東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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日常編・その3:古明地姉妹の寺子屋体験

古明地姉妹は、現在寺子屋に通っている。通っているとは言うが、姉のさとりは教師を一時的に勤め、こいしは暫く生徒の一人として通う事になる。

 

さとり「じゃあ皆。今日はこの子達のお世話をしてみましょう」

 

さとりの授業は、生き物と触れ合う授業だ。さとりのペット達を含めた動物達と触れ合い、彼等と仲を深める授業である。

 

子供A「さとり先生!この兎さん可愛い♥️」

 

さとり「この子は人懐っこくてペットの皆にもなつくのよ。この子は貴女に傍に寄り添ってリラックスしてるから、背中を撫でてあげて。但し、優しく撫でるのよ」

 

子供A「うん!」

 

子供B「さとり先生。猫がいっぱい居るね~」

 

さとり「皆、捨てられた猫達なのよ。私とこいしが全員助けて、今では私達の家族よ。貴男にもなついてるのは、貴男の事を優しい人だって分かってるのよ」

 

子供B「そうなんだ。あははっ!嬉しい!」

 

この様に、さとりの授業は好評であった。さとりの人柄も良いだけあって、寺子屋でも子供達からの人気は高い。

 

そしてさとりは、職員室に戻ってきてある者と話をする。

 

スラン「君、教師を始めて数日だが、早くも人気ではないか」

 

さとり「ありがとうございます。麟さんに教師をやってみるよう言われましたが、やはり大変な事は多いです。でも・・・なんだかくすぐったいですね。昔は色んな人達から嫌われてきた私達覚り妖怪が、此処で教師をしてるなんて・・・////」

 

さとりは照れ臭くなっていた。嫌われるのに慣れてる覚り妖怪である自分達が、此処まで尊敬し好かれるというのはとてもくすぐったいのだ。

 

スラン「君の妹も、寺子屋でもかなり人気者だぞ。明るくて元気な性格だ。私も君の妹と授業をしていると、とても心が癒される」

 

さとり「あの、ご迷惑はお掛けしてませんか?」

 

スラン「大丈夫だ。あの子は良い子だよ」

 

さとり「ありがとうございます。やっぱりくすぐったいです」

 

そして、こいしは生徒として授業を受けていた。今日は音楽の授業、即ち麟が担当する科目の時間である。

 

寺子屋音楽室からは、麟の奏でる六角二胡の演奏が流れ始めていた。そして、演奏を一通り終えると、生徒達から拍手が響く。

 

生徒達『麟先生すごーい!!』

 

麟「そうだよねぇ~僕が可愛いから・・・ってそうじゃなくて、今のようにコツが分かれば演奏は綺麗になるんだよ。皆も、やってみよう。まず、こいしちゃんはどう?」

 

麟は、自分用の六角二胡とは全く別の二胡をこいしに渡して、演奏を勧めた。

 

こいし「でも私、演奏なんてやった事は・・・」

 

麟「大丈夫。僕が教えてあげるから。ほら」

 

こいし「ひゃ!?ひゃああ・・・////////」

 

こいしの弓を握る手に、自分の手を重ねる麟。更に顔も近付けた事で、こいしは顔を赤くしてしまう。こいしの心臓が速く動き始める。

 

麟「ほら、ゆっくりやってね」

 

こいし「う、うん//////」

 

そして、こいしは二胡を演奏する。麟に手解きをされながらも、二胡の音色を奏でていく。

 

麟「そうそう、その調子」

 

こいし「あ、ありがとう//////」

 

こいし(麟先生の顔が・・・近い・・・近すぎて集中出来ないよぉ・・・/////)

 

それを見ていた生徒達の中には、その光景に見とれている者も居た。

 

生徒C(尊い/////)

 

生徒D(最高/////)

 

しかし、中には嫉妬する者も居た。とはいえ、悪い考えを持つ者は居ない。対抗心を燃やしているだけだ。

 

フラン(こいしちゃん・・・例え友達が相手でも絶対に負けない!麟先生は渡さないよ!!)

 

特にフランは、対抗心が誰よりも強かった。

 

──────────────────────

 

古明地姉妹が寺子屋に通ってから一週間が経過した。姉妹は寺子屋に馴染んでいき、生徒の保護者からの人気も高まっていた。

 

こいしが人里で鶏肉の屋台にやって来た時も、おばさんがサービスしてくれた。

 

おばさん「ほら、持って行きな。一本サービスしてあげるよ」

 

こいし「わぁ!おばさんありがとう!」

 

おばさん「良いんだよ。もうアンタ達を怖がる奴なんて居ないよ。それに、アンタが良い子なのは誰もが知ってる。それに・・・」

 

こいし「っ?」

 

おばさん「麟ちゃんの事、好きなんだろ?」

 

こいし「ッ!?な、何でそれを・・・///////」

 

おばさん「たまに寺子屋を通り掛かって授業の様子を見るんだけど、露骨なんだよね。アンタが勉強しながらも麟ちゃんを意識してるのは」

 

こいし「うう・・・だって、あの時暴走した私を助けてくれて・・・本当なら嫌われてる筈の私達に此処まで優しくしてくれて・・・そんな人を好きにならない筈が無いよ」

 

おばさんが笑う。

 

おばさん「ふふっ。そりゃ良かったよ。アタシも昔さ、結婚する前に教師を好きになってさ。好きになったけど、告白出来ずに夜は泣き続けたもんさ。卒業してから漸く告白したら、そのままゴールイン。そして今に至るのさ。つまり、昔のアタシと似てるんだよ。今のアンタは」

 

こいし「えっ・・・そうなんだ」

 

おばさん「麟ちゃんを狙ってるのは女の子だけじゃない。酒屋の長男、漁師の次男、寺子屋の教師達や生徒達、それにアタシの息子達も告白しに行ったけど、全員フラれちゃったよ。でも誰一人として諦めちゃいないんだ。アンタもそうだろ?息子達には悪いが、諦めずに戦うんだよ」

 

こいし「・・・おばさん、ありがとう!私、頑張るね!」

 

こいしは串焼きを持ったまま走り出す。其処でフランが黄金の穴から姿を現し、こいしと鉢合わせする。

 

フラン「あっ、こいしちゃん!今、ぬえちゃんも勧誘してザ・キングダムに案内してたから、此からこいしちゃんも交ざって────」

 

こいし「・・・フランちゃん!」

 

こいしはフランに迫る。フランはこいしの迫力に思わず身を後ろに反らす。

 

フラン「な、なに!?」

 

こいし「麟先生は渡さないよ!!私、麟先生の事が大好き!!フランちゃんは好きだけど、此からは友達であり恋のライバルだね!!」

 

フラン「っ!!そう・・・でも私も負けないよ!麟先生はこいしちゃんにも渡さないからね!!」

 

二人の間で、お互いの目から放たれた電撃がぶつかり合う。親友であり、恋のライバルとなった二人が睨み合っているのだ。

 

おばさん(頑張れ。二人とも。それに、息子達も上手く行くと良いね。ぐずぐずしてると、麟ちゃんが誰かの物になっちゃうよ)

 

おばさんはそんな様子を見て、心の中で応援をした。フランやこいしだけでなく、自分の息子達に対しても。

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