その頃、霊夢と早苗、チルノの三人は聖輦船に追い付いた。聖輦船に向かって迫る三人だったが、途中で翼を生やした蛇のようなタイタン2体の襲撃を受ける。ワーバットだ。
「『炎刀・夢想封印』!」
霊夢はお祓い棒に夢想封印を込めて、浄化と退魔の力を持ったプラズマの炎刀を形成した。本来なら妖怪や闇の存在に有効なのだが、生物相手では物理的ダメージしか与えられない。しかし、物理的なダメージですら、プラズマの炎の刀で斬れば何でも斬れてしまえる。
「悪いけど通して貰うわ!」
霊夢は一体目のワーバットの噛み付き攻撃を横に避けた後、ワーバットの翼を先端まで斬る。ワーバットは飛べなくなり、地面に落下して行った。
早苗もキングジョーストレイジカスタムを身に纏った怪獣娘形態へ姿を変えて、左拳でワーバットを殴り飛ばす。
更にワーバットだけでなく、ヘルホーク達が霊夢達に向かって飛んできた。もし彼等の嘴『バーサーカービーク』にやられたら霊夢達もただでは済まない。
しかし、此処にはもう一人居るのだ。チルノである。
「悪いけどアンタ達に用は無いんだ!アタイ達を通して貰うよ!」
チルノは3式機龍を纏い、怪獣娘形態へ変身した。銀の鎧を胴体に身に着け、両肩にミサイル兵器搭載のバックパックユニットを装着し、両手には着脱式の2連装レールガンとブレードを組み合わせた『0式レールガン』を搭載している。胸元には蕾のような蓋がしてある。腰からは銀の機械的な尻尾を生やしている。
チルノは両手の0式レールガンをヘルホーク達に向けて連続で撃ち放った。レールガンの弾がヘルホーク達に次々と命中するが、命中したヘルホークに異変が起きる。何と、ヘルホークの半身が一瞬にして凍ったのだ。
チルノが放ったレールガンの砲弾は、ただの砲弾ではない。過冷却水を内部に込めた砲弾を当てた瞬間、相手の水分を利用して直撃した部位を瞬間的に凍らせてしまう危険な砲弾である。
「腕に当たれば腕を凍らせ、お腹に当たればお腹を凍らせる。此れがアタイのレールガンに搭載した、アタイとレティがこの間来たグロムの冷凍能力を参考にして作った砲弾だよ!」
ヘルホーク達にそう叫ぶチルノ。言葉が通じているかは不明だが、残ったヘルホーク達はチルノを警戒し始める。
「さあ、追い付いたわよ!」
「霊夢、チルノさん!正面から回り込みますよ!」
「分かったよ!」
三人は船に向かって飛ぶ速さを上げた。そして、聖輦船の前に回り込んだ三人は、それぞれの武器を聖輦船に向けた。霊夢は炎刀を。早苗は右腕のペダニウム粒子砲を。チルノは2連装レールガン2つを。それぞれ聖輦船に向けて居るのだ。
「さあ、追い付いたわよ!幻想郷中を騒がせておいて、ただでは済まさないわよ!」
「さあ、大人しく退治されてください!」
「アタイと機龍のサイキョーの力、思い知れ!」
そして、聖輦船では既に準備が整っていた。
「星ちゃん!博麗の巫女達が来たよ!」
ムラサが三人の姿を捉えた。その時、星が祭壇に宝塔を設置して、祈りを捧げた。
「……オン・ベイシラマンダラ・ソワカ……毘沙門天様。どうか我等に力をお与えください」
そして、宝塔を介して毘沙門天に祈りを捧げる。その瞬間、宝塔が日輪の如き輝きを発して、祭壇を中心に光る線が走る。光る線は眩しくなく、直視しても目に影響は無い。
「ムラサ!」
「了解!聖を復活させる前にお邪魔虫を排除しないとね!行けぇ!!『聖輦船バトルモード・グロリアーナビショップ』!!ポチッとな!」
ムラサは舵を握り締めながら、舵の真ん中にあるボタンを押した。
その瞬間、聖輦船が真上に飛び始めようとした。
「逃さないよ!『
チルノが腹の蓋を開いて砲口を展開し、万物を凍らせて崩す絶対零度の光弾を真上に飛ぼうとする聖輦船に向けて放った。しかし、チルノはまたしても予想外の出来事に驚かされる。
