古明地姉妹は人里中の家を訪ねて、事の詳細を説明した。子供達の親にも説明し、年越しには鏡を含めた自分の姿が映る物を見せないように伝えた。
勿論、麟にも伝えた。その時に買い物をする為に人里へ来ていた咲夜も合流した。
麟「解ったよ。僕からも人里中に伝えるし、霊夢にも僕から伝えておくよ」
咲夜「私も、お嬢様や妹様にもお伝えしますわ」
こいし「フランちゃんの事、お願いしますね」
咲夜「ええっ。勿論ですわ」
古明地姉妹は人里中の家に伝え終わったが、いつの間にか真夜中になっていた。
さとりはこいしと共に宿へ戻り、年越し蕎麦を食べ始める。
そして、年越しまで後二分までの所で、さとりはこいしと共に怪獣娘形態に変身した。さとりは背中に無数の突起物を生やしたローブを身に付けた、ブルトンの怪獣娘形態へ。こいしはグリーザを纏ったが、以前とは姿が変わっていた。
背中に異形の翼が展開されているが、背中から生えているのではない。浮いているのだ。そして天女のような着物姿を身に付けたが、着物は嘗てこいしが纏ったグリーザのスーツのようなデザインとなっていた。
そして、さとりは近くにあった鏡に手を伸ばそうとした。しかし、此処でこいしが悲鳴を上げる。
こいし「いやぁ・・・いやぁ・・・」
さとり「こいし!?どうしたの?」
こいし「お姉ちゃん・・・あれ・・・」
さとりはこいしが指差した方向を見た時、あまりの恐怖に声を出せなくなる。
其処には姿見があった。其処に映っていたのは、腰を抜かして床に座り込むこいしと、その場で姿見を見つめるさとり。この部屋には二人しか居ない。さとりとこいしのみであり、夜中である為に誰一人として部屋に入れないように次元を遮断している。にも関わらず、姿見に映る者は二人だけではなかった。
さとり「・・・私達家族に手を出すなぁ!!」
さとりは、その姿見に映る相手にそう怒鳴る。
その姿見に映るのは、黒い烏のような頭を肩から二つも生やし、背中から烏のように黒い鳥の翼を生やす妖艶な美貌を持つ女性だった。
こいし「まさか、こいつの仕業!?」
さとり「っ!こいし!目を閉じて!」
二人は両目を閉じた。さとりは姿見越しであるものの、悪魔の心を読んだのだ。
このまま姿見を見続ければ、自分達の魂を悪魔が貰って行き、そのまま姿見を含めた映る物から通じる世界で、悪魔は自分達の魂をその場で殺害し、未来で同じ様な殺され方をさせる運命にしてしまう。さとりはその企みを見抜いたのだ。そして、
悪魔『流石ですわ覚り妖怪。このまま私の姿を見続ければ、今頃私に魂を取られてしまう所でしたわね』
その言葉と共に、部屋中に漂う気配が消える。
さとり「・・・ハッ!」
さとりは目を開ける。その際に時刻を見たが、深夜0時を過ぎて五分も経過しており、さとりは助かった事に安堵する。
さとり「・・・」
こいし「・・・お姉ちゃん」
さとり「大丈夫よ。真名を知った私は、奴にとって脅威の筈よ。でも・・・怪獣を宿した私達が弄ばれそうになるなんて・・・」
さとりは何となくで分かっていたが、今姿見に映った悪魔は、確実にタイタンより格上の存在だ。
そして、前に父親から聞いた事がある。悪魔は決して殺す事は出来ず、真名を知る者ですら悪魔を祓えても殺す事は不可能との事。
あの悪魔は、何故年越しに映る物を介して姿を現したのかは不明だが、少なくとも録でもないのは確かだ。
此は麟や霊夢にも伝えるべきだろう。
さとり「・・・取り敢えず、こいし。新年、明けましておめでとう」
こいし「・・・うん。明けましておめでとう、お姉ちゃん」
二人は気まずい雰囲気であるが、新年が開けた挨拶を行った。
因みに登場した悪魔は、今後も暴れさせる予定です。
良いお年を。そして、明けましておめでとうございます。