の代わりである丸ノコを回転させながら跳んでゴジラを真上から斬ろうとした。しかし、突然胴体を鷲掴みにされて、そのまま投げ飛ばされる。投げ飛ばした相手は、タイタンの中でも一、二を争う巨体を誇るテュポーンだ。
『いってぇな!邪魔をすんじゃねえ!殺すなと言われちゃいるが、関係ねぇ!テメェをぶっ殺して、その死体を俺が有効活用してやるよ!』
ハイゼンベルクは尻尾から刃を飛ばし、テュポーンの両腕の翼に直撃させる。しかし、テュポーンの翼の羽根一つ斬れず、弾かれるだけだった。更に、丸ノコをテュポーンの嘴に当てて斬ろうとするも、丸ノコが逆に砕けてしまう。
『馬鹿な!?此が、タイタンの力だと!?』
テュポーンは口から炎を吐く。炎を纏った息をハイゼンベルクの片腕に直撃させて、彼の片腕を根元から焼いて溶かした。
『ちぃ!俺を嘗めるなぁ!!』
ハイゼンベルクは四足で走り出し、テュポーンの目を掻い潜ろうとする。テュポーンはハイゼンベルクを追い掛けて、両足で地面を強く蹴りながら走って行った。
そして、ベルは二体のタイタンを相手に回避をしつつも攻撃を当て続けていた。昆虫のような外見をしたニュームートーと、サソリのような姿をした『アバドン』の二体のタイタンだ。
ニュームートーが咆哮と共に脚を振り下ろし、自分に当たる前に前へ前転を行い、避けるベル。しかし、その場は田んぼでおり、ニュームートーの一撃で田んぼが粉々に砕けてしまう。更に、アバドンが口から毒の霧を吐いて来る。
ベルは両手を握り締めた後に拳を突き出して『グラビティ・ザギ』という重力光線を放つ。ベルの重力光線により、毒の霧が晴れた。可燃性の霧では無かった事はベルにとって非常に運が良かったと言える結果だろう。しかし、アバドンが攻撃を続けた。アバドンは両手のハサミや尻尾の毒針を繰り出してベルを狙う。更に、ニュームートーが口を開けてベルに噛み付こうとする。ベルは噛み付かれる前に身体を回転させながら避けた。
「『カラドボルグ・グラビティ』」
ベルは螺旋状の剣を弓で構えて、アバドンに向けて放った。アバドンに向かって重力を纏った螺旋剣が回転しながら迫る。アバドンの腕に直撃した螺旋剣は、重力回転を纏った事で貫通力が増しており、アバドンの甲殻を貫通した。アバドンが絶叫を上げた。そして、ニュームートーがベルに脚を振り下ろしたが、ベルは片手で受け止めた。
「『インフェルノ・ブレイド』!」
ニュームートーの脚を、片手に投影した炎を纏った刀剣で斬ったベル。ニュームートーは脚を切断され、歩行に影響が無い箇所を切断されたものの、激痛により後ろへ下がる。
「悪いけど、多少の怪我は覚悟してもらうわよ。とはいえ、流石に数が多いわね・・・全力でやってやっとダメージを与えられる程度なんて、この世界の怪獣強すぎないかしら?」
今の攻撃も全力で放ってる。そうでなければ、タイタンの身体を斬るなんて、到底出来ない。それほど闘う相手は強いのだ。恐らく、ベルが闘ってきたどの相手よりも手強い。
もしダークザギ本人ならば、此処に集うタイタンを一斉に相手をしても平気だっただろう。しかし、かの軍神が言った。『例え宿した怪獣が無敵でも、宿した者はそうではない』と。それほどまでに、ベルはダークザギの力を扱う経験が足りない。
ニュームートーが脚を振り下ろす。
「『アイアス・ザギ』きゃあっ!?」
ベルは赤黒い花弁のシールドを構えるが、ニュームートーにアッサリと粉々に砕かれてしまい、その場で仰向けに気絶してしまう。幸いにもニュームートーの脚は弾かれたが、衝撃でベルは背中から地面に叩き付けられた。
「マスター!」
カルナが氷の壁を地面から生み出し、ニュームートーやアバドンの二体と自分達の間を別つ。しかし、アバドンはハサミで壁を殴り、尻尾で掘り進んで行く。
「マスター!無事か!」
「カルナ・・・ええっ、大丈夫よ」
「他も全力で闘っているが、数も多いだけでなく一体一体がとんでもない強さだ。古代の人々が神と崇めるのも無理は無いかもしれん」
カルナの言う通り、ハイゼンベルクやネセトも押され気味であった。
ネセトはテュポーンが口から放つ炎の息に当たってしまい、組成を溶かされて行動不能になってしまう。
ネセトを捨てて睦美は操縦席から避難し、糸を掌から出してテュポーンの翼に張り付け、そのままブランコの要領でぶら下がり、そのまま空中へ飛び出した。糸を駆使してタイタンの身体の隙間を掻い潜ろうとしたが、突如として睦美は空中に発生した水流に包み込まれてしまう。
「アガッ!?ボゴガボゴ!?」
睦美は突然水の中に放り込まれて、糸で脱出しようとする。しかし、強い水流に飲まれて脱出出来ない。
(まさか、あのワニみたいな怪獣、いえタイタンがやったの!?い、息が・・・)
睦美は、水流を生み出している相手を見た。それは、口から水流を吐き出し、更に水流を龍のような動きをさせながら操るそのタイタンは、『モケーレ・ムベンベ』である。