絶対零度の光弾は聖輦船に届きそうになる瞬間、半透明の白い壁が出現した。光弾は光の壁に直撃した瞬間、蒸発して水蒸気化した後に跡形も無く霧散した。
「そんな馬鹿な!?」
チルノは驚愕した。連発まで行かなくとも数十発放っても大丈夫になった自分の必殺技が、こんなにアッサリと無力化されたのだ。
そして、上空へ飛んでいった聖輦船が船体全体を変形させて、先程よりも強い形態へ変化した。背中から神々しく輝く光輪を生やした巨大なメカが、ゆっくりと天より舞い降りてきた。まるで神が降臨されたかのような光景に、霊夢や早苗、チルノは言葉を失った。
それは、聖輦船のバトルモード形態であり、嘗てある宇宙にて二人のウルトラマンと激闘を繰り広げたロボット怪獣というより、地球人をリセットする為に送り込まれた兵器『グローカービショップ』である。それを素材に聖輦船へ組み込み、バトルモードとしての姿となったこの聖輦船の名前は、『グロリアーナビショップ』である。
「な、何よあれ……」
「神奈子様に近いこのオーラ……此れが毘沙門天様だと言うの!?」
「ぐっ!負けるもんか!」
チルノは構えを解かない。必殺技が効かなかったのは驚いた上に変形した後から言葉に出来ず、説明の付かない圧倒的な威圧感に押し潰されそうになる。しかし、チルノは耐えた。
「そ、そうよね!こんな所で負けてられないわ!」
「ええっ!チルノさんが頑張ろうとしてるのに、私達が頑張らないなんて最低よ!」
「そんな事したら、ガメラさんを宿した意味が無いわね!やってやるわ!例えボロボロになってもやってやるわよ!」
「私もよ!」
霊夢と早苗も構え直す。
『その意気だよ博麗の巫女に守矢の巫女!そして氷の妖精ちゃん!』
その時、少女の声が機械音と共に響く。そして、3人の真上を巨大なクマのメカが跳んで通り過ぎて、頭からグロリアーナビショップに頭突きを食らわせた。グロリアーナビショップは後方へ数メートル下がるだけだったが、そのお陰で巨大なクマのメカの姿を、操舵席からムラサは捉えられた。
『何なの……って、クマァ!?』
ムラサは驚愕した。何故なら自分の愛する聖輦船と変わらない大きさをしたクマのメカが、目の前に現れたのだから。
新技集
『過冷却弾』
使用者:チルノ
チルノとレティが外の世界からやって来たグロムの能力を参考にして作った過冷却水を込めた砲弾。普段は貫通力も殺傷力も無い、何かに当たればすぐに弾けてしまう脆い砲弾ではあるが、過冷却水を閉じ込めておくには最適である。
オリジナルメカ
名前:聖輦船バトルモード・グロリアーナビショップ
体長及び体高:グローカービショップと同等
体重:7万トン
地底に幻想入りしたグローカービショップと聖輦船を組み込んで完成した、聖輦船のバトルモード。変形条件として、船内の祭壇に毘沙門天の宝塔を収めて毘沙門天に祈りを捧げて加護を授かる事が必要。
見た目はグローカービショップだが、身体は虎柄となっており、背中のバーニアは神々しく輝く光輪で構成されている。額のランプは宝塔となっており、右手は無数の刃が取り付けられた丸鋸となっており、左手は元のグローカービショップの爪『ビショップクロー』のまま。
戦闘力は毘沙門天からの加護もあり、元のグローカービショップより遥かに強くなっている。ビショップクローから放たれる『ヴィシュラバースト』は毘沙門天の力が込められ、大地を抉る破壊力を齎す。額の宝塔から放つ『ブレアナーヴァ』は光弾から光線となっており、毘沙門天の加護が続く限り無制限に放てる上に大気圏を突き抜けてアンドロメダ星雲を撃ち抜ける。更に寅丸星が船に同乗し続ける限り、毘沙門天からの加護も強くなり続け、船の強度が時間と共に増していく厄介な特性がある。