東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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異変のラスボスは別に用意しました。特撮好きでなければ知らないであろうマイナーな宇宙怪獣らしいです。私も知ったのはアニゴジで見て、正体を知るまで調べた頃です。


第193話

幻想郷での異変の最中、とある次元でゴーデスモンスター達を討伐し終えた麟達。今この場に居るのは麟とエレン、そしてシズさんにはたての4名だ。4名はそれぞれカオス怪獣形態になっているが、此れは錠剤による変身ではなくシズさんのカオスヘッダーによる変身だ。

 

麟とエレン、はたてのカオス怪獣形態が解ける。シズさんは元がカオスヘッダーのウルトラマンである為、怪獣娘形態を解かない限りそのままだ。

 

地面に転がるオレンジ色のゴーデス怪獣の死体は乾燥し硬化しているが、麟がパワーブレスを放ち続けて、遺体を焼き尽くしていく。そうでもしなくてはこの怪獣は死なないからだ。ゴーデス怪獣としても。元の怪獣としても。

 

しかし、被害は大きかった。麟は上半身の服が無くなっており、胸を片腕で隠していた。エレンも上半身の服が溶けたように無くなっている。シズさんやはたても、服が所々破けており、誰もが痛々しい姿になっている。しかし、誰も動揺していない。エレンは3人の美少女が半裸(麟は特にヤバい)にも関わらず、動揺すらしてない。

 

「……ふう。此れで終わりかな。ジラの記憶から知ってたけど、微生物の力って恐ろしいね」

 

「ああっ。だが麟、お前も強くなったんだな。流石は『十三組(サーティンパーティー)』の一位なだけある」

 

「まあ僕は可愛いからね♥僕が可愛いから一位になれるんだよ♥」

 

「お前が可愛いかはどうでもいいが、強さも俺から見ても申し分ない位だ」

 

(体術だけならアニにも勝ると思うけどな)

 

「いやいや、君には敵わないよ。エレンさんだって『十三組(サーティンパーティー)』になれたかもしれないのにさ」

 

「俺はそんな肩書きに興味は無い」

 

「だよねぇ。エレンさんって小夜さんみたいに協調性少なそうだもんね」

 

「それは少し傷付くな」

 

すると、はたてが携帯型カメラを凝視した。何かを撮ったようだ。

 

「はたてちゃん?どうしたの?」

 

「あー、幻想郷の方を念写したんだけど、なんか変なのが写ったのよねー。つーか何これ?てか、マジやばくね?」

 

「……此れが写真?紙に写さないの?」

 

シズさんは初めて見る携帯型カメラに興味津々になっていたが、画面に写る写真を見て目をパチクリとさせる。

 

「何これ?」

 

「どうした?」

 

エレンがシズさんとはたてに尋ねる。

 

「此れ、はたてちゃんが写した写真なんだって。幻想郷の方を念写したら、此れが写ったの」

 

エレンがはたてのカメラの画面を見て、麟もエレンの肩から覗き込んだ。

 

「どれどれ……何これ?スライムみたい」

 

「スライム?それは知らないが、一つだけじゃないな……何個あるんだ?」

 

「分かんなーい。でも、幻想郷を写したら此れが出た。なーんかさっき私達が倒した集合微生物そっくりね~。麟、アンタ知ってる奴でしょ?この写真の奴とさっき私達が倒した奴とも」

 

はたての言葉に首を縦に振る麟。しかし、先程倒した微生物の怪獣の事はジラの記憶から知っていたが、このスライムみたいな存在は知らない。

 

「どうする?幻想郷に戻るか?」

 

「うん。僕はそうするよ。ん?」

 

すると、全員が腕に着けた腕輪から音が鳴る。全員が通話ボタンを押した後、ヘカーティアがホログラムの画面と共に空中に映った。

 

『全員通じてるわね?緊急事態よ!モンスターバースに住む宇宙怪獣が、幻想郷へ入り込んだと情報部から連絡が入ったわ!動ける子はすぐに幻想郷へ向かって頂戴!』

 

すると、はたてがカメラを見た後に画面に映るヘカーティアに見せた。

 

「もしかして此奴?」

 

『っ!そう、そいつよ!今はまだ単細胞生物のままだけど、幻想郷に着いたらエネルギーを吸収して手に負えなくなるわ!麟ちゃん、エレン、はたてちゃん、シズエちゃん、あの集合微生物の怪獣と闘った後で疲れてるかもしれないけど、動けるかしら?』

 

「麟、どうする?」

 

はたてが麟に尋ねる。

 

「行こう!ヘカーティア!お願い!後、服とか用意して!」

 

『ごめんなさい無理させて。此れからナラクを通じて幻想郷へ向かわせるわ!まあ……服は用意しておくわよん』

 

そして、四人の目の前に黄金の穴が開き、四人は即座に穴の中へ入っていく。幻想郷に入り込んだ、宇宙怪獣を倒す為に。そしてボロボロの衣服から新品の服に着替える為に。

 

――――――――――――――――――――――――

 

「はあああっ!」

 

「やあああっ!」

 

魔界では闇霊夢と偽霊夢の激闘が繰り広げられていた。お互いに技を出し合い、拳と拳で闘い合う二人の激闘に、誰もが見入っている。

 

「霊夢ー!頑張れー!」

 

「霊夢ー!どっちが本物か分かんないけど頑張れー!」

 

「チルノさん!あっちが偽物ですよ!」

 

魔理沙達が霊夢を応援する中、釈迦は何かを感じ取った。

 

「っ!二人共、バトルは一旦中止する!」

 

釈迦の突然の中止宣言に全員が驚愕した。

 

「えっ!?何故!?」

 

「お釈迦様、何故ですか?」

 

闇霊夢と偽霊夢は動きを止めた。二人の体には至る所に痣が出来ており、激しい闘いを繰り広げていた事が伺えた。そして、偽霊夢はその体が砕けて、怪獣娘形態になった白蓮の姿に戻った。

 

「幻想郷に何か入り込んだ。かなりヤバい奴かもな」

 

「そう。なら、あの子に代わりましょ。私はもう出るのが限界なのよぉ。後は、頼むわよぉ――」

 

そして、闇霊夢の巫女服から黒い部分が失われ、元の紅白巫女服に戻った。

 

「……ふぅ。彼奴に代わると結構体力持ってかれるのよね。で、話は聞いたわ。なら此処で戦ってる暇はないわね。幻想郷に戻るわよ!」

 

「ああっ!急ごう!アッチでドロンボーっていう奴等が戦ってんだ!彼奴等なら幻想郷に戻る穴を開ける筈だぜ!」

 

霊夢と魔理沙が空を飛んで、ドロンボー達の居る方向へ飛んでいった。

 

「行こう早苗!」

 

「ええっ!チルノさん!」

 

チルノと早苗も同じく空を飛んで二人を追い掛ける。

 

「……お釈迦様。私も霊夢さん達を援護しに向かいます。今まで――」

 

「待って。此れを」

 

釈迦がある物を白蓮に手渡した。それは、釈迦が放つオーラと同じく慈愛に溢れたオーラを纏った玉であった。

 

「これは?」

 

「それは言うなら『釈迦玉』だよ。それがあれば俺を宿さなくても、俺の力をその身に宿せるよ」

 

「っ!ありがとうございます!お釈迦様、貴男に出会えて、光栄でした!」

 

「良いよ。ほら、行きなよ」

 

「はい!」

 

白蓮は釈迦に頭を下げてお辞儀をした後、頭を上げて霊夢達が飛んでいった方向へ向いて、空へ向かって飛び始めた。魔力によって白蓮は空を飛んでいるのだ。

 

「さて……俺はまたどっか行くか」

 

「シッダールタ君。またどっか行くのね?」

 

釈迦の前に、神綺が姿を現した。神綺が目の前に気配もなく現れた事に、釈迦は大して驚いてない。まるで、其処に来ることが分かってたように。

 

「まあね。後は彼女達に任せるよ。俺はまた行かせてもらうよ」

 

「……ええっ。この世で貴男を動かせるのは、魔界、神界、全宇宙において、貴男だけだもの」

 

流石の神綺でも、釈迦を縛る事は出来ない。

 

「んじゃ、俺行くわ」

 

「ええっ」

 

こうして釈迦は再び歩き始めた。彼はまた、何処かへ歩いていく。彼が歩き去る姿を、神綺は微笑みながら眺め続けていた。神綺は彼が去った後、夢子が迎えに来るまで釈迦が歩き去った方向を向き続けた。

 

――――――――――――――――――――――――

 

その頃、幻想郷の空で、謎の液体のような細胞が浮遊し始めていた。細胞は一つだけでなく、軈て細胞が無数に集まって雲のようになり、軈て一つになって集合していく。

 

その様子を、二人の少女が見つけた。一人は藍で、もう一人は橙だ。

 

「な、何だあれは!?不味い!紫様を起こさなくては!!」

 

「はい!藍しゃま!」

 

「橙!お前は幻想郷各地に、特に人里へ早急に知らせろ!」

 

「し、しかし藍しゃま!」

 

「橙!お前の力なら人里を守れる!お前にしか任せられない!頼むぞ!」

 

「っ!はい!」

 

こうして、藍と橙はそれぞれスキマの中に入り、幻想郷全域へ緊急事態宣言を伝えに回る。

 

そして巨大な雲は、クラゲにもイカにも見える巨大な生命体へと姿を変えて行く。その大きさは数百〜数千メートルにまで大きくなっていき、更に周囲に浮かぶ小さな細胞を吸収していきながら、徐々に巨大化していくのだった。




麟達が戦った集合微生物。それは麟が宿した二代目ジラの記憶にもある、麟が知ってる怪獣です。もう正体分かった人も、分からなかった人も、どんな相手かはこの章の番外編にて明かします。
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