『ぐあっ!?』
更にハイゼンベルクも、ヤマタノオロチが口から放つマグマを浴びせられた。浴びるだけなら身体に影響は無いが、関節を構成する金属に固まったマグマがくっついて動きを止めてしまう。更に、スキュラが脚を一本降ろして、ハイゼンベルクの胴体を貫いた。鋼鉄の肉体をも容易く貫かれ、ハイゼンベルクは口から血反吐を吐いた。
『ごはぁっ!?や、ヤベェ・・・強すぎだろ!?いくら地球がヤベェからって・・・此処まで連携が強いのかよ・・・』
そして、苦戦していたのはハイゼンベルク達だけではなかった。
「しおちゃん!!がああ!」
「い、いやああ!!さとちゃあああん!!」
しおとさとうもだった。しおはゴジラの尻尾による打撃によって地面へ叩き付けられそうになるが、さとうが庇った。しかし、其処へゴジラの追撃やティアマトと他の遠距離攻撃能力を持ったタイタンから攻撃が入る。ゴジラは放射熱線を口から放ち、更にティアマトが口から猛毒の息を放ち、他にも遠距離攻撃能力を持つタイタン達が、炎や雷、風を二人に向けて放つ。それをさとうは背中で全て受け続ける。八王の一角たる猛獣のタフさで耐えているが、さとうは確実にダメージを負い続けている。しおを抱き締めて護っているのだ。
「さとちゃんを、虐めるなああああ!!!!」
しおが目を赤く輝かせて、宿した怪獣の力を解放する。全身から力を放出し、その衝撃波でタイタン達を吹き飛ばした。ゴジラ達は吹き飛ばされた後に地面へ仰向けに倒れる。但し、さとうは吹き飛ばされておらず、しおに抱き着いたままだ。さとうがしがみついているのもあるが、しおがさとうを吹き飛ばさないようにしている。
そして、タイタン達はしおに狙いを変えた。ゴジラも、しおを始末するべき相手と見て、攻撃しようとする。
「私と桜を忘れないでよね!」
すると、タイタン達を炎が包み込んだ。炎に包み込まれた彼等が苦しみ出す程に、炎の力は強力であった。
それは、炎の剣『トワイライト』から放たれた炎であり、神をも屠る力が備わっていた。
「桜!そっちは大丈夫!?」
「うん!結芽ちゃんも無茶しないでね!」
それは、炎の鎧を身に付けたスルトの王冠を被る結芽と、マント状の口でゴジラの放射熱線を吸収する桜だった。この二人は、タイタン達を相手にほぼ善戦していた。結芽はトワイライトでコングの振り下ろした斧を受け止めた後、剣を振り上げて火柱を上げてコングを吹き飛ばす。桜はティアマトが産み出した生命体を、マント状の口で全て捕食していく。更に、桜はティアマトの産み出した生命体を全て操り、相討ちさせて足止めさせる。
「流石はザ・キングダム屈指の強さを持つ『
そして、青のヘカーティアはケツァルコアトルの尻尾を掴み、上空へ投げ飛ばしながら結芽と桜を見る。余裕なのは結芽と桜、ヘカーティアの三名だけだ。さとうとしおも『
青のヘカーティアは右手に赤黒い稲妻を走らせた後、コングに向けて赤黒い稲妻状の光線『デスシウム光線』を放った。コングは光線を跳んで避けようとする。しかし、青のヘカーティアは跳んだコングへ再びデスシウム光線を放とうとする。しかし、此処で邪魔が入る。
青のヘカーティアは横から現れたラドンに足から掴まれてしまい、そのまま上空へ連れ拐われた。
「青のおねーさん!」
「結芽ちゃん!危ない!」
桜が結芽を押し倒す。その瞬間、リヴァイアサンが先程まで結芽が居た場所へ噛み付き始めた。その速さは巨体からは想像も出来ない速さであり、リヴァイアサンが噛み付く為に動いた音が後から響いたのだった。
「桜!ありがとう!」
「うん!」
結芽は立ち上がり、桜に感謝を述べた。
「でもどうしよう・・・殺さずに無力化するなんて!」
「弱気にならないでよ桜!私は楽しいよ!」
「全然楽しくないんだけど!?」
桜は戦闘は其処まで好きではないが、何かを守る為に闘うのは好きだ。結芽は強い相手と闘うのは好きだが、その本質は自分の強さを知ってもらいたいところにある。
とはいえ、結芽も体力が限界になり始めていた。闘い続けたいが、疲れてきたのも事実だ。
しかし、結芽はトワイライトを掲げて、走り出そうとした。桜がそれを止めようとする。
その時だった。
乱入者が現れた。
「『剛力破牛拳』!!」
新技集
『カラドボルグ・グラビティ』(漢字は面倒だったので付けてません)
使用者:ベル
『偽・螺旋剣Ⅱ』に『グラビティ・ザギ』を組み合わせた螺旋重力光剣を弓から放つ。重力を込めた螺旋剣回転しながら次元の壁を突破し、例え狙った相手が時を止めたり空間の壁を越えて隠れたとしても、決して逃がさない。
『インフェルノ・ブレイド』
使用者:ベル
『ザギ・インフェルノ』の炎を纏った刀剣を投影し、その剣で敵を斬る。一兆度の炎を纏った刀剣は、あらゆるものを切断する。