東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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番外編・4:タイタン対ザ・キングダム

それは、突然現れた。

 

紋章のような模様の波動がタイタンやザ・キングダムのメンバーを襲う。

 

波動が彼等を巻き込んで大爆発を起こし、睦美を飲み込んでいた水流をかき消し、全員を仰向けになるよう倒した。

 

ゴジラとコング、そして怪物の姿から元に戻ったハイゼンベルク、並びに身体を一回転させて起き上がった結芽が相手の姿を見た。

 

それは、牛のような角を持つ黄金の鎧を身に纏った、赤のヘカーティアに似た黄金の波動を纏う巨人であった。

 

『俺は究極生命体アブソリューティアンの戦士!アブソリュートディアボロ!』

 

アブソリュートディアボロ。そう名乗ったディアボロは、倒れるタイタンやザ・キングダムにそう言い放つ。

 

『お前達の地球に存在する地底世界の核は、我々真なる『ザ・キングダム』が頂く!』

 

「地底?そういやヘカーティアが言ってたな・・・この地球は地球空洞説が真実で、其処には地球の核を中心とした多様な生態系が織り成されてるって」

 

ハイゼンベルクは、赤のヘカーティアが話していた内容を思い出す。

 

「アブソリューティアンって・・・ヘカーティアおねーさんの言ってた、次元を越えて悪さをしてる奴等だよね!なら、此処で止めないとぉ!」

 

結芽は全身の鎧から炎を発しながら、ディアボロの頭に向かって跳んだ。トワイライトの柄を両手で持ちながら、真後ろに剣を下げて何時でも振り下ろせるようにする。

 

「結芽ちゃん!駄目!」

 

「どおりゃああああああああっ!!」

 

桜の静止も聴かず、ディアボロの顔の目の前まで飛び出し、トワイライトを振り下ろす結芽。ディアボロの頭に直撃した瞬間、大爆発が発生。ディアボロの上半身を包み込む程の大爆発であった。

 

「やったか!?」

 

「あっ、カールさん!それ言ったら駄目です!」

 

「あっ?何でだ?」

 

睦美がハイゼンベルクにツッコミを入れる。

 

その瞬間、爆煙からある物が飛び出し、絶叫を上げながら空の彼方へ飛ばされていた。

 

「うわあああああああっ!!」

 

それは、なんと結芽であった。ディアボロは爆煙を片腕で払う。彼は鎧が少し焦げただけでダメージどころか傷すら見当たらなかった。

 

『良い攻撃だ!流石は地球の神話に出てくる世界を焼き尽くした巨人だな!』

 

ディアボロは笑っていた。

 

そして結芽は、空の彼方へ飛ばされそうになる。しかし、此処で助けが入った。先程青のヘカーティアを連れ去ったラドンが現れ、結芽を足で掴んで救い出したのだ。

 

「あ、ありがとう!」

 

『グアアアアッ!!』

 

結芽が感謝を述べると、ラドンが咆哮を上げた。それが何を意味するかは不明だが、ラドンが自分の言葉に答えたと理解した結芽であった。

 

そして、タイタン達もそれぞれ攻撃を開始する。

 

『グオオオオオオッ!!』

 

コングがディアボロの背後に回り、そのまま拳でディアボロを殴る。ディアボロはコングのパンチを背中で直接受けてしまうが、コングの腕を掴むとそのまま背負い投げの要領で投げ飛ばした。コングは背中から地面に叩き付けられた。そのせいで近くの山で地滑りが起きてしまうのだった。

 

しかし、コングは倒れても攻撃を止めない。蹴りを放ってディアボロの胸を蹴る。ディアボロは数歩後ろへ下がった。身長差があるにも関わらず、ディアボロはコングと互角以上に渡り合っていた。

 

『良いぞ!もっとだ!もっと闘おうぞ!』

 

そして、ゴジラが尻尾を振り回してきた。ディアボロはゴジラの尻尾を脇で挟んで止めた。そして、ゴジラを尻尾ごと投げようとした。

 

しかし、テュポーンが炎を吐いてディアボロを攻撃する。ディアボロはテュポーンの炎をその身体で受け止め、片手で払って地面に受け流す。そして、テュポーンの頭まで跳び、胸の前で両手を合わせて胸の模様を浮かばせた。

