その頃、ドロンボー一味とチルノに早苗はグロリアーナビショップと戦いを続けていた。ハプニングは起きたものの、戦闘は続行した。
『そうれ!『アークマッタクマッタ嫉妬レヴィリッパー』!』
ヴォルトカッツェの声が響いた瞬間、アークマッタナーが両腕を回しながらグロリアーナビショップを向いた。
グロリアーナビショップは背中の光輪を輝かせた後に空中へ飛ぶ。その瞬間、先程までグロリアーナビショップの居た地面に底が見えない巨大な爪痕が出来た。アークマッタナーの斬撃が地面を斬り裂いたのである。
『グオオオオオッー!グオオオオオオオッ!!』
アークマッタナーが悔しがっているのか、グロリアーナビショップを睨み付けながら爪を何度も振り下ろし続けている。
「うわあああっ!!此方にも来たぁ!?」
「クマさん此方も狙わないでくださーい!!」
チルノは両脚のジェットを噴射して、早苗は背中のジェットを噴射して、その場から跳んだ。その瞬間、アークマッタナーが振り続けて放つ斬撃が先程まで二人の居た地面を深く斬り刻む。
アークマッタナーのコックピット内で、レパードがヴォルトカッツェの頭に拳骨を食らわせていた。
「スカポンタン!援護する奴等に攻撃当ててどうすんの!?あのメカを狙ってよ!!」
「いやぁそれがですね。『嫉妬』のあまりメカが相手への攻撃を止めないんです」
「何で!?メカに感情なんてある訳無いでしょ!?」
人工知能や学習したAIならまだ解る。しかし、人が操縦する有人メカが嫉妬どころか感情なんて持ってる筈が無い。人が操縦するメカの動きに操縦者の感情が反映されるのはよくある事だが、メカ自体が感情を持つなんて有り得ない筈だ。
『なら此方だって!喰らえ!!『ブレアナーヴァ』!!』
ムラサが叫んだ瞬間、額の宝塔が輝いて巨大な光弾が放たれた。一発だけでなく、十発、百発と数を増していく。
「『ペダニウムモーセ!』」
早苗が右腕の砲塔を突き出し、緑色に染まった極太光線を砲口から放った。光線は光弾を貫通して掻き消すが、次に飛んできた光弾に一瞬だけ押される。それでも貫通して掻き消すが、光弾が光線に一つずつ命中して消滅する度に光線が押し返されていく。
「早苗を傷付けさせはしない!『
チルノが腹の砲口を展開して、エネルギーを溜め込んだ。そして、機龍の切り札と自身の切り札を合わせた超低温レーザーを放った。青白いレーザーが空気をも凍らせて雪を振り下ろしながら、砲塔に向かって行く。そして、光弾を放ち続けていたグロリアーナビショップの額の砲塔に、超低温レーザーが命中してしまう。砲塔は凍らされていき、コックピットのある頭部も凍っていく。
しかし、背中の光輪が輝き始めた。そして、凍った箇所は一瞬にして溶けた後に蒸発した。幸いにもコックピット内は無傷であり、チルノが放ち続けたレーザーも早苗の光線も光輪が放つ光の波動に掻き消された。しかし、波動を放ったせいか光輪の光が消える。
「あっ!ムラサ、大変です!エネルギーチャージまで一分掛かります!」
「急いで星ちゃん!」
しかし、アークマッタナーにとって良い攻撃チャンスであった。
「今がチャンスです!『アークマッタクマッタ憤怒サタンダイナマイト』!ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチッとな!」
ヴォルトカッツェが『憤怒』のボタンを押し続けた。
その時、アークマッタナーの全身が赤く染まり始めた。頭に怒りを示すマークが浮かび上がり、全身に筋肉が浮かび上がる。全身から蒸気を放ち、如何にも噴火寸前の火山のようである。
「何だろう?ねえ早苗。あのメカ、赤くなってない?」
「ま、まさか……チルノさん!逃げましょう!」
早苗は嫌な予感がした。こんなへなちょこメカにはお決まりのパターンを予想したからだ。早苗はチルノの片手を掴んで空へ飛び始める。
「な、なんかヤバそうだぜ!」
「離れよう魔理沙!ほら、ラステルも!」
「えっ、ええっ!」
魔理沙達も飛んでその場から離れる。
そして、アークマッタナーの中は完全に蒸し暑くなっていた。
「あ、暑い……ヴォルトカッツェ……どういう事なのぉ?」
「なんか熱くなってきてるが……」
「それは………メカが怒って熱くなっちゃってるからです」
ヴォルトカッツェが自分の頭を撫でながら答える。
「だから何でメカに感情があるの!?」
レパードがヴォルトカッツェの頭に拳骨を食らわせる。
「ってか、このままだとどうなるの!?」
「…………」
