その頃、幻想郷の上空で一体の巨大なクマメカが黄金の穴から出現し、四肢からジェットを噴射して飛んでいた。魔界から戻ってきたアークマッタナーである。
コックピット内。操縦桿は無いが、レパードが操っているのだ。其処で霊夢達は、上空を覆う巨大な生命体の大群を目撃する。
「何よあれ!?あんなのデカ過ぎるわ!?」
「私達の知らない所で何が……」
霊夢と魔理沙も驚きを隠せない。
「考えるのは後!お前達!やっておしまい!」
「「アラホラサッサー!」」
ヴォルトカッツェとエレパントゥスはそれぞれ外に出て、ドゴラ達に向かって行く。ヴォルトカッツェは四次元工房に戻り、其処を経由して外に出た。エレパントゥスはコックピットの硝子を破壊して外に出る。
「『アークマッタクマッタ暴食ベルゼバクバク』!」
レパードが叫んだ瞬間、アークマッタナーがドゴラの触手に噛み付き、その触手を吸い込む形で食べていく。しかし、ドゴラとてやられっぱなしではなく、残った触手をアークマッタナーに伸ばそうとした。しかし、此処で思わぬ反撃に遭う。
「「『ハイ・プラズマ・スパーク』!」」
霊夢と魔理沙が合体熱線を放ち、ドゴラの触手を狙い撃った。触手は千切れた後にあっという間に焼き尽くされて、跡形もなく消滅した。
「ふぅ……ハァ、ハァ」
「いやぁ、やっぱこれ疲れるな」
二人はエレパントゥスが割った窓から飛び出し、二人は合体熱線を放ったのだ。霊夢のハイ・プラズマと魔理沙の熱線とマスタースパークを合わせた熱線は、ドゴラの吸収も上回り、吸収しきれなかった触手はあっという間に焼き尽くされたのだ。
「なら、私も!星、ムラサ……」
「「聖!」」
「ごめんなさい二人共。私も行かせて貰うわ。霊夢と魔理沙を援護します!」
白蓮も飛び出し、グレゴール人の怪獣娘形態である黒いマントに胴着を身に着けた武道家らしい服装を身に纏い、ドゴラの胴体に向かって跳んだ。空中に居る途中で、白蓮は懐というより胸元からあるものを取り出した。
「お釈迦様、貴男様のお力、お借りします!」
白蓮が取り出したもの。それは釈迦から貰った釈迦玉である。釈迦の力が込められた神秘の玉を、白蓮は真上に翳した。その瞬間、釈迦玉は眩い光を放つ。そして、白蓮の格好は瞬く間に変化した。
黒いマント派そのままに、ファンキーなシャツにサングラスといったチンピラ風なファッションになった。靴はサンダルになっており、右手には釈迦の武器である棍棒『六道棍』が握られていた。
「感じます……お釈迦様……力を貸して頂きありがとうございます……さあ、行きますよ!いざ、南無三!!」
白蓮は走り出す。その走りは、時速480kmで走る事の出来る麟やアークマッタナーの最高速度である時速600kmを遥かに超えていた。
一体のドゴラが白蓮に向かって触手を伸ばしていく。白蓮は伸びてきた触手を跳んで避けた後に、触手の上に片足から着けて着地。そして触手の上を走り出した。
「“廻れ、六道”」
そして、白蓮の持つ六道棍が回転して、無数の巻物が開いたかのように形状を変化させる。
「『六道棍三之道・人間道不空羂索観音:
白蓮は鋭い短剣へ変形した六道棍で、触手から伸びてきた細く小さい触手を避けながら、触手を短剣状の六道棍で切り裂いた。その瞬間、斬り落とされた触手は光になり消滅した。
すると、白蓮は後方へ下がる。その後に触手から伸びた小さな触手が先程まで白蓮が居た場所に巻き付き始めた。
「フッ!」
白蓮は触手の上を走りながら、時折出現する触手を避けていく。まるで触手が何処から襲い掛かるのか、初めから解ってるかのようだ。その正体は釈迦の能力である『正覚阿頼耶識』を白蓮が使っているからだ。人間が持つ第六感をより高めてそれを超越し得た第八感を使い未来視しているのだ。ほんの数秒後の未来ではあるが、それでも相手の手の内が解るのは強い武器である。
そしてドゴラの斬り落とされた触手が再生されない理由。それは白蓮が纏った釈迦の力により、幻想郷から妖力や霊力、魔力を得ていた部位が浄化されたからだ。毒以外の意外な弱点に、ドゴラ自体も驚いているだろう。しかし、触手は斬られた断面から再生する為、焼け石に水である。
「でも関係ありません!ハァァァッ!」
白蓮は触手を避けながら斬り落としていく。
そして、アークマッタナーは数千メートルものドゴラをあっという間に食べ尽くした。
「よし!」
「凄い……グロリアーナビショップの時もそうだったけど、このクマのメカ強くない?」
「ええっ、凄いです」
レパードが喜ぶ中、ムラサと星は改めてアークマッタナーの強さを理解する。とはいえ、数千メートルの巨大生命体を捕食した為、アークマッタナーのお腹は大きく膨らんでいる。
「所で、他の大罪はどうなってるんだろうね?」
レパードは『強欲』のボタンを押した。レパードの呼び出したメカのコックピットに操縦桿は無いが、ボタンは何故か存在する。レパードもその理由は解らない。
その瞬間、アークマッタナーは口から咆哮を上げた。
そして、咆哮の範囲に存在するドゴラ達に異変が起きる。ドゴラ達の体が大きく膨らみ始める。しかし、ドゴラの体の一部から穴が開いた風船のように穴が開き、萎む風船のように萎んでいく。
そして、数千メートルもあったドゴラの体は縮んで行き、軈て手の平サイズまでサイズが小さくなった。
「ええっ!?こうなるんだ……」
レパードは召喚したドロンボーメカの能力を把握してるが、アークマッタナーに関しては最近作られた為か知らない機能もある。そのため、レパードも知らなかったのだ。解釈も加わってない為、オリジナルと同じ機能しか備えてない。
「今なら行ける!このボタン!ポチッと―――」
するとレパードがボタンを押す直前、コックピットの台からある物が出現した。それは、三体のチアガールらしき小型メカ『コックピットメカ』である。左が赤髪、真ん中が青髪、右が金髪である。
『ヤレヤレーイ!』(左)
『イケーイケー!』(真ん中)
『ヤられてコーイ!』(右)
「「「「ポペー!?」」」」
レパード、星、ムラサ、成美がコケた。
気を取り直してボタンを押したレパード。更にコックピットから降りてきた成美は攻撃に移る。
そして、アークマッタナーは小さくなったドゴラ達に向かってお尻を向けて、尻穴から炎を吹き出した。ドゴラ達は炎に飲み込まれ、その体は消滅した。本来吸収出来る筈の炎であるにも関わらず、サイズを小さくされたせいでドゴラの吸収能力を上回ってしまい、炎で焼き尽くされてしまう。
しかし、再びコックピット内は劇臭に包まれる。レパードだけでなく、星やムラサも被害を受ける事になる。
「凄い攻撃だよオロロロロロロロロロロロロ!!」
「「臭いぃ…………」」
そして、成美はソルジェント光線を放って手の平サイズのドゴラ達を消滅させていく。
「……魔理沙!霊夢!」
そして、成美は魔理沙と霊夢に近寄る。成美は二人に触れて、生命力を二人に流し込んでいく。
「二人共、まだやれるよね?」
「おう!勿論だぜ!」
「ありがとう、成美だったかしら?力が少し戻ったわ!」
二人は立ち上がり、成美に感謝を述べた後に群がろうとするドゴラ達に向かって行く。
そして、幻想郷各地でも、ドゴラの殲滅作戦が始まっていた。
この小説における六道棍の解釈。
六道棍:人類(衆生)が輪廻転生する6つのそれぞれの宇宙(世界)を統べる観音の力が込められた神器。
言い忘れてました。この作品キャラが出会う又は降ろす神や悪魔達は他作品のキャラにそっくりな柱達が多いですが、その作品世界から来たわけではないので悪しからず。
新技集
『(名称不明)』
使用者:アークマッタナー
『強欲』のボタンを押して発動する。アークマッタナーの咆哮を聴いた敵対的存在を膨張させた後、穴の開いた風船のように萎ませる。その大きさは手の平サイズにまで縮み、力も能力も格段に下げる。
『アークマッタクマッタ悪魔的燃えるオナラ攻撃』
使用者:アークマッタナー
レパードが偶然押したボタンで発動する、本編では名前が明かされなかった攻撃。燃えるオナラであり、摂氏5万℃である。当然オナラである為……クサッ!?