東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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単純に思う。怪獣の力を宿した幻想少女達の居る幻想郷って、恐らく此まで私の知るどの幻想郷よりもハードだと思う。


第2話

霊夢と魔理沙は空を飛びながら、空を覆う赤い霧の発生源を探していた。

 

「なあ霊夢・・・この霧は何処から発生してんだろうな」

 

「さあ?知らないわ。でも、なんか良くない物なのは確かね。長く放置したら幻想郷全体に影響が出るわ」

 

「だよな!なら、何処行く?」

 

「取り敢えず霧の発生場所を探るわよ。この霧、どうも波打ってるらしいから、その波が起きてる所に向かって飛べば・・・っ!魔理沙!避けなさい!」

 

「えっ?うわ!!」

 

霊夢が魔理沙に警告する。魔理沙は一瞬首を傾げるが、地面から細い触手が出現した事で全てを察した。そして、自分に向かってくる触手を避ける。霊夢も横に飛んで地面から生えてきた触手を避けた。

 

「あー。惜しかったのだー」

 

そして、周囲の森から闇が触手状に飛び出して来た。その後、霊夢と魔理沙の前に集まり、軈て一人の少女の姿へと変貌する。金髪で頭にリボンを着けた少女だ。頭に巨大なアンモナイトの殻二つをくっ付けたような帽子を被っており、殻にある二つの穴から蛇が二体伸びていた。更に、殻の真下から無数の触手が生えており、

 

「あら?ルーミアじゃない。なんかいつもと姿が違うわね」

 

「そうなのだー。昨晩夢を見て、大きなアンモナイトの怪獣の夢を見たのだー。名前は『ガタノゾーア』だったのだ」

 

「また怪獣の夢か!でも、なんで姿が変わってるんだ?」

 

「なんかガタノゾーアになりたいと思ったら、こうなってたのだー。力が湧いて、気分が良いのだー!」

 

ルーミアが叫んだ瞬間、彼女の全身から黒い霧状の闇が放出される。霊夢は御札の形をした結界を前方に張って闇を防ぎ、魔理沙は防御魔法を展開して闇がぶつかるのを防ぐ。二人は本能で理解したのだ。ルーミアが放つ闇は、危険な物であると。その証拠に、闇が放たれた事で森が枯れ果てていき、動物が即死して倒れていく。その上、闇は死体や枯れた森を飲み込んでいく。其処には闇しか残らない。万物を喰らい続けて侵食する闇の力。今のルーミアは、()()()()()()()()()()()()()()()()()へと、変わろうとしていた。

 

「二人は食べても良い人間なのかー?」

 

「「良いわけないでしょ/だろ!?」」

 

「・・・なら、食べて上げるのだ♥️」

 

放出した闇の中から触手が伸びていき、霊夢や魔理沙を捉えようとする。

 

「ぐっ!『二重結界』!」

 

「『マスタースパーク』!」

 

霊夢が自分と魔理沙を護る為に結界を張り、魔理沙が手にする『ミニ八卦炉』から虹色の光線をルーミアに向けて放つ。光線はルーミアに直撃し、爆発を起こす。

 

しかし、爆発によって発生した熱と煙は闇によって消えていき、姿を現したのは無傷のルーミアだった。

 

「ウッソだろ!?」

 

「魔理沙のマスタースパークを受けて、無傷なんて有り得ないわ!」

 

魔理沙の魔法の火力はかなり高い。霊夢も知っている。並の妖怪なら一撃で葬る事も可能だ。力の強い妖怪でも、受けたら一溜まりも無いだろう。

 

しかし、ルーミアは無傷だった。

 

「っ?」

 

しかもルーミアは、今の攻撃を“攻撃”として認識していないのか、首を傾げて惚けた顔をする。

 

「おいおいどうすんだよ!」

 

「火力が効かないなら、封印するまでよ!こんな事はしたくないけど・・・ルーミアが幻想郷を滅ぼすつもりなら・・・容赦しないわ!」

 

ルーミアは霊夢が小さい頃から馴染みのある妖怪で、神社にも遊びに来てくれる程の仲だ。封印するのに一瞬躊躇いを感じてしまうが、それでも自分は博麗の巫女だ。友と言えど、手に掛けなくてはならない。

 

「ルーミア・・・でも私にだって幻想郷を護る使命があるのよ!!ごめんなさい!!霊符『夢想封印』!!」

 

霊夢はスペルカードを唱えた。その瞬間、霊夢から七色に光る無数の陰陽玉が放たれて、ルーミアの周囲を包み込んでいく。

 

そして、陰陽玉が全て光輝き、ルーミアを包み込もうとした。その瞬間、ルーミアの表情が変化した。顔半分は狂気に染まった笑顔のままだったが、もう片方は涙を流し、助けを乞う子供のように泣いていたのだ。

 

しかし、陰陽玉が一体となるようにルーミアに重なって、虹色の強い光を放つ。霊夢は何度も心の中で『ごめんなさい』を繰り返した。

 

しかし、そんな霊夢の思いを込めた一撃は無駄となる。

 

ルーミアが全身から闇を放ち、陰陽玉を粉々に粉砕した。闇は砕いた陰陽玉を飲み込んでしまった。

 

「う、嘘・・・こんな馬鹿な事が!?」

 

「霊夢・・・逃げて・・・私の事は・・・・・・ワハハハハハ!ワハハハハハハハハハハハ!博麗の巫女もこの程度なのだー!さあ、二人とも飲み込んでやるのだ!幻想郷を闇で覆い尽くしてやるのだー!」

 

ルーミアの顔は再び狂気に染まり、乾いた笑い声を上げた。喜びではなく、哀しみに満ちた笑い方だ。

 

「んなことさせるか!」

 

「ルーミア・・・貴女・・・・・・でも、私達の力が全く効いてないわね。ん?」

 

霊夢はどうするか迷ったが、此処でルーミアの二つの台詞を思い出した。

 

『昨晩夢を見たのだ』『なんかガタノゾーアになりたいと思ったら、こうなってたのだー』

 

この二つである。それは、魔理沙も同じであった。

 

「魔理沙。私の話を聞いて?」

 

「なんだ?私達も怪獣を纏う話か?」

 

「あら?貴女も察したのね?」

 

「当然なんだぜ。ルーミアの話だと、なりたいと思ったら変身したらしいな」

 

「なら、私達もやるわよ?」

 

「おうよ!」

 

そして、二人は心の中で願った。霊夢は『ガメラになりたい』と。魔理沙は『ゴジラ・フィリウスになりたい』と。

 

「「・・・あれ?」」

 

「・・・何も起きないのだー」

 

二人の容姿に変化は無い。

 

「な、何でだぜー!?」

 

「何で、何で変身出来ないのよー!幻想郷を、ルーミアを、私が救いたいのに!!」

 

と、霊夢が護りたい、救いたいという思いを心から告げた、その時だった。

 

突然、霊夢の全身が光輝き、ルーミアと魔理沙は光の強さに目を片腕で覆って目を守った。




活動報告にて、東方キャラと特撮怪獣の組み合わせを応募してます。
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