東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第198話

永遠亭の上空では、玉兎と地上の兎が全員協力して、ドゴラの大群に向かって鈴蘭の毒入りの光線を放っていた。玉兎達は二代目バルタン星人となり、隊長たるレイセンや因幡てゐの二人の指揮の元、巧みに動き回っていた。ドゴラの触手を翻弄し、隙きを突いてドゴラの口内へ全員一斉に鈴蘭の毒入り光線を放つ。

 

「よし!師匠の言う通りにしたウサ!」

 

「鈴蘭の毒を体内に挿れる為に経口摂取させる作戦、成功しましたね!」

 

てゐとレイセンがハイタッチをする。

 

光線を経口摂取したドゴラは全身が硬化して乾燥し、軈て砂のように崩れ落ちてしまう。崩れ落ちたドゴラの破片に兎達が埋まってしまうが、てゐとレイセンの助けもあって抜け出す事に成功した。

 

そして、永遠亭では輝夜と永琳、鈴仙の三人が怪我人の治療に当たっていた。依姫と豊姫には、人里を守ってもらうべく動いて貰っている。

 

「優曇華!此処は私と輝夜に任せなさい!貴女はてゐとレイセンを援護しに行きなさい!」

 

「でも、お師匠様!」

 

「私と永琳は大丈夫よ。大丈夫。貴女なら出来るわ」

 

「姫様……はい!鈴仙・優曇華院・イナバ、此れより離脱します!」

 

鈴仙は跳んで両手にメガホン型の銃を二丁も持って、永遠亭の壁を越えていく。

 

「アリスから送られてきた情報、実に頼もしい物だわ」

 

「鈴蘭の毒に弱く、外からではなく内側から毒を回すなんて。音を使うのは無理だけど、経口摂取なら行けるって作戦、成功ね。流石は永琳」

 

月の頭脳は伊達ではない。毒を経口摂取させる方法を実行した結果、ドゴラを倒す事に成功した。とはいえ、無名の丘にある分や幻想郷中に生えてる数少ない鈴蘭を全て持ってきたとしても、全滅させるには至らない。

 

「ルナチャイルドが鍵を……何をするのか解らないけど、頼むわよ」

 

永琳は、アリスには何か策があると見込んでおり、彼女達に託す事にした。

 

――――――――――――――――――――――――

 

その頃、麟達もドゴラと交戦していた。

 

麟がドゴラの触手に捕まりそうになった時、麟は『ジラライザー』を取り出してトリガーを押して、インナースペースに避難する。

 

そして、三つのメダルを取り出してジラライザーにセットして、セットしたメダルを読み込ませる。

 

『外堂!グレムリン!メドーサ!』

 

そして、麟の背後にジラが出現し、咆哮を発した。

 

『グオオオオオオッ!!』

 

「月の力よ!今ここに!ジラァ!!」

 

麟はジラライザーを掲げてトリガーを押して、更なる能力を解放する。

 

『ジラ・ムーンフェイス!』

 

麟は仮面こそそのままだが、両肩や両膝には犬の顔が取り付き、背中には異形の顔が生え、麟のリボンで結ばれた髪はより長くなって蛇となっていた。

 

麟が変身したムーンフェイス。それは全ての形態の中で眷属や分身を生み出す能力に長け、二代目ジラの親である初代ジラの無性生殖による大量の産卵を更に特化させた形態だ。力こそ弱いが、他の形態と比べて数の暴力が強いのである。更に髪の毛から出てる蛇には、強さは無いがどんな相手にも通用する一撃必殺の能力があった。

 

「水を被れば良いのかな?それ」

 

麟は近くにあった桶に入っている水を被った。するとその隣に自分にそっくりの分身が姿を現した。

 

「なる程〜いやぁやっぱり可愛い♥僕はやっぱり可愛いよねぇ♥綺麗な金髪に大きめな頭、整っていて幼くもある顔♥そしてジラの怪獣娘形態だから解る美乳に細いお腹に普通サイズのお尻♥良いねぇ良いねぇ♥鏡で見ても、分身で見ても、此れは確実♥やっぱり僕は世界一可愛いよぉ♥可愛いなぁ僕って♥」

 

