クリスマス。冬のメインイベントの一つである。
そして、麟が目を覚ましてベッドから起き上がる。二階の寝室で寝ていた麟がベッドから起き上がり、寝間着から普段着に着替えようとした。
麟「・・・ん?何だ此れ?」
麟は木製の床に置いてあった箱を見る。リボンで結ばれた箱だ。更によく見ると、箱には手紙が付いている。それを麟は知っていた。クリスマスのメインであるプレゼントという物だ。
麟「もしかして、子供達が期待しているサンタさん!?でも、僕の所にも来てくれるなんて・・・僕が可愛いからかなぁ♥️えへへ~♥️」
萃香「おーい麟!」
萃香が襖を開けて入ってきた。片手でプレゼントのリボンの部分を掴んでいる。
萃香「今日紅魔館でクリスマスパーティー開くってよ!お前も一緒に行こうぜ!」
麟「す、萃香!見て此れ!サンタさんからプレゼント貰ったんだよ!」
萃香「えっ!?お前も!実は私も貰ったんだ!」
萃香がプレゼントを見せる。手紙は挟まってない。
麟「萃香も!?手紙はもう読んだの?」
萃香「手紙?なんだそりゃ?」
麟「えっ?じゃあ、此は何?」
麟はプレゼントに挟まってある手紙を取り、内容を確認した。
『冴月麟君へ
この前はゴーデス細胞の異変で共に戦い、そしてサマーイベントへ参加して頂いてありがとう!お世話になったお礼として、不法侵入しながらクリスマスケーキをプレゼントを届けに来ました。勿論麟君だけでなく、同棲されている萃香さんやラステルさん、シズさんに恵里ちゃんにもプレゼントを用意しています。今後もザ・キングダムの活躍と健康を遠くから祈っています。もしもの時は、ウルトラサインでも何でも送ってください。ウルトラマントリガーとして、何時でも駆け付けます
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン・サンタ・ライダーより』
それを見た麟、更に見せられた萃香は、手紙とプレゼントを贈った相手の正体を理解した。
麟「イリヤちゃんだったの!?凄い!プレゼント届けに来てくれたんだ!」
萃香「成る程な!って、待てよ・・・あっ!」
萃香は青ざめる。二階に来る時、箱をかなり激しく揺らしてた。もしかしたら中身のケーキは・・・。
萃香「と、取り敢えず開けるか」
麟「待って萃香。食堂で開こうよ。崩れてても良いから、皆でケーキ食べようよ」
萃香「お、おう・・・」
涙目の萃香を連れて、一階に向かう麟。因みに冴月家の階段は、一段一段が広くて浅いのだ。
更に、あの手紙には追伸が記されていた。麟や萃香が確認してなかった部分だ。
『※どれだけ振り回しても、中身は崩れないから安心してね』
そして手紙が、他にももう一つ、イリヤの手紙の下にあるのを、麟は見逃してしまった。
そして、食堂に五人が集まった。現在麟の家に居候する萃香を含めた、ラステルや恵里、そして新しい住人であるシズエ・イザワである。シズさんは寺子屋で教師を勤めており、寺子屋でも子供達から大人気である。
そして、五人はプレゼントの中身をそれぞれ開けた。
麟「クリームベースだ!シンプルだけど美味しいんだよね!」
麟のプレゼントのケーキは、生クリームをたっぷり使った大きなケーキだ。上にはイチゴだけでなくブルーベリー、更にサンタクロースの人形が飾ってある。
萃香「良かった・・・崩れてなかった・・・」
萃香のケーキはとてもリッチなチョコレートベースだ。シックなブラウンカラーのケーキは、大人びた雰囲気を醸し出していた。そして萃香のチョコレートケーキは、フランスの伝統的なクリスマスチョコケーキである『オペラ・タイプ』と呼ばれ、甘さの中にある苦味が大人の味わいを醸し出していた。
ラステル「此れがケーキ・・・本当な美味しそうね♥️」
