東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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OP:『ともに(WANIMA)』


勧誘編特別版:更木小夜編・その1

「今日から転校生を紹介します。二人とも、入ってきて」

 

学校の教室で、担任である『筒島香奈子』がそう告げた。そして、教室の扉が開いて二人の少女が入ってくる。

 

「今日からこの学校に二ヶ月だけ転校しに来た藤沢彩菜よ。宜しく」

 

「同じく燕結芽でーす。彩菜おねーさんと同じく二ヶ月だけこの学校に通うよ。おにーさんおねーさん、皆宜しく~」

 

「二人は東京からこの田舎へ引っ越してきたのよ。二人とも、何もない田舎だけど、宜しくお願いね」

 

「はーい♪」

 

「ええっ、宜しく」

 

こうして、結芽と彩菜の転校が完了する。

 

「「ねーねー!」」

 

転校生という事で、早速注目を集める彩菜と結芽。早速双子の姉妹に絡まれる。

 

「二人は東京から来たの!?」

 

「都会はどう!?楽しい!?」

 

求衛ののと、求衛ねねである。因みに三つ編みの髪を向かって右分けにしているのがねねで、左分けにしてるのがののである。

 

「・・・そんなに楽しい訳「楽しいよ。人は多いけど色々便利だし、美味しい店もあるから。それにさ。色んな出来事もあるから私は面白いかな」・・・結芽、盛りすぎよ」

 

「事実じゃん。事件はあるし、若者は騒ぐし、危険も多いけど、だからこそ面白いじゃん」

 

『此だから恵まれた存在は』と、心の中で結芽を罵倒する彩菜。結芽は彩菜の心境に気付いてるが、敢えて無視した。

 

「アンタ、都会が楽しいなら何で田舎に来たんだ?」

 

「親の都合だったのかな?」

 

姉御肌の網埜優花と、クラス委員長の鞆総逸樹が結芽と彩菜に尋ねた。すると、二人の表情が暗くなる。

 

「・・・私は親を捨てたわ。今は親以上の家族は居るけど」

 

「・・・私は捨てられたのかな・・・でも、会いたいなあ・・・ごめん、ちょっと外に出るね」

 

結芽は教室から出た。その場に残るのが少し嫌だったからだ。

 

その時、それを見ていた小夜が立ち上がり、結芽の後を追った。

 

──────────────────────

 

「・・・はあ。駄目だなぁ。お父さんお母さんの事になると何時も此だよ・・・割り切ったと思ってたのに」

 

結芽はグラウンドの木陰に寝転がり、脚を組みながら仰向けに寝ていた。

 

「・・・やっぱり会いたいよ。お父さん・・・お母さん・・・」

 

結芽はその場で横になる。横向きに寝ていた結芽であったが、其処へお弁当を持った小夜が現れた。

 

「此処に居たんですね」

 

結芽は上半身を起こして、現れた小夜を見る。小夜は包みに入った弁当箱を片手に持って、結芽の顔をしゃがみながら見つめた。

 

「・・・おねーさん、何で此処に来たの?」

 

「悲しそうだったので、一緒にお弁当を食べたいと思いました」

 

「・・・慰めなら良いよ」

 

「違います。私が一緒に食べたいんです」

 

「余計なお世話」

 

「いいえ!お腹が空くと嫌な気持ちになります!ほら、どうぞ!」

 

小夜は弁当からタコの形をしたウィンナーを取り出し、箸で摘まんで結芽に差し出す。

 

「いや、私は『グゥゥゥッ』・・・頂きます////」

 

結芽はタコのウィンナーを食べた。寝ながらは行儀が悪い為、草むらに座りながら食べた。

 

「どうですか?」

 

「・・・美味しい」

 

「良かったです!一緒に食べませんか?」

 

「・・・全く、分かったよ」

 

結芽は、小夜が本来の性格でない事は知っていたが、それでもこの優しい小夜も満更ではない程に好きだ。

 

その後、小夜と共に彩菜達と合流し、昼食と午後の授業を終わらせて、帰路に着く。

 

しかし、此処で問題が生じた。

 

「・・・私達、何処で泊まろうかしら?」

 

「あっ・・・どうしよう・・・格安ホテルとかこの辺りに無かったし・・・」

 

そう。住む場所が無かったのだ。かなり致命的なミスをしてしまった。

 

「ヘカーティアに後で文句を言ってやろうかしら?」

 

「・・・でも、ヘカーティアおねーさんがそんなミスする訳無いし、私達を野宿させるつもりも無い筈だし、でもだったら何で住む場所を用意しな・・・あっ」

 

此処で結芽は気付く。

 

「彩菜おねーさん!早く小夜の所に行こう!」

 

「えっ?あっ、ちょっと!?」

 

結芽は彩菜の手を握って走り出す。小夜の住所は既に知っている。『ギモーグ』というカフェの近くにある神社が小夜の住む神社だ。

 

結芽は彩菜の手を握って引っ張りながら走り、小夜の家に向かって行った。

 

──────────────────────

 

小夜の住む浮島神社に到着した二人は、丁度帰って来ていた小夜に住む場所が無い事を結芽が説明した。

 

「住む場所が無いのですか?」

 

「うん・・・私達、親と離れたからさ、親戚のコネで転校して来たのは良いけど、親戚が変なミスして住む場所を用意してくれなかったんだよ」

 

「そうでしたか。なら、父様に相談しましょう。父様なら───」

 

「ああっ。私は構わない」

 

小夜の後ろから、一人の男性が現れた。

 

「小夜の学校に転校してきた二人か?私は更木唯芳という。暫くだが、君達を神社に泊めよう」

 

「ありがとうおじさん。じゃあ彩菜おねーさん、此から宜しくね」

 

「私も、家事とか神社の仕事とか手伝うわ。此から宜しく頼むわね」

 

「はい!結芽さん、彩菜さん!」

 

こうして住む場所を確保した結芽と彩菜。しかし、結芽と彩菜は気付いていた。此こそヘカーティアの狙いである事を。

 

そして、唯芳が人間と妖怪らしき何かの存在である事を。そして、この田舎町が何もかもが偽物である事を。

 

しかし、この勧誘は今までと違って簡単に済む物ではない事だと、後々思い知る事になるのだった。




ED:『REASON(ゆず)』

初めはEDをはっぱ隊の『YATAA!』にしようか迷いましたが、小夜編には個人的にこの曲が似合うと思いました。OPに選んだ『ともに』も、同じく個人的に此れだと思いました。皆さんはどうです?この小説での小夜に合う曲は何だと思います?
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