東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

176 / 261
第176話

スカルネズが走り出す。二本のみの脚で走り、魔理沙と成美に迫る。

 

「『剛力不動打』!」

 

成美が全身から放つ光エネルギーと魔力を右手に込めて、右手を強く握り締める。そして、スカルネズのスカルクローラーの頭部を殴り付けた。

 

「ぐっ!やるな!なら此れで!」

 

スカルネズが立ち上がった後、体を回転させて尻尾を振り回し、魔理沙を狙う。魔理沙は高い機動力で真上に飛んで避けた後、背鰭を輝かせた。

 

「『ミルキーサンダー』!」

 

魔理沙は箒に乗ったまま逆さまになって、輝く背鰭から無数の星や熱線を放つ。そして、スカルネズの全身に星々や熱線が次々と直撃し、爆発を繰り返す。

 

「効かないよ!」

 

スカルネズが爆煙の中から出てきた。

 

「『スカルフレイム』!」

 

スカルクローラーの口から炎が吐き出される。

 

「『ソルジェント光線』!」

 

成美が腕を十字型に構えて、真っ直ぐにした右手から光線を放った。火炎と光線がぶつかり合うが、スカルネズはその場で跳躍してスカルクローラーの口を開ける。

 

「ッ!しまった!」

 

「させるかよ!『プラズマスターブレイド』!」

 

魔理沙は箒の機動力を利用して尻尾を振り回し、プラズマの刃をスカルネズに向けて放った。

 

「何っ!?がっ!?」

 

スカルネズの尻尾を斬り落とされ、スカルネズはその場に倒れた。

 

「今だ成美!」

 

「全力全開!『ソルジェントゴーレム』!」

 

成美はソルジェント光線を放つ。ナズーリンは避ける暇すら無かったが、スカルクローラーが体を動かして避けてくれた。真っ直ぐ飛んでいく筈だった。

 

「無駄よ!」

 

成美がそう叫んだ瞬間、ソルジェント光線が曲がってスカルネズに迫る。

 

「なぁにいいぃぃぃ!?」

 

そして、スカルクローラーの背中と下半身を一体化させたナズーリンに直撃した。光線が当たり続けて、ナズーリンの肉体か熱された鉄のように赤く染まっていく。スカルクローラーも断末魔の叫びを上げるが、更に魔理沙が追い討ちを掛けた。

 

「全力全開!『ファイナルマスターバースト』!」

 

魔理沙が全力全開の一撃を放つ。背鰭から今までで一番大きな電光の輪を展開し、ミニ八卦炉に溜め込んでいく。そして、音が掻き消えると同時に、魔理沙は赤く染まった極太熱線を放った。

 

(…負けたよ。完全敗北だ)

 

そして、スカルネズは光線と熱線の二つに直撃して、大爆発を起こした。二人も巻き込まれて吹き飛ばされる程の大爆発は、まるで原子爆弾が投下されて爆発したかのような大爆発を起こし、幻想郷の空をも突き抜けるキノコ雲が出来上がったのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

爆煙が収まると、焦げた地面に仰向けに倒れた魔理沙と成美の姿があった。更に、焦げた地面の中心には、スカルクローラーから離れたナズーリンが気を失っていた。スカルクローラーは息をしているが、動く気配は無い。

 

「……おい、生きてるか?成美」

 

「うん…魔理沙は平気?」

 

「何とかな。で、彼奴は?」

 

二人は起き上がってナズーリン達を見た。ナズーリンは元の服装に戻っており、スカルクローラーも息はしてるが意識が無いのか起き上がる気配が無い。

 

「いやぁ、神奈子やこいしの後だから苦戦しないだろうと思ってたけど、此処までやらなきゃ倒せなかったなんてな。でも結局、此奴から空飛ぶ船が何処に行ったのか聞き出せなかったな」

 

「聖輦船でしょ?でも、今から空を探せば間に合うよ。でもその前に………」

 

成美は空を見上げた。魔理沙も同じく空を見る。

 

すると、空は大きな渦巻きの雲で形成されている。その中心となる場所では竜巻が発生し、風も強くなり雨も降り始めた。

 

「台風!?幻想郷でか!?」

 

「明らかに普通の自然現象じゃないね。あっ!魔理沙、あれ!」

 

成美が指を差した。指を差した先の上空では、霊夢が早苗と共に傘を回転させ続ける少女と戦っていた。しかし、状況を見る限り、苦戦しているようにも見える。

 

