東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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番外編・5:マイクローブ

《瘴気の谷》

 

「どおりゃあああっ!!」

 

瘴気の谷では、天子が瘴気に包まれた谷の中でゴーデス怪獣達を相手に無双していた。相手はギルオスの大群であり、ゴーデス細胞に感染してドスギルオスサイズにまで大きくなっているが、天子はそんなものが大した事が無いと言わんばかりにギルオスの群れを蹴散らしていく。

 

天子は両耳が大きくなり、額に角が生えて、赤い軽装鎧を身に着けた姿となった。両手には鋭く長い爪を生やしている。手にしている緋想の剣は刀身に3本の竜の首が巻き付いている。天子の『婆羅護吽』の怪獣娘形態と、緋想の剣が『魏怒羅』を纏った姿だ。更に、天子もカオスヘッダーの錠剤を服薬しており、その目は赤く染まっている。髪の色は赤く染まっているがその他には変化は見られない。緋想の剣も、竜の目が赤くなった事を除けば、変化は見られない。

 

「ほらどうした!?そんなものじゃないだろ!?」

 

天子は緋想の剣でギルオスの群れを薙ぎ払い、更に華奢な腕からは想像も出来ない腕力でギルオスを骨と腐った肉で出来た地面に投げ飛ばして叩き付ける。

 

「『緋想ノ壱・生気吸命』!」

 

天子が緋想の剣をギルオスに突き刺す。その瞬間、ギルオスは全身が枯れた枝木のように細くなり、そのまま全身が崩れ落ちた。ギルオスを侵食するゴーデス細胞も共に吸収し、カオスヘッダーの力で無力化したので感染の心配歯無い。

 

「ん?」

 

ギルオスが天子に飛び乗り、その首筋に噛み付いた。しかし、ギルオスの牙は天子の柔肌を貫くどころか、皮膚を斬る事さえ敵わない。

 

「この天人の首に噛み付くとは、中々やるじゃない。でも、甘いな!」

 

天子はギルオスの頭を掴み、そのまま握り潰した。頭が砕け散ったギルオスの死体を空中に投げて、緋想の剣から光弾を放ち、ギルオスに直