「い、いいいいいいやあああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
レパードはヴォルトカッツェの沈黙で全てを察し、滝のような涙を流す。
「先祖の運命がぁっ!?」
「嫌な事言うなこのスカポンタアアアアアアアアン!!!」
レパードがエレパントゥスの頭を蹴った。
そして、アークマッタナーは最後の攻撃を始めた。全身を炎で包み込み、怒りの咆哮を上げながらグロリアーナビショップに迫る。
「「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」
アークマッタナーがグロリアーナビショップに抱き着いた。
『グオオオオオオオオオオオオオオオオ―――』
アークマッタナーが激怒の咆哮を上げた。
その瞬間、アークマッタナーがお腹を輝かせた後に、大爆発を起こした。グロリアーナビショップの全身を巻き込む勢いで。
その時、白蓮や釈迦と対峙した霊夢は、数百キロ離れた先に居るにも関わらず、核弾頭が落とされたかのようなキノコ雲の発生を目撃した。
「何よあれ!?」
「ええっ!?星達は大丈夫でしょうか……」
「……」
そして、キノコ雲は涙を流すドクロの顔となったのだった。
「「「何で!?」」」
――――――――――――――――――――――――
そして、爆発が収まった後、煙の中から三人の男女が降り立った。降り注ぐメカの破片に船の残骸。その中で新生ドロンボー一味は無傷のまま歩み出す。しかし、無傷なのはグロリアーナビショップに乗っていた星やムラサも同じだ。全員がそれぞれ怪獣を纏った形態に変身している。
ムラサは巨大な戦艦の砲台を複数着けた装置を身に着けており、まるで艦娘のような姿である。ムラサが纏ったのは、戦艦型の怪獣である『アイアンロックス』だ。
星は頭に黒い牙のような角を無数に生やし、半袖短パンといったラフな格好となっていた。そのお陰で、星の身体が巨乳で細いお腹で普通サイズのお尻といった整ったナイスバディを周囲に見せつける。星が宿した怪獣はアルテスタイガーという珍種のトラが破滅招来体によって改造されて怪獣となった『イザクプラチアード』である。
レパードもドロンキングを纏い、両肩にヴォルトカッツェとエレパントゥスのご先祖様であるボヤッキーとトンズラーの頭部を模したヘルメットを装着し、レパードのご先祖様であるドロンジョの頭部を模したヘルメットをレパードは被っていた。両脚はスカート型の大型推進器となっている。
ヴォルトカッツェはウルトロンのヴィヴラニウム装甲を身に纏い、エレパントゥスはキングジョーカーの装甲を身に着けている。
全員があの大爆発の中を抜け出せる程の素早さを持ち、その余波に耐えられるだけのタフさを持っていたのだ。
「おーい!」
魔理沙は成美やチルノ、早苗にラステルと共にドロンボー達の元へ戻ってきた。
「お前達!此処は私達に任せて、博麗の巫女を援護しに向かって!」
「分かったぜ!任せるぜ!」
魔理沙達は空を飛んで、霊夢の後を追った。残ったのはラステルだけだ。
そして、ドロンボー一味は星とムラサの前に立つ。
「私が審判を務めるわ。5人とも、思い切り戦って頂戴」
ラステルがそう告げた。魔理沙達の元へ二人を行かせない為に、レパード達が足止めを行う。
「さあ行くよ!お前達!メカ戦は終わった!此処からはモンスターバトルだよ!!此奴等に思いっ切りデコピンしてやる!!」
「「アラホラサッサー!!」」
そして、星とムラサも構える。星は右手の宝塔を握り締めながら、左手の棒を強く握り締める。
「ご先祖様……そしてアークマッタナー……貴方達のメカ、お借りします!」
その時、レパードの目が輝き、自身の能力を解放し始めた。
新技集
『アークマッタクマッタ嫉妬レヴィリッパー』
使用者:新生ドロンボー/アークマッタナー
アークマッタナーの『嫉妬』のボタンを押して放つ斬撃攻撃。攻撃を放てば放つ程、『嫉妬』の名の通りアークマッタナー自身が攻撃を避ける相手に対し強く嫉妬し続けて、嫉妬が強くなればなる程攻撃速度が増していく。
『アークマッタクマッタ憤怒サタンパンチ』
使用者:新生ドロンボー/アークマッタナー
アークマッタナーの『憤怒』のボタンを押して放つ自爆技。ボタンを押せば押す程にメカの怒りが爆発し、攻撃力が上がり続ける。そして、怒りを爆発力に変えて抱き着いた相手諸共巻き込んで大爆発を起こす自爆技。しかし、怒りが強過ぎると自爆の範囲が広くなる厄介な欠点がある。自爆の前兆としてメカの中が蒸し暑くなる。『暴食』で食べた分+『憤怒』の攻撃力=爆発の威力であるが………。