 

「『剛力破牛拳』!!」

 

そして、模様をテュポーンの頭に飛ばした。その瞬間、テュポーンの頭部が大爆発を起こし、更に衝撃波が周囲のタイタンを吹き飛ばした。ゴジラやコングも丸ごと吹き飛ばされてしまい、地面を十回も横向きに転がった。

 

結芽達も衝撃波に吹き飛ばされながらも、テュポーンの様子を見た。テュポーンは頭が焦げており、背中から地面へ倒れた。口は痙攣を起こし、身体も震えていた。

 

『どうした地球の怪獣よ!いや、タイタンだったな?お前達の力はこんなものか!』

 

ディアボロはテュポーンに追い討ちを掛ける。その時、ティアマトが口から産み出した五千を超える大群の蟲達が、五千もの飛行機のエンジン音に似た羽音を立てながらディアボロに迫る。蟲達の大きさは平均十メートルもあるが、その数は最早ディアボロを包み込めてしまえる。

 

ディアボロは拳の連打を繰り出し、蟲達を殴って爆散させていく。しかし、殺し切れなかった蟲達がディアボロの身体に食らい付き、彼の全身を包み込む。

 

しかし、ディアボロは両手を左右に広げて胸元から炎の翼を広げた。

 

「『剛力破鳥波』!」

 

翼の形をした衝撃波は、まとわりつく蟲達を全て焼き払った。

 

背後から回り込んだコングは斧を振り下ろした。コングの斧はディアボロの背中を斬るが、ディアボロは前に数歩進むだけで効いてる様子は無い。コングは斧を振り上げようとする。ゴジラは横向きに倒れながらも、コングの斧に向かって放射熱線を放って当てた。更に、斧へ力を与えたのはゴジラだけではなかった。

 

「『エターナルフレアチャージ』!」

 

「私もやる!『ボガールボミット』!」

 

結芽は両手の掌から『永久なる炎』を放つ。決して消えない炎はコングの斧に放たれる。結芽が止めない限り無限に放たれる炎の熱線はコングの斧に当たり、ゴジラの熱線と共に斧を輝かせる。青と赤に輝きながら炎を纏った斧に、結芽の隣に居る桜は此まで捕食したエネルギーを全て赤黒い熱線に変えて、マントを螺旋状に丸めて細くした口から水鉄砲のように放出した。赤、青、黒に輝く斧を振り上げたコングの斧に向かってディアボロは再び『剛力破牛拳』の構えに入り、攻撃に移る。

 

『グオオオオオオオオオオオオッ!!!』

 

『来い!!『剛力破牛拳』!!』

 

そして、コングが斧を振り下ろし、ディアボロが波動を放とうとした。

 

その瞬間だった。

 

『『アブソリュートデストラクション』!!』

 

コングとディアボロの間を、大爆発が襲った。二人はそれぞれ違う方向に吹き飛ばされ、地面に背中から叩き付けられた。

 

『何をしているディアボロ』

 

そして姿を現したのは、ヘカーティアに宿るタルタロスと同じ姿をした、否、本物の『アブソリュートタルタロス』であった。

 

そして、結芽の隣に地球人三人分の大きさをした黄金の穴が開き、其処へ赤のヘカーティアがポンズやエレンを連れて姿を現した。更にその背後には、ザ・キングダムに所属している者達が武装をして現れた。全員が何かしらの怪獣を纏っていた。

 

「急いで増援を連れてきたけど、まさか会うとは思わなかったわね!」

 

「あれが本物のタルタロス・・・じゃあヘカーティアの契約したタルタロスって・・・」

 

「ヘカーティア、言ってたな。自分が契約して宿したタルタロスは、本物ではなくその力を模したクローンだってな」

 

「そうよん・・・ゼウス含めたオリュンポスの神々に協力してもらったけど、ゼウス達曰く『全盛期より力を多く失って全員一気に弱り果てた』らしいわ。今は私のザ・キングダムで休ませてるわよん」

 

赤のヘカーティアは、タルタロスを見上げてそう言った。そんなヘカーティア達を無視して、立ち上がったディアボロはタルタロスに怒る。

 

『何故邪魔をする!タルタロス!』

 

『勝手に動いてどうする。モンスターバースの地球の核は後回しにしろと言った筈だ。今は、エタニティコアの奪取が優先だ』

 

『ふざけるな!貴様に楽しい勝負を邪魔されたのだ!』

 

『頭を冷やせ。目的を見失いやすいのはお前の欠点だ。だが、このモンスターバースに来て、まさか私の偽物を宿した者と出会うとはな』

 

タルタロスは、自分のクローンと契約して宿したヘカーティアを見る。ヘカーティアはタルタロスを睨み返した。

 

『行くぞ』

 

『・・・ちぃ!』

 

そして、タルタロスが両腕を立てた瞬間、タルタロスとディアボロの背後に黄金の穴が開く。そして、タルタロスとディアボロは黄金の穴に入り込み、穴が閉じると共にその場から姿を消した。

 

「・・・ふぅ。一体何だったの?」

 

「俺が聞きてえよ結芽。おい睦美、無事か?」

 

「はい。あっ・・・」

 

先程水流に飲み込まれ、糸を使うも脱出できなかった睦美。タイタン達の様子に気付く。先程まで彼等から感じていた攻撃意志は感じない。

 

『・・・グウゥゥッ』

 

ゴジラが立ち上がり、タルタロスとディアボロの姿が無くなった様子を見た後、幻想郷へ続く方向を見た。しかし、すぐに反対の方向へ向かって歩き始めた。他のタイタンも、ゴジラに続いて歩み始めた。上空を飛ぶラドンを含めた飛行型タイタンは、上空へ飛び去って行った。

 

「さとちゃん・・・」

 

「・・・大丈夫だよしおちゃん。背中は痛いけど、しおちゃんが一緒なら平気だから」

 

「うん!さとちゃん無事で良かった!」

 

さとうとしおは抱き締め合う。さとうの背中は焼け焦げているが、再生能力があるのか治り始めていた。

 

「幻想郷の方も問題解決かよ。おあっ・・・いってぇなちくしょう!」

 

ハイゼンベルクがその場で座る。

 

「どうやら俺達が来るまでもなかったな」

 

「そうね。でも、万が一もあるから駆け付けて良かったわ」

 

「そうね。じゃあ皆、そろそろ私達のザ・キングダムに戻るわよん」

 

 

 

 

 

こうして、ザ・キングダムによるタイタンの足止めは、本来のアブソリューティアンの戦士達が所属する、真の『ザ・キングダム』の戦士達の乱入によって結果的に成功した。

 

足止めに加わった者達は、ザ・キングダムに戻って休息に入るのだった。




結芽の跳躍は、ハルクがスルトに跳んで行った時のを再現してます。勿論結芽は、スルトの記憶越しに知ってます。

尚、ディアボロの必殺技は少ないので自分で考えました。恐らくディアボロの技には動物の名称を使ってる可能性があるので、それを考えました。

因みに、コングのコングアックスがゴジラの熱線以外のエネルギーも受け止められるか分かりませんが、この小説では出来ることにします。まあ、結芽の永久なる炎で変質したと思って頂ければ。

新技集

『剛力破鳥波』
使用者:アブソリュートディアボロ
両手を胸元でクロスさせた後、鳥のように両腕を広げて炎を纏った翼の形状をした衝撃波を放つ。

『エターナルフレアチャージ』
使用者:結芽
自身に宿る『永久なる炎』を相手に分け与える回復技。どんなに分けても減る事は無い為、無限に供給出来る。効果は怪我や病気、疲労等の状態異常の回復だけでなく、身体能力を底上げする強化も持つ。また、死んだ者に与えれば結芽の意のままに操れる死体の兵士となる。因みに、片手でも両手でも放てる。

『ボガールボミット』
使用者:間桐桜
今まで捕食したエネルギーを、マントを螺旋状に丸めて細くした口から一気に放つ遠距離攻撃技。エネルギーを食べれば食べる程、威力も増していくが、この話ではコングの斧に力を与える為に使用した。

次回は日常編です。
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