ラステルのプレゼントされたケーキは、フランスの伝統料理である『ブッシュ・ド・ノエル』だ。薪のような形状をしたロールケーキであり、恋人へのクリスマスプレゼントを買えなかった貧しい青年が、薪をプレゼントした事から誕生したという説もある。
シズエ「本当だね♥️美味しそう♥️早く食べたい!」
恵里「シズさんは本当に食べるのが好きなんだね。僕も食べるのは好きだよ。勿論麟先生と食べるのはもっと好きだよ♥️」
シズエと恵里のプレゼントのケーキは、シンプルなイチゴのショートケーキだ。板チョコには、イリヤがサンタ姿となってウィンクをしながら『メリークリスマス』と吹き出しで喋っている絵が描かれている。
勿論、配った者達は此れを運んだ筈だが、何故か麟や萃香、ラステルには別のケーキが入っている。
麟「あれ?僕と萃香、ラステルさんは別のケーキなのに、シズさんと恵里ちゃんは同じだね?」
萃香「なんでだ?あっ。なあ、麟。その手紙の下になんかあるぞ?」
麟「あっ、ホントだ。何だろう?」
麟は手紙の下にある手紙を手に取る。その手紙の送り主の名前が刻まれていた。
麟「ノア?まさか!?」
麟は箱を再び開けた。ケーキは入ってなかったが、手紙を翳した瞬間、なんとイリヤの手作りケーキが出現したのだ。
麟「そうなんだ・・・萃香、ラステルさん」
萃香「おう!」
ラステル「お願いね」
麟は二人の箱にも手紙を翳す。そして、二人の箱にもイリヤの手作りケーキが出現した。
麟「・・・ヘカーティアの親友からもプレゼントなんて、なんか照れ臭いや」
萃香「それで、手紙は?」
麟「どれどれ・・・」
『冴月麟へ
ヘカーティアがご迷惑をお掛けしてませんか?そちらのクロエ───いえ、ベルの事も聞きました。皆と上手くやれて良かったです。此方のケーキ二つは、ベルがお世話になったお礼として、他の世界のイリヤのプレゼントと共に贈らせて頂きます。幻想郷の皆様にもお配りしたかったのですが、生憎此方の仕事の都合により、上手く手が回らず、申し訳ございません。ですが、どうか贈ったケーキは皆様で食べてください
ノアより』
麟「──だって」
萃香「そりゃ良いな。此から紅魔館でクリスマスパーティーがあるんだ。こんなにデカイケーキは私達だけじゃ喰えないから、皆で喰おうぜ」
麟「そうだね。じゃあ皆、此から紅魔館に行くよ!」
全員『おー!』
こうして、麟達は紅魔館に向かった。クリスマスパーティーを楽しむ為に。因みに、ケーキは二つ同時に箱へ入れても、混ざる事も崩れる事も無かった。
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クリスマスの夜。紅魔館に、幻想郷各地から多くの人妖が集まった。霊夢や魔理沙、輝夜にアリス、幽々子や妖夢、永淋に鈴仙、妹紅に慧音、阿求に小鈴、チルノに大妖精、文にはたて、椛に早苗、神奈子や諏訪子等々、現在の幻想郷の勢力から大半が集まっていた。
パーティーの主催者である紅魔館当主、レミリアがワインの入ったグラスを片手に持ちながら現れる。
レミリア「この度、紅魔館主催の幻想郷クリスマスパーティーに参加頂き、ありがとう。今日は咲夜のフレンチ料理や美鈴の中華料理、そして今回のゲストとして商いを営むデュークを今夜限りの専属料理人として雇ったわ。皆、思う存分楽しんで行って頂戴」
そして、食堂の中央に備えられた調理スペースで座りながらデュークが語る。
デューク「何でもご注文くださいませ。材料は揃えましたので、どのような注文もお引き受けいたしましょう」
咲夜「この私が腕によりを掛けて、皆様をご満足させましょう」
美鈴「皆様、どうかご賞味ください」
レミリア「それじゃあ、乾杯の挨拶をするわ。幻想郷、クリスマスの日を祝って!」
全員『『『乾杯!』』』
こうして、幻想郷でもクリスマスを迎えた。聖夜が素晴らしき日となるように、お祈りいたします。
クリスマスパーティーの詳細は、日常編にて公開します。