「ありゃ小傘か!あの台風も小傘が起こしてんのか!?」

 

「不味いよ!あんな台風、完成したら幻想郷が吹き飛んじゃう!魔理沙!援護しないと!」

 

「……いや、霊夢と早苗に任せるよ」

 

「えっ?」

 

「霊夢はこんな程度でやられる奴じゃない。それに早苗も居るし、二人ならこんな状況もすぐに何とかしてくれるぜ。私は二人を信じるよ!」

 

「魔理沙…分かったよ。此処は霊夢達に任せよう」

 

「ああっ!」

 

魔理沙と成美は暴風と豪雨の中、空に向かって飛び始める。ナズーリンの言っていた聖輦船を目指す為に。

 

そして、霊夢と早苗は小傘を相手に苦戦をしていた。それは、小傘と出会う数分前まで遡る。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

霊夢と早苗が並んで空を飛んでいた。今日は曇りの日で、二人は雨が降らないか心配であった。

 

「霊夢、ちゃんと休みは取ってるの?」

 

「定期的に取ってるわ。前に5日も休まず修行をしたら紫やアリスに怒られたのよ」

 

「当たり前じゃない……何を考えてるのよ。ちゃんと休まなかったら倒れるわよ」

 

「……ごめん、早苗。やっぱり私、まだ気にしてるのよ。ガメラさんや魔理沙、フィリウスの力が無ければルーミアを助けられなかった事。フランやこいしも自分だけじゃなんとか出来なかった事も。私がもっと強くならなきゃ、そう思ったらつい…………」

 

「……霊夢。年上として言わせてもらうわ。貴女は張り詰め過ぎなの。そんな風に思い詰めるのは却って良くないの。それじゃあ周りに余計な心配を掛けるだけ。貴女のハーレムを見て気付いたけど、どれも貴女より年上で、その殆どが美人なお姉さんって感じがするのよね」

 

「うっ……」

 

「それって、貴女が年上のお姉さんが好きと言うのもあるかもしれないけど、“貴女が年上の女性に甘えたがってる”って事じゃないかしら?親友の魔理沙や麟さんとは別に、そんな気持ちがあるんじゃない?」

 

早苗にそう指摘されて、口を閉ざす霊夢。言われてみれば、確かに輝夜やアリス、紫には甘えたくなってしまうし、ルーミアも何故か甘えたくなる。最近だと、永琳や幽々子もそういった感情を向けてしまっているし、永琳には特に気付かれてしまっている。

 

「良いじゃないそれで。博麗の巫女と言っても、まだ女の子なんだし。甘えたくなったら甘えていいのよ」

 

「…ありがとう早苗。私、皆とちゃんと話してみようと思う」

 

すると、二人の会話に割り込んでくる者が現れた。

 

「良いなぁ。博麗の巫女がおねロリ属性なんて。わちき、いや私も欲しい〜なぁ恋人」

 

それは、二人の前に現れた。特徴的な傘を持つ妖怪の少女、小傘であった。




新技集

『剛力不動打』
使用者:成美
全身の光エネルギーと魔力を右の拳に込めて放つ右ストレート。スカルネズには通用しなかったが、本来なら富士山を一撃で穿つ破壊力である。

『ミルキーサンダー』
使用者:魔理沙
背鰭から星と共に無数の熱線を放つ爆撃攻撃。逆さまで放てば速度は速まる上に狙いが定めやすくなるが、範囲は狭い。真上に飛ばせば範囲は広くなる上に雷の如く降り注ぐが、狙いを定めにくくなる。尚、背鰭から放つ熱線一つ一つの威力はマスタービームの1%程度である。

『スカルフレイム』
使用者:ナズーリン/スカルネズ
スカルネズのスカルクローラーの口から放つ火炎攻撃。威力はナズーリンが放つ火炎の十倍。

『ソルジェントゴーレム』
使用者:成美
成美の『バレットゴーレム』のソルジェント光線バージョン。ソルジェント光線に命を与えて、相手に当たるまで追い掛けさせる。また、生きている為か攻撃や防御も掻い潜ろうとする。

『ファイナルマスターバースト』
使用者:魔理沙
魔理沙のマスタービーム史上、最も威力がある技。それは、嘗てゴジラ・アースが放ったゴラスを破壊した熱線に匹敵する威力である。此処までの威力でなければ、スカルネズを倒せなかった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。