〜結芽side〜
ナラクより先に広がるザ・キングダム。其処でもバレンタインによるチョコの受け渡しが行われていた。
ザ・キングダム日本街。様々な時代の日本を舞台にした日本街には、日本人の所属者が多く暮らしており、彼等が暮らしやすいように文化も日本人特有の文化を再現している。睦美達の暮らす巨蟲エリアもこの日本街に存在する。
結芽「彩菜おねーさーん♥!ハッピーバレンタインデー♥!」
結芽は日本街の昭和通りを走って、昭和通りの数ある駄菓子屋の一つに訪れていた彩菜に近寄る。そして、彼女にバレンタインチョコを入れたハート型の箱を渡した。
彩菜「……あ、ありがと///」
彩菜は自分に対して真剣に恋をする人からこうしてチョコを貰うのは初めての為、思わず恥ずかしくなってしまう。結芽の事は嫌いではない(恋愛云々はさて置き)為、尚更緊張する。
しかし、修羅場は此処にも存在した。
桜「結芽ちゃ〜ん!バレンタインチョコだよ!徹夜して作って………あああーーーっ!!」
桜は結芽の元へ走ってきたが、結芽が彩菜にチョコを渡した所に鉢合わせしてしまう。そして、桜は嫉妬のあまり叫んだ。その後に結芽の元へ走る。
桜「結芽ちゃんまた彩菜お姉ちゃんの所に!折角私が徹夜してバレンタインチョコを結芽ちゃんの為に作ったのに!/////」
結芽「そうなの!?ありがとう桜♥!でも、私が彩菜おねーさんのお嫁さんになるんだもん!彩菜おねーさんに酷い事した奴等より気持ち良くて幸せにしてやりたいんだから!」
桜「むー!彩菜お姉ちゃん!/////」
桜が結芽を抱き締めながら彩菜を指差した。
桜「結芽ちゃんは渡さないからね!私が結芽ちゃんのお嫁さんになるから!/////」
彩菜「いや、私は結芽を嫁にするつもりは無いわよ?というか、私は当分恋人作るつもりは無いわ」
結芽「ガーンッ!そんなぁ彩菜おねーさん!私が彩菜おねーさんのお嫁さんになるもん!チョコだって頑張って一人で作ったのに……彩菜おねーさんを幸せにしたいもん」ポロポロ
結芽は珍しく泣き始めた。それを見た桜と彩菜は結芽に対して罪悪感が芽生えた。
結芽は巫山戯てないのだ。本気で、彩菜を幸せにしたいのである。彩菜を汚した連中よりも気持ち良い事をさせてやりたいのも本当だが、彩菜を幸せにしたいというのが結芽の本音だ。
彩菜「もう、反則過ぎるわよ!!全くもう……分かったわよ結芽。もし貴女が16歳になった時、その時も私の事が好きなままなら、貴女のお嫁さんにしてくれるかしら?約束するわ。本当よ」
結芽「グズッ……ぼんどう(本当)?」
彩菜「本当よ」
結芽「………うん♥」
結芽は泣きながらも彩菜からの遠回しの告白に嬉しくなり、より多くの涙を流した。
桜「ずるーい!結芽ちゃんは絶対絶対渡さない!////」
結芽「桜……ありがとう。でも私、彩菜おねーさんを諦めないよ!////」
彩菜(もうこの子達は……でも、結芽が私の嫁になるのはそんなに嫌じゃないのよね。この子、家事を教えたらすぐに覚えて私より上手くなるし、我儘な所はあるけど仲間も大切にする健気な面もあるし、そしてスルトの力抜きにしても剣の腕は話に聞いた半人半霊の少女よりも格上だし、結芽が嫁になるのは正直嬉しいわ。でも、結芽はまだ子供だし、まだまだ成長途中だし、今はあの遠回しの告白で満足してもらうしかないわね。もし結芽の気が変わって桜を選ぶならそれはそれね………うっ!?胸が………痛い!?)
彩菜は結芽と桜が結ばれる光景を思い浮かべたが、何故か胸が痛くなる。
その時、結芽がある者に声を掛けた。
結芽「……ナナおねーさん!彩菜おねーさんにチョコ渡さないの?」
彩菜&桜「「えっ?」」
すると、結芽が叫んだ方向の柱から一人の少女が現れた。トリガーダークを宿す柊ナナだ。ナナが柱から姿を現すと、彩菜の元へ歩み寄って小さな箱を渡した。
ナナ「彩菜……此れ、あの時私に手を差し伸べてくれたお礼だ。受け取ってくれ…////」
彩菜「チョコ……ありがとう。お返し、期待して頂戴」
ナナ「……っ//////」
ナナは彩菜からのお返しを期待して嬉しくなるが、彩菜からお礼を言われて照れてしまう。
結芽「〜〜〜〜っ!!////」メラメラ
桜「熱い熱い熱い熱い!結芽ちゃん昭和通り燃えちゃうから!」
ザ・キングダムでも恋の炎が燃え盛っていた。
―――――――――――――――――――――――
〜レパードside〜
レパード「はい、二人共。お疲れ様」
ザ・キングダム日本街の地下に存在するドロンボー秘密基地。其処で私服姿になっているレパードは、インチキ商売の店舗と新たなドロンボーメカを製作していた二人に、バレンタインのチョコを渡しに来た。そのチョコは、嘗てレパードが9歳を迎えた誕生日に母のドロシーが作ってくれた料理の形を模しており、二人はそれを見た瞬間に嬉しさのあまり涙を流す。
ヴォルトカッツェ「レパードお嬢様!私……嬉しすぎて食べるのが勿体無いです!」
エレパントゥス「ドロシーがお前の誕生日に作ってくれた料理の形にするとは……ありがとうレパード!」
レパード「二人はボヤッキーやトンズラーとして、何時も私を支えてくれるからね!ママの料理には敵わないけど、二人に感謝と此れからも一緒に頑張ろうって意味を込めたんだよ!」
エレパントゥス「……ああっ!ありがとうレパード!」
ヴォルトカッツェ「嬉しすぎて涙が止まりませんよぉ!」
二人は大泣きした。二人は思わずレパードを抱き締めてしまい、レパードは思わず恥ずかしくなる。
レパード「ちょちょっ、二人共痛い痛い!/////」
二人の抱擁から解放されたのは、それから5分も後だった。
レパードはドロンジョの格好となり、小さな箱を持って玄関に向かう。
レパード→ドロンジョ「じゃあ私、エレンの所に行ってくるね」
ヴォルトカッツェ「頑張ってくださいレパードお嬢様」
エレパントゥス「俺もレパードの恋、応援してるぞ」
オダ様「ブヒッー!レパード、ガンバレ!」
ドロンジョ「うん!」
そして、レパードが去った後、二人はレパードの恋の行方を心配する。
ヴォルトカッツェ「レパードお嬢様、大丈夫でしょうか?」
エレパントゥス「信じるんだ。エレン・イェーガーを狙う女は多いが、レパードは負けん。彼女はドロンボーのボスであるドロンジョの血を引くんだ。どんなに困難でも、必ずレパードは勝つさ」
ヴォルトカッツェ「そうでしたね。なら、信じましょう。レパードお嬢様を」
――――――――――――――――――――――――
〜ヘカーティアside〜
ヘカーティア「んもう、ザ・キングダムは何時からリア充だらけになったのかしら?」
ヘカーティアはザ・キングダムのアブソリュート宮殿最上階の屋上から、ザ・キングダムの様子を見ていた。此処でもバレンタインのイベントが開かれて、カップルが出来たりお互いに言い出せなかったり、エレンのように何のことか分からなくても受け取りを拒否しなかったりと、バレンタインにより色々なリア充が目立つようになった。
クラウンピース「ご主人様〜♥ハッピーバレンタインデーです〜♥」
ヘカーティア「あらクラピちゃん?チョコを作ってきたのね?ありがとう」
クラウンピース「えへへ〜♥だってご主人様の事が好きですから〜♥あっ、友人様にもチョコ上げようっと♥」
ヘカーティア「……私も誰かにチョコを上げたり、恋人とか居たかしら?ハデスは……違うわね。ゼウスは有り得ないし、ポセイドンはもっとね………まあ、私に今まで好きな人は今まで居なかったわねぇ」
クラウンピース「ご主人様は絶対会えますよ!アタイ、信じてます!」
ヘカーティア「ありがとうクラピちゃん。私も頑張って見るわね」
こうしてバレンタインは過ぎていく。貴方達にも何時か、素敵な出会いがありますように。
此れでバレンタイン特別編は終了です!遅れてすみません!次回から本編に戻ります!