東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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一面はナズーリンなのは変わりませんが、メンバーがまあ強いです。


第173話

魔理沙は成美と共に飛んでいた。魔理沙は相変わらず箒に乗っているが、別に無くても飛ぶ事は出来るようになった。しかし、箒に乗る理由は単純だ。自分のアイデンティティーである為だ。

 

「ねえ魔理沙、この方向で合ってるの?」

 

「ああっ。この方向から怪獣の気配がするんだ!それに妖怪の気配も混じってる。数だけなら対応出来るが、一番厄介なのが、怪獣宿した妖怪だからな」

 

「人間も怪獣宿せば工夫してくるけど、それは妖怪達も同じ。それも人間と同じ位に賢いなら尚更だね。怪獣を宿しても本能のままに暴れなかったら、かなり危険だよ」

 

下手をすれば、工夫してくる分、下手に暴れまわる怪獣や妖怪より厄介だ。

 

と、成美がそんな事を言った時だった。

 

『ゴアアアァァァァッ!!』

 

突然、地上から跳んできた三十メートルの二本の腕のみの巨大な怪獣。魔理沙と成美はそれぞれの怪獣娘形態に変身した。魔理沙は電光を纏う背鰭を背中に生やした、力強き怪獣の意志を感じさせる緑がかったドレスを身に付ける。成美は笠が無くなった後にウルトラマンを思わせる赤と銀のスーツを身体に身に付け、肩や腕には金色の金属甲冑を装備し、胸元に青い宝玉が埋め込まれている。魔理沙は最強のゴジラ『ゴジラ・アース』から産まれた『ゴジラ・フィリウス』を。成美はウルトラマンダイナを模して開発された人造ウルトラマン『テラノイド』。

 

「まさか、前に麟を犯したスカルクローラーか!」

 

「魔~理~沙?本人が居なくてもそんな事を言ったら駄目でしょ?」

 

「わ、悪かったぜ・・・でも麟の奴、スカルクローラーに凌辱されたのに平然としてたな」

 

「・・・麟って確かに図太いよね。普通なら快楽負けするかショックで死にたくなるのに」

 

「でも初心(うぶ)なんだよな」

 

「だよねー。触手に気持ちよくしてもらったのにねー」

 

魔理沙と成美は余裕そうだ。スカルクローラーは舌を伸ばしたり、跳躍したりするが、二人に当たらない。

 

「そらよ!『マスタービーム・サンバ』!」

 

魔理沙は背鰭から放った電光を片手に持つミニ八卦炉に集束させて、一気に解き放つ。更に花火のように無数の星を周囲に撒き、更に魔法と熱線を合わせた熱線は撒き散らした無数の星を纏いながら、スカルクローラーに向かっていく。

 

スカルクローラーに熱線が直撃し、スカルクローラーは大爆発に巻き込まれた。

 

「やるわね魔理沙」

 

「ああっ!パワーなら誰にも負けないんだぜ!」

 

そして、爆煙の中からスカルクローラーが横転しながら飛び出して、ひっくり返った状態になって二本しか無い両腕をばたつかせる。

 

「結構タフだな」

 

「魔理沙の熱線、山を穿つ位なのに、なんかタフ過ぎるよ」

 

「それはそうさ。そのスカルクローラーは僕が使役しているんだからな」

 

そして、魔理沙と成美に話し掛ける者が姿を現した。それは、鼠の耳と尻尾を持つ少女だ。

 

「次から次へと・・・お前は?」

 

「人に名前尋ねるなら・・・まあ良いさ。僕はナズーリン。君達の狙いは、聖輦船だね?あれは魔界に向かっているんだ。僕にとってはどうでも良い存在だが、ご主人が聖の奴を迎えに行こうとしてるんだ。だから、もしこのまま進むなら、此処で倒させてもらうとするよ」

 

