東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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ダイジェストになる所があり、かなりはしょります。抜けてる所はありますが、申し訳ありません。


勧誘編・その7:シズエ・イザワ、大和、更木小夜・前編

~シズエ・イザワ/井沢静江編~

 

シズエ・イザワ。本名を井沢静江。戦争が起きた日本から異世界に召喚されて、魔王レオンによって炎の精霊を宿された哀しき少女。勇者によって救われて、それから勇者と旅をしていたが、ある日を境に勇者と別れる。時に先生となって、異世界から召喚又は転移した子達を教育していったが、イフリートを制御出来なくなってきた事で再び旅に出る。魔王レオンを探し出して、彼の真意を聞く為に。

 

そんな旅を続けていた最中、彼女の頭に声が響いた。

 

『お前に新しい人生を与えよう。今度こそ、幸せな人生を歩んでみたくないか?』

 

「・・・何だろう?でも、旅を続けなくちゃ・・・」

 

聞き流したシズエは、その後も旅を続けた。そして、冒険者のエレン達と出会い、軈て彼女は運命の出会いを果たす。リムル=テンペストという一匹のスライムと出会いが、彼女の運命を分けた。

 

シズエはイフリートの暴走に飲み込まれるが、リムルによって解放された。そして、シズエはリムルに自分の心残りを託し、リムルに捕食された後に永遠の眠りに付く筈だった。

 

しかし、彼女の肉体はリムルに捕食されたが、魂はある女神の介入により、『ナラク』へと引き寄せられたのだった。

 

──────────────────────

 

『・・・此は、一体』

 

魂だけとなったシズエは、周りを見渡した。黄金の壁が果てなく続いているようにも見える。魂の形状は燃える赤い炎のようであり、空中に浮いている。

 

肉体が無い為に感じ続けている浮遊し続ける不思議な感覚に、シズエは酔いそうになる。

 

「はぁい。ようこそ、私達ザ・キングダムの拠点『ナラク』へ」

 

『・・・貴女は?』

 

「私は地獄の女神ヘカーティア・ラピスラズリ。そして彼が・・・」

 

『私は究極生命体アブソリューティアンの戦士アブソリュートタルタロス』

 

ヘカーティアの背後から、上半身のみを具現化して現れたタルタロス。二人を見て、シズエはレオンを超える大いなる力を感じた。

 

しかし、シズエはそれ以上に怒っていた。

 

『・・・此は、何の真似ですか?何故私を、スライムさんの手で眠らせてくれなかったんですか?』

 

シズエはヘカーティアを睨む。このまま眠って楽になりたかったのだ。憎めなくとも大嫌いなあの世界に取り込まれないようにする為に、リムルに喰われる事を望んだ。それを邪魔されたのだ。怒らない筈が無い。

 

すると、ヘカーティアの周りに多数の子供達が姿を現した。結芽に桜、アリシアに他にも多数の子供達が、シズエを囲むように現れた。

 

「おねーさんの事はヘカーティアおねーさんから聞いてるよ。シズエおねーさんには、まだ生きて欲しいよ。もうシズエおねーさんは幸せになって良いんだから。私達と歩こう?」

 

「シズエお姉ちゃん!私達が一緒に居るよ!シズエお姉ちゃんに生きて欲しい!」

 

「私も結芽と桜と同じ気持ちだよ。シズエお姉ちゃんの事、私達がいっぱい幸せにしてあげるね!」

 

『『『シズエ先生!!』』』

 

それを見たシズエは、自分を慕ってくれた子供達の姿を思い出す。

 

『・・・この子達は』

 

「私があらゆる時空から勧誘し、集めてきた子供達よ。難民、貧民、親に売られた少年兵から奴隷、ストリートチルドレン、物ごい、更には結芽や桜、アリシアのような悲惨な境遇の子達が、ザ・キングダムには多く所属してるわ。中には私が面白いと思ったから勧誘した子も居るけど」

 

『・・・そうなんだ・・・・・・ねえ皆。この世界に来て幸せ?』

 

「私は幸せだよ。皆優しいし、一緒に戦ったり競ったりして楽しいんだ。それ以上に、友達や家族が出来て嬉しい」

 

