東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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後日談・その5:氷の女戦士

「・・・此処は?」

 

グロムは目を覚ました。目を覚ました時に見たのは、プロペラのような物が回っている天井だった。起き上がって周りを見渡すと、和室に敷かれた布団で眠っていた事を理解する。自分は先程まで、ウルトラマン達と闘っていた筈だ。

 

「あっ!目を覚ましたのね!」

 

グロムは声と障子の開く音がした方向を見る。其処には、先程タイガに変身していたサニーの姿があった。更に、サニーだけでなくルナやスター、霖之助に朱鷺子、焼肉屋で一瞬見かけた少女達も居る。

 

「やぁ。君はあれからずっと眠ってたんだよ」

 

「私が?此処は何処?」

 

「永遠亭という診療所だよ。貴女は丸二日も眠ってたんだよ。その間、霊夢達にも色々説明しに回ったよ」

 

霖之助が説明した。

 

「・・・私、どうしたのかしら?途中から何もかも分からなくなったのだけど・・・苦しくて苦しくて、でも、途中から」

 

すると、サニーの肩に小さくなったタイガが乗って現れた。

 

『お前は誰かの闇の力で暴走しそうになってたんだ。だから、俺達の光で浄化したのさ。幸いにも、アンタ自身が闇落ちした訳じゃ無かったから、こうして助けられたけどな』

 

「そうよ。でも、貴女の闇が浄化されてから、元の人間の姿に戻って倒れたのよ!それで皆で一緒に、永遠亭まで運んだのよ!」

 

サニーが説明した。グロムは全てを理解する。自分は闇に堕ちて、この人達が助けてくれた。

 

「・・・そうだったのね。私、貴女達に助けられて。ありがとう、なんか全てスッキリした気がしたわ」

 

すると、霖之助の肩に立って乗る小さなヒカリが、グロムに今後について尋ねた。

 

『それで、君はまだ戦うのか?父のグローザムの仇を討つのか?』

 

「・・・それはもう良いわ。貴方達に助けられたのに、仇で返す真似なんか出来ないわよ。それに、元々私はグローザ星系人の、特に父さんのやり方にずっと疑問を抱いてたの。でも、父さんの事は尊敬していたから、父さんを殺したウルトラマン達が憎くて、でも憎み切れなくて・・・そして今分かったわ。父さんを殺された事は忘れない。でも私は、もう恨む事はしない。エンペラ星人の復活も、絶対に止めて見せる。ヒカリと言ったわね。メビウスというウルトラマンに会ったら、伝えてくれるかしら?『もう気にしないで。私は貴方達を恨まないし、仲良くして行きたい』って」

 

その時のグロムは憑き物が落ちたように溌剌としており、笑顔はまるで南極を照らす太陽のように優しい物へ変わっていた。

 

『分かった。メビウスにもそう伝えよう』

 

そして、ヒカリはウルトラサインを送る準備を行った。

 

「改めて紹介させて。私はグローザ星系人のグロム。グロムと呼んで頂戴」

 

「僕は森近霖之助。香霖堂の店主だよ」

 

「私は朱鷺子。霖之助のお姉ちゃんだよ」

 

「僕は冴月麟です。宜しくお願いします」

 

「伊吹萃香だ。宜しくな」

 

「ルナサ・プリズムリバーよ。この子達は、妹達のメルランにリリカ、そしてレイラよ」

 

「「宜しく!」」

 

『グロムお姉ちゃん、宜しくね!』

 

「ミスティア・ローレライです。宜しくお願いします」

 

「幽谷響子です!宜しくお願いします!」

 

「サニーミルクよ!光の三妖精のリーダーよ!サニーで良いわ!」

 

「ルナチャイルドよ。ルナで良いわ」

 

「スターサファイアよ。私もスターって呼んで頂戴」

 

「ええっ、宜しくね」

 

麟達の自己紹介を聞き終えたグロム。しかし、此処である問題が浮かび上がる。それは、グロムの今後であった。復讐心を乗り越え、エンペラ星人復活もさせないと決意した。しかし、今後どうやって生きていくか分からなかった。

 

「私、今後どうやって生きて行こうかしら?此処で暮らしてくか、外の世界の地球で──」

 

すると、彼等の前にスキマが開き、其処から紫が姿を現した。

 

「それなら良い所がありますわ。私、モナークにも顔が利くので、其処で貴女の事を紹介しようと思うの。貴女の強さは証明されましたし、もう貴女が危険な存在でなくなった事は確認しましたわ」

 

「紫、モナークって?」

 

「モナークは、外の世界でタイタン達を監視する組織の事よ麟。ゴジラやコングを含めた、タイタン達が暴れ出したら、軍隊と協力して止めるのも彼等の役目。貴女の紹介文も送りましたし、きっと受け入れてくれますわ」

 

グロムは、少し考えた。最近では、地球人の組織に所属して共に暮らす宇宙人も多いと聞く。

 

「・・・分かったわ。モナークって組織に案内して頂戴。タイタン、確かこの地球の怪獣達ね。それなら私の力も役に立つわ」

 

「ありがとうございます。では、案内しますわ。それに、幻想郷で宴会が開かれれば、グロムさんも案内しますわ」

 

「ありがとう。それに、皆もね。外の世界に居るけど、たまに此処へ遊びに行くわ。此からも宜しくね」

 

こうして、グロムは紫の案内で外の世界へ向かった。紫によってモンスターバトル以外では戦わない不戦の契りを交わし、麟達とも友になったグロム。そして、モナークに案内されてから数ヶ月が経過した頃。

 

──────────────────────

 

「グロム、今度はティアマトの監視を頼む。彼女が再び目覚めて暴れないよう見張ってほしい」

 

「ええっ。分かったわ」

 

グロムはモナークに所属した。現在彼女は、モナークの中を自由に動き回っており、世界各地のタイタン達を監視して回っている。

 

彼女もやりがいを感じており、地球人と共に暮らして幸せを感じていた。

 

「お疲れ様。グロム」

 

「あらリック。今回も同行するのかしら?」

 

「勿論だよ。君は自由にする他無いけど、まだ国連やモナークの上層部の中には、君を完全に信用してない人達が多いから、監視を命じられてるんだよ」

 

「それも無理は無いわね。でも私は、地球人に何もするつもりは無いわ。信用を勝ち取って、この星をエンペラ星人の復活を目論む奴等から護ってやるわ」

 

グロムはそう決意した。地球人とタイタン達が共に生きていくこの地球を護る為に戦うと誓った。

 

(この星を闇の皇帝に落とさせない!フェレス、貴男がこの星に攻めるつもりなら、返り討ちにしてやるわ)

 

グロムは拳を強く握りながら、ティアマトが眠りに入った場所に建設されたモナーク基地に向かった。




此れにて後日談は終了です。次回はクリスマスパーティーの主な詳細、更にその後は新しいシリーズ『古明地さとりは動かない』をやりたいと思います。そして、恒例企画『王様ゲーム』も!
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