「そうだね。簡単に言うなら、敵が迎えに行く相手の名前は、聖白蓮。伝説の僧侶である聖命蓮の姉なんだけど、彼を亡くしてから嘗て人間と妖怪の共存を目指した僧侶なんだけど、死を恐れた聖白蓮は魔法使いとなって不老長寿と若さ得たんだ。で、虐げられた妖怪達を救う為に活躍したけど、そのせいで人間達の手により魔界へ封印されたんだよ」
「そうだったのね」
「まあ、聖白蓮の事は簡潔に説明したし、今度は聖白蓮が降ろした神の事だね。直球で言うよ。聖白蓮が降ろしたあの御方は、『お釈迦様』だよ。二人も知ってるでしょ?」
「「……ハァ!?」」
二人は驚愕した。お釈迦様とは、人間から仏となった人間であり、悟りを開いた覚者でもある。仏教において最も信仰されていると言っても良い崇高な存在だ。そんな仏様をその身に降ろせるなんて、どれだけ徳の高い存在ならば可能なのだろうか?
「お釈迦様を降ろせる上に宿せる人なんて、早々居ないわよ!?霊夢、今回の異変もかなりヤバいわね」
「…ええっ。これなら怪獣宿してるだけの方がまだマシよ」
早苗や霊夢も冷や汗を流す。
お釈迦様が敵になる。考えただけでも戦慄する。況してやそれを宿せる程の敵が相手となるのだから。
「それじゃ、私は行くね。私、いやわちきはザ・キングダムに戻ってるからね。でも、一つ言わせて。霊夢、早苗」
小傘は何処かへ飛び立とうとしたが、留まって霊夢達に告げる。
「今度わちき達は大規模作戦を実行するんだけどさ。そしたら貴方達は止めに来るよね?だから…」
小傘は霊夢達の方を向いた。
「私達の邪魔、しないでね」
「「ッ!」」
小傘は無表情のままだった。それを見た瞬間、二人は小傘から覚悟の強さを感じ取った。
「そういう事。じゃあね」
そして、小傘は上空へ飛んで行った。小傘の飛んで行った先で黄金の穴が開き、小傘がその中へ入ったと同時に穴も閉じた。
「…どうすんのよ?」
「行くしか無いわね。でも……相手はお釈迦様を降ろせる程のお方。油断はしない方がいいわ」
「当たり前よ」
こうして、霊夢と早苗は晴れた空に向かって飛び始めた。
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一方、魔理沙と成美の二人は漸く船を見つけ、背後から襲い掛かった。しかし、此処でワーバット達を含めた飛行型タイタンに襲われる。
一体のワーバットが翼をはためかせて空を飛び、長い身体を駆使して魔理沙と成美を締め上げようとする。しかし、魔理沙は尻尾を振り回してプラズマの刃『プラズマスターブレイド』を放ち、ワーバットの尻尾を切断した。
成美も光エネルギーで構成した斬撃『テラスラッシュ』を片腕を横に勢い良く振り回して放ち、翼竜型のタイタン達の翼を斬った。更に周囲のタイタン達の翼を狙っているかのように動いており、次々とタイタン達の翼が切って行く。成美の生命操作魔法によって、斬撃が意志を持って行動しているのだ。
その様子を見ていた雲山が、指を使って様々な仕草を行う。此れは手話と呼ばれる手を使った会話であり、主に耳の不自由な相手に使われる会話方法だ。雲山が手話で一輪に話し掛ける。
『一輪!ワーバット達の群れが突破されるぞ!俺達が出よう!』
「ええっ!ムラサ、星と一緒に魔界へ進みなさい!あの二人は私達が足止めするわ!」
「分かった!一輪、雲山、幸運を!」
こうして、一輪と雲山が船から跳んだ後、魔理沙達の元へ向かって飛び始める。
「ムラサ!魔界への入口が見えました!」
「よし!さあ行くよ!タイタンの皆!私達に続けぇ!!」
『ガアアアアアアァァァッ!!』
聖輦船は、幻想郷の端にやって来た後、魔界に通じる空間の穴を前方に形成させた。そして、聖輦船は穴の中へ入っていき、ワーバット達も船を通じて穴の中へ入っていく。
そして、霊夢や早苗も船に追い付いたが、魔界へ入り込んだ所で思わぬ援軍と出会った。
「おーい!霊夢に早苗ー!」
それは、チルノだった。
「チルノ!?まさかアンタも邪魔しに来たの!?」
霊夢は針を構えるが、チルノの答えは違った。
「違うよ!守矢神社の神奈子と諏訪子から頼まれたんだ!二人を、早苗を援護してくれって!だから急いで駆け付けたぞ!」
チルノがそう言うと、霊夢がチルノに手を伸ばした。早苗も同じく手を伸ばしている。
「ありがとう!チルノが来たら頼もしいわ!」
「ええっ。ありがとうございます、チルノさん!」
「よっしゃ行くぞ!アタイに続けぇ!」
こうして、チルノが加わった霊夢と早苗は、船が通った空間の穴を通る。そして、霊夢の恋人の一人であるアリスが産まれた魔界へ、勢い良く入り込むのだった。
新技集
『テラスラッシュ』
使用者:成美
片腕に光エネルギーを込めて、光エネルギーで構成された斬撃を放つ技。自身より大きな怪獣の尻尾や指を容易く切断出来る程に切れ味は鋭い。更に成美の生命操作魔法によって、弾道を自在に操れる上に意志を持っており、消滅するまで敵を追跡し続ける。
今回は短いです。