そしてナズーリンの姿が変化した。頭や鼠の耳と尻尾はそのままだが、背中には銀色の金属で出来た背鰭が装着され、胴体には銀色の甲冑を身に付けている。それは、ナズーリンが宿した怪獣『ロボネズ』だ。四肢も機械的になっている、更に、ナズーリンは先程のスカルクローラーに跨がり、下半身を溶け込むようにスカルクローラーに重ねて一体化した。

 

「さあ、来なよ。僕とスカルクローラーの最強形態『スカルネズ』を倒せるかな?」

 

「いやお前が背中に下半身埋めただけかよ!?でも、前の秋姉妹の『プラズママイナズマ』みたいに見た目で判断しないぜ!弱そうな箇所を・・・」

 

「えっ!?魔理沙待って!」

 

「狙えば良いんだよ!」

 

魔理沙は箒に跨がり、その機動力でスカルネズの頭上に回り込み、背鰭から放った電光をミニ八卦炉に集束させた後にマスタービームを放つ。音速を遥かに超えた速度で熱線はスカルネズの背中に居るナズーリンに迫り、直撃し、大爆発を起こした。

 

「油断しないぜ!お前を狙えば効くだろ?でもモンスターバトル始める前に攻撃しちまったから、もしかしたら殺してるかもな。悪いが、もし死んじまってたら後で墓を作らせてくれよ。気絶してるだけなら、後で永遠亭にでも──」

 

「何を言ってるんだい?」

 

その瞬間、魔理沙。箒が爆煙から伸びてきた舌に巻き付かれた。そして、魔理沙はそのまま地面に叩き付けられてしまったのである。

 

「がぁっ!?」

 

「魔理沙!」

 

舌が離れた事で拘束が解かれ、腹を押さえる魔理沙に近付く成美。成美に抱き抱えられて立ち上がる事が出来た魔理沙は、爆煙が晴れて現れたその姿を見た。其処には無傷のスカルネズが居たのだ。しかも、狙われた筈のナズーリンは体が焦げてるだけで痛がる様子は無い。

 

「ハハッ。あからさまな所を狙ったのにな。私ったら油断してたぜ」

 

「まあ、あの背中のナズーリンって子を狙えば良いってのはよく考える方法だけど、そんなにダメージが無かったのは予想外だったね」

 

確かに、巨大な生き物に寄生する者を狙い撃てば確実に倒せる又は体から飛び出した心臓部を狙えば良いというのは、当然の考えとも呼べる。しかし、ナズーリンにはそれが通用しなかった。

 

「いや、ちょっと痛かったよ。でも、さっきのはあまり食らいたくないね」

 

「ハハッ。余裕そうな癖に何を言ってんだよ」

 

「兎に角、どうにかして弱点を探さないとね!さっきの魔理沙みたいにごり押しでも良いけど、このままだと此方が押し負けるよ」

 

「だろうな。でも何者だ?彼奴、怪獣宿しただけじゃないな?一体・・・」

 

魔理沙は成美と共に、スカルネズの前に立つ。

 

「さあ、来い!」

 

『ガアアアァァァァァッ!!』

 

スカルクローラーも咆哮を上げながら、空を飛び始めた魔理沙と成美を睨む。




新技集

『マスタービーム・サンバ』
使用者:魔理沙
マスタースパークと熱線を合わせた熱線から無数の星を撒き散らし、その星を身に付ける事で熱線による貫通だけでなく、無数の星による畳み掛け攻撃も行える。

『スカルネズ』
使用者:ナズーリン
ナズーリンが怪獣娘形態となり、スカルクローラーと妖術で融合する事で変身する姿。ナズーリンの意志で自在に動かせるが、ナズーリンだけで対処出来ない場合はスカルクローラーの意志が自動で働く。スカルクローラーの背中に怪獣娘形態となったナズーリンの下半身が埋まった姿である。弱そうに思えるが、魔理沙のマスタービームを押し返す程の火炎に加え、跳躍力と機動力が増し、更には成美の光線技や拳、蹴りすら通さない防御力を持つ。背中のナズーリンを狙って攻撃しても、ナズーリン自体にもスカルネズの防御力が影響している為、並大抵の攻撃では意味が無い。
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