「私もだよ。戦うのは其処までじゃないけど、競うのは好きだよ!あっ、お盆とかお正月にはちゃんとお父さんやお母さん、お姉ちゃんの所に帰ってるんだ。結芽ちゃんやアリシアちゃんも一緒にお家へ時々帰ってきてるよ」

 

「私もだよ!生き返らせてもらって、今は沢山のお兄ちゃんお姉ちゃんと暮らしてるんだよ!」

 

結芽、桜、アリシアを含めた多数の子供達が此処に来て良かったと回答した。シズエ───シズさんは子供達の幸せな様子を見て、もし自分がこの世界で新しい人生を歩めるのだとしたらと考えた。

 

『・・・そうなんだ。なら、私も生きてみて、良いかな?』

 

「「「『『『うん!!』』』」」」

 

『なら、私も、本当の第二の人生を、私の好きなように生きてみるよ』

 

「なら良いって事よ」

 

そして、ヘカーティアは隣に金色に輝く巨人を呼び出した。

 

「カオスヘッダー。彼女に力を与えてあげて」

 

『了解した。ならば、丁度良い物がある。嘗てコスモスと激闘を繰り広げた私の力を持つウルトラマン。その時のカオスヘッダーが残っている。それをやろう』

 

カオスヘッダーが掌から、虹色に輝く無数の粒子を作り出し、それをシズさんに与えていく。その瞬間、彼女の魂は徐々に人の形となっていき、虹色の粒子が身体を形成していく。

 

そして姿を現したのは、元の黒髪ロングのシズさんの姿だった。但し、瞳以外の目は赤く染まっており、服装もウルトラマンを思わせるスーツに、カオスウルトラマン及びカオスウルトラマンカラミティを思わせるパーツが所々に装備され、目元には青と黒のラインが描かれている。そして、胸元にはカラータイマーが取り付けられている。

 

「凄い・・・此が私・・・」

 

「綺麗・・・話に聞いてたリムルっていうスライムの姿にそっくり!」

 

「スライムさんの?そうなんだ。スライムさん、人の姿になれるんだね」

 

少し会ってみたくなったシズさん。そして、リムルと思わぬ形で再会する事になるとは、この時は思わなかった。

 

因みに、今の怪獣娘形態を解いた時、シズさんの服装は嘗て身に付けていた服装になったそうだ。やはりシズさんとしては、此方の方が馴染むようだ。目は元の色に戻っている。

 

「ではシズエ。貴女のやるべき事、大体説明したわ。理解出来たかしら?」

 

「うん。ゴーデス細胞、スフィア、スペースビーストの駆除。それに取り憑かれた生き物は殺さなくてはならないんだよね。(つら)いけど、やらなくちゃならないんだよね」

 

「分かってるわ。もし受けたくないのなら、貴女を幻想郷に預ける所だったわ。其処で、冴月麟という子に会えば、便宜を図ってくれるわよ」

 

「ううん。私がやりたいからやるんだよ。それに、この子達の傍に居たいからね。危なくなったら、私や周りの皆と協力しないとね」

 

「ありがとう。それで、案内してくれる?幻想郷の寺子屋って所に」

 

「勿論よ。ようこそ、シズエ・イザワ。私達『ザ・キングダム』へ」

 

こうして、一人の少女の運命が変わった。シズエ・イザワは新たな姿と肉体を手に入れ、そして沢山の仲間と新たな家族と出会う。彼女の人生は、まだ始まったばかりである。

 

──────────────────────

 

~大和編~

 

大和。嘗て第二次世界大戦において、日本が開発した世界最強の戦艦。米軍の戦闘機から爆撃や魚雷を受け続けた後、海の底へ沈没した。

 

かの戦艦は、軈て美しい女性の姿である艦娘へ転生し、海の脅威である深海棲艦と戦い続けている。

 

しかし、大和の今の境遇は良くなかった。何故なら、彼女の所属する鎮守府の艦娘達は、艦娘を指揮する提督によって苦しめられているからだ。

 

「何時まで、この生活が・・・」

 

大和は布団に入り、身体を震わせた。

 

大和は他の艦娘と比べて、特に提督から受けた虐待や性的暴力は数え切れない。その理由は簡単だ。大和が単に提督の好みだからである。

 

何とかしたい。しかし、逆らう事は出来ない。提督の命令に艦娘が逆らえないようにされており、艦娘は提督に手出し出来ない。その為、暗殺を実行しようとしても直前で身体が止まってしまう。それを実行した艦娘は、提督によって即座に慰み物にされた後に解体された。

 

休みは無く、補給も満足に出来ない。食料は全て提督側に持っていかれて、艦娘達は出撃以外で食べ物は提供されない。その為、痩せた者達は多く、栄養失調になってしまった艦娘も多い。

 

しかし、彼女達も酷使されてしまう。

 

大本営の刺客が来ても、提督がこの状況を揉み消してしまう。

 

「・・・皆・・・」

 

大和は片目から涙を流す。すると、大和の隣に黄金の穴が開く。

 

「貴女達艦娘が苦しめられてる鎮守府は此処かしら?」

 

それは、黒いTシャツに『Welcome Hell』と書かれた女性だった。

 

「貴女は?」

 

「私は究極生命体アブソリューティアンの戦士アブソリュートタルタロスの契約者、ヘカーティア・ラピスラズリ。貴女達の運命を変えに来た地獄の女神よ」

 

「じ、地獄!?」

 

大和は恐怖した。提督から苦しめられてる自分達は、とうとう死後の世界から迎えに来たと。しかし、ヘカーティアの背後から二人の人物が姿を現した。

 

「此は此は、随分可愛いお嬢さんじゃねえか」

 

「あ、あの・・・事情を聞きました」

 

一人は大きな鎚を片手に持つ男。彼の周りで、金属が浮いていた。もう一人は背中に巨大なネジ回しが付いた少女だ。一人はハイゼンベルクで、もう一人は『東雲なの』。ある子供の博士が作りかけの所をヘカーティアが回収し、ハイゼンベルクが完成させたのだ。とはいえ、ハイゼンベルクに目を付けられた時点でなのも魔改造される未来しか無いが。

 

「じゃあ、カールとなのちゃんには、この鎮守府で大暴れしてもらおうかしら。艦娘は多少怪我して構わない程度に攻撃して良いけど、殺さない事。但し、提督も殺さないで。ただ、四肢を切断するなり、死なない程度なら好きにして良いわ」

 

「おう。そもそも俺に砲弾なんか当たらねぇよ。おいなの。来な」

 

「は、はい!」

 

「期待してるぜ。お前が宿した『武器人間』の力をな」

 

「あれは苦手なんですが・・・分かりました」

 

そして、ハイゼンベルクとなのは部屋を出て行った。

 

「い、一体何を!?」

 

「この鎮守府は壊滅させてもらうわ。貴女達は此から、私達『ザ・キングダム』に所属させてもらうわよん。拒否権なんて無いわ」

 

「そんな事、させるわけ無い!」

 

大和は拳を振り下ろした。しかし、ヘカーティアは小指で大和の拳を受け止めた。仮にも戦艦の力を持つ大和の拳を、小指で受け止めたヘカーティアを見て、驚愕する大和。

 

そして、外からは大爆発が響いた。

 

「あら、あの二人は始めたようね。此から貴女達艦娘の大半は、大怪我はするけど安心しなさい。あの提督がもたらす地獄を、終わらせてあげる」

 

その言葉を聞いた大和は、その言葉を何故か信じて良い気になれた。そして、大和はヘカーティアの手を握り締めて告げた。

 

「お願いします!どうか・・・艦娘の皆を!」

 

「分かってるわ。恐らく今、艦娘達は提督の指示で動いてるわね。でも提督は、今までしてきた事を後悔するわね。今日限りで、この鎮守府は終わりよ。まあ、あの二人の他にもこの鎮守府に来て暴れさせてる子も居るんだけど」

 

そして外では、文字通りハイゼンベルクとなのによる地獄が始まっていた。




クズ提督を見てると、ジョーカーやペンギンやトゥーフェイスがマシに見えてくるなぁ。彼等が提督になったら、艦娘達は悪に堕ちるけどなんか毎日楽しそうにしてる気がする。権力振りかざして好き勝手する軍人や政治家よりも、法を無視して力を振るうけど仲間を大切にする悪人達が魅力的に見えてしまうのは、仕方無い事なんでしょうね。
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