自分の分身に抱き着き、胸やお腹、お尻に顔を擦りながら分身の頬に頬擦りする麟。分身側も可愛いと呼ばれて「そう?やっぱりそうだねぇ♥」と言わんばかりに笑っていた。

 

「もう!麟ちゃんったら自画自賛してないで闘って――」

 

シズさんが顔を真っ赤にして怒るが、分身に抱き着く麟にドゴラの触手が迫る。しかし、麟は触手を向いて即座に髪の毛から生み出した化身ビッグイーターが飛び出し、ドゴラの触手に噛み付いた。その瞬間、ドゴラの噛み付かれた部位が石になり、更に噛み付かれた箇所から音速のような速度でドゴラがあっという間に石化していく。

 

「僕達は釣られないよ!」

 

「だね!」

 

麟と分身はビッグイーターを生み出し、ドゴラの触手に噛み付かせて石化させる。

 

『ウオオオオオッ!!』

 

進撃の巨人が咆哮を上げて、胸元の装甲に搭載されている『デストルドD4レイ』から切り札である光線を発射した。ドゴラは次元ごと破壊する攻撃には耐えきれず、次元崩壊により空間ごとドゴラは破壊された。

 

「激写激写〜!いや〜スクープ撮れまくってチョーウケる~」

 

一方はたては、触手を避けながらも携帯式カメラで撮影しまくっていた。

 

そして、はたては更に面白そうな物を念写していた。

 

「音の落雷♥楽しみだわ♥最高の記事にして載せてア・ゲ・ル♥」

 

此れから書く記事を楽しみにしているはたて。そして、幻想郷の上空では準備が整い終えていた。

 

――――――――――――――――――――――――

 

そして、紫色の凝縮された音の塊に包まれたタイタスは、その中でエネルギーを溜めていた。全てのドゴラを倒す為のパワーを音に、毒に込める為に。

 

「内部で反響を増幅………タイタスさんの力でより強く、より速く、より多くなったわ!ありがとうタイタスさん!」

 

インナースペースでメディスンリングにタイガスパークを翳しながら、ルナはタイタスにお礼を言った。

 

『礼には及ばない。君の力があってこそだ!さあ行くぞルナ!君の力、私と共に解き放とう!!』

 

『はいですわ!さあ落ちて行きなさい!!鈴蘭の毒を纏いし音の落雷よ!!』

 

そして、紫色の音の塊は小さくなり、タイタスは圧縮されそうになる。しかし、タイタスは体を一気に起こして四肢を力強く伸ばした。

 

「『『ポイズンサンダーノイズ』!!』」

 

そして、凝縮された音は紫色の雷となり、空からドゴラに向かって降り注いだ。

 

音の雷は全てのドゴラを命中し、全身をあっという間に包み込んだ。

 

軈て雷に直撃した全てのドゴラは、音に染み込んだ鈴蘭の毒によって全身が硬化し、更に音の振動によってバラバラに崩れ落ちていった。

 

ドゴラは全て全滅し、ドゴラの体は無数の結晶となって幻想郷中に暫く降り注いだのであった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

『ほう。ドゴラを倒したか。中々やるじゃないか』

 

その様子を、一人の黄金の戦士が幻想郷の無縁塚から見つめていた。モンスターバースにやって来たディアボロを連れ戻しに来たタルタロスだ。

 

『偶々見つけたあの単細胞生物達を送り込んで見たが、まさか彼処まで増えるとはな。その上私のクローンを宿すあの女にバレたのは予想外だったがな。まあいい。今は光の国を手に入れるのが優先だ。我々アブソリューティアンの戦士達の手でな。その後は、お前達の相手もじっくりしてやろう』

 

そして、タルタロスはヘカーティアの開ける穴より遥かに大きな黄金の穴を開けて、ナラクへ姿を消したのだった。




後一話でドゴラの異変は終わりです。

ムーンフェイスに関しては、知らない作品を私なりに調べた上の解釈も混じってますので、もし違ってたらごめんなさい。

新技集

『ポイズンサンダーノイズ』
使用者:ルナ、タイタス
毒か染み込んだ音を天で凝縮しながら内部で反響を増幅させ、雷の如く全ての目標に命中させる範囲攻撃技。某美食漫画の技と同じ威力と効果を持つが、音だけでなく毒によって肉体的ダメージを与える事も可能にした。
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