東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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勧誘編特別版:更木小夜編・その2

結芽と彩菜は、浮島神社に泊めてもらい、共に夕食を済ませた後にお風呂へ入った後、結芽と彩菜は唯芳によって部屋へ案内される。

 

「此処が君達の部屋だ。好きに使うと良いが、掃除は自分達でやるんだ」

 

「大丈夫だよおじさん。掃除なら出来るから」

 

「そうか。では、失礼する」

 

そして、唯芳は襖を閉める。遠くへ行く足音を聞いた彩菜は、掌にある存在を召喚した。

 

「・・・ヒュドラム」

 

『どうも彩菜さん』

 

ヒュドラムと呼んだ青い人型の存在が、彩菜の掌に乗っかって現れた。半透明で掌サイズのヒュドラムは、彩菜に向かって自身の胸に手を当てながらお辞儀をした。

 

「お前には此から、小夜の行方を追って欲しいの。此から小夜が『古きもの』っていう化け物を倒しに向かうわ。ヒュドラムはその姿を見つけたら、私達に伝えなさい」

 

『了解しました』

 

そして、ヒュドラムは赤黒いオーラと共にその場から姿を消した。それを見た結芽は、彩菜のやって見せた分身を見て真似をしてみせる。

 

「スルト。出て来て」

 

『何だ?』

 

すると、結芽の手元に全身が燃える小さな人型の幻獣が現れた。それは、結芽が宿したスルトであった。冠は着けてないにも関わらず、その体は形を保っている。

 

「スルト、出てこれたんだね」

 

『我を宿す者なら当然だ。最も、ウルトラマンという奴等と同じやり方は出来ん。宿す者の許可が必要だ』

 

「そうなんだね」

 

『普通なら鍛練が必要だが、お前は見ただけで会得したのか。凄いではないか』

 

「本当よ・・・今までは念じて話すしかなかったから特訓して会得したのに、アンタ、本当に天才だわ」

 

「えへへっ!いやー私なら当然だよー!」

 

結芽は胸を張る。

 

(ホント調子に乗りやすいわね。此も子供故かしら?)

 

すると、彩菜の頭の中にヒュドラムの声が響く。

 

『彩菜さん。見つけましたよ。どうやら相手は連携の取れる化け物のようです。鳥のような頭と翼を持って、他二体の『古きもの』と闘ってますよ。他にも、どうやら怪獣が二体、小夜さんに襲い掛かっております』

 

「解ったわ。ヒュドラム、“実体化を許可するわ”。更木小夜を援護しなさい」

 

『分かりました』

 

守るのはあくまでも小夜だけだ。エキストラの事は知らない。

 

「ねぇ、結芽・・・結芽!?」

 

彩菜が周りを見ると、結芽の姿は何処にも無かった。代わりに置き手紙があり、こう記されている。

 

『先に行ってる』

 

「ああっ、もう!あのクソガキ!!」

 

彩菜は結芽を追う為に窓から飛び出し、全身から赤黒いオーラを放った後に姿を消した。その時の彩菜の顔は、完全に突っ走る子供を叱る母親のようであった。

 

──────────────────────

 

「貴様等!」

 

小夜は苦戦を強いられていた。羽のあるものと、彼の側に立つ二体の古きもの『羽のあるものの配下』との連携に、追い詰められていたからだ。否、それだけならば小夜だけでも倒す事が出来る。

 

しかし、今回は極めて厄介な点があった。それは、古きものとは違う巨大な生物の攻撃を受けてしまっていたからだ。古きものの連携を受け流すのと同じように、巨大生物の猛攻にも耐えなくてはいけない。

 

『ゴアアアアアアアアッ!!』

 

『キシャアアアアアアッ!!』

 

それは、『どくろ怪獣レッドキング』と、『古代怪獣ゴモラ』であった。二体の身体は小夜の刀をいとも容易くへし折り、どれだけ斬ってもダメージが伝わりにくい。

 

「・・・私は・・・守ると約束したんだ!」

 

その時、小夜の頭の中にある言葉が流れる。

 

『誰と?』

 

「ッ!?」

 

小夜は頭を抑えた。その隙を突いた古きもの達が攻撃に入った、その時だった。

 

『実に醜いですねぇ!このブス共がぁ!!』

 

突然小夜の目の前に目にも止まらぬ速さで謎の人影が迫り、右手に装着した短剣『ダガーヒュドラム』で古きもの達を斬った。古きもの達はあっという間にバラバラとなり、その場に肉片が崩れ落ち、血の雨が降り注いだ。

 

そして、小夜の目の前に現れたのは小夜と同じ身長をした異形の人型生物だった。

 

「お前は!?」

 

『おっと・・・此はどうも。私は俊敏策士ヒュドラムと申します。主である藤沢彩菜さんの命により、貴女を援護しに来ました』

 

「あ、彩菜さんが!?」

 

小夜は驚愕した。彩菜が自分の為に、目の前の古きものらしき相手を送り込んだというのか?

 

『しかし、エクセレント!実に美しいお嬢さんですねぇ!実に『『キシャアアアアアアアアアアッ/ギアアアアアアアア!!』』ぃぃぃうるっせぇんだよギャアギャアギャアギャア!!』

 

しかし、小夜を褒めるヒュドラムの背後からゴモラとレッドキングが鳴き声を上げながら二人に迫り、ヒュドラムはキレながらダガーヒュドラムで攻撃しようとした。しかし、突然ゴモラとレッドキングの頭が、振り下ろされた巨大な炎を纏う剣に斬られた。ゴモラとレッドキングは断末魔の悲鳴を上げながら、その場に横向きで倒れた。

 

そして、上空からスルトの王冠を被った結芽が、炎を纏う侍の鎧を纏いながら落ちてきて、地面に着地した。片手で炎の剣トワイライトを握り締めている。

 

「やっほー小夜おねーさん」

 

「・・・結芽さん?その姿は?」

 

「此?それは後で説明するね。それより今は、ゴモラとレッドキングを何とかするのが先だよ」

 

結芽は剣を握り締めて、ゴモラとレッドキングに向かって走る。二体は起き上がった後に結芽を見て、倒すべき敵であると認識。襲い掛かってきた。

 

結芽はトワイライトの炎を燃え上がらせて、ゴモラの踏み潰しを跳んで避ける。レッドキングの拳が目の前に迫るが、剣でレッドキングの拳を叩き、腕に乗り掛かる。そのまま足を引き摺りながらレッドキングの頭に迫る。

 

「『ラグナスラッシュ』!」

 

トワイライトを勢いよく振り回し、レッドキングの首を斬る。レッドキングの首は切断面から炎を発生させ、そのまま首が落ちた後に身体と首が天を貫く火柱に包まれて、その肉体は焼き払われた。

 

ゴモラは結芽に警戒し始めたのか、唸り声を上げて後退りした。

 

「うーん。なんかつまんない。前のタイタン達の方が強かったなぁ。で、此方はどうかな~。五分間攻撃しないし、その間に私を楽しませてね~」

 

結芽はゴモラに手招きを行う。しかし、その時に小夜がゴモラの片目に飛び乗っており、刀でゴモラの目を突き刺した。

 

『キシャアアアアアアッ!?』

 

ゴモラは悲鳴を上げて、片目を両手で押さえながら湖へ横向きに倒れた。湖の水が吹き飛んで、雨のように結芽達に降り注ぐ。

 

『エクセレント!実に素晴らしい戦いですねぇ!さすがはザ・キングダム最強と呼ばれる『十三組(サーティンパーティー)』の一人です!それに小夜さんも、目を狙うとは実にお見事!流石はヘカーティア様が目を付けただけあります!』

 

ヒュドラムが結芽も小夜を褒めた後、彼の隣に彩菜が姿を現した。

 

「結芽!アンタって奴は・・・って、援護する必要も無かったわね」

 

『彩菜さん。此は私の見立てですが、あの二体の怪獣は送り込まれ、操られてますね。送り込んだ相手は、別に居ますよ』

 

──────────────────────

 

「・・・ふむ。更木小夜を我等が暗黒宇宙大皇帝復活に役立てる巫女として捕らえようとゴモラとレッドキングを送り込みましたが、どうやら上手く行かないようですね」

 

その様子を見ていた者が居た。それは、嘗て幻想郷にやって来てエタルガーを一捻りしたメフィラス星人であった。彼は今、普通の地球人と同じ身長となっていた。

 

「ならばどうする?我々が出向けば全てが程好く進むだろう!()()()()()()()()()()()()!三つが揃えば我等の皇帝は蘇り、全宇宙は我々の物となる!」

 

メフィラス星人にそう叫んだのは、両手がカニのハサミのようになっている宇宙人『テンペラー星人』であった。彼もまた、小夜を狙っていたのである。彼もメフィラス星人と同じく普通の地球人と同じ身長になっていた。

 

「慌てなくても宜しいでしょう。我等の目的は更木小夜。しかし、どうやら更木小夜を狙っていたのは我等だけではないようですね」

 

「ザ・キングダム。それを名乗る組織が二つも居るとはな。まさか古代の闇の巨人も居たとはな」

 

それは完全に想定外の出来事。闇の巨人の強さは、彼等も良く知っているのだ。

 

「ですが、どんな奴等でも我等を止められませんよ。我等の皇帝が蘇れば、全ては無駄となるのですから」

 

そして、メフィラス星人とテンペラー星人は更木小夜と結芽、彩菜を含めた闇の巨人達の監視を続けた。更木小夜を連れ去る機会を伺う為に。




ヒュドラムのキレるタイミングって此れで良かったんでしたっけ?キレないパターンもあったような?

新技集

『ラグナスラッシュ』
使用者:結芽
炎の剣トワイライトを振り回し、相手を斬る。相手の傷口を中心に天を貫く長い火柱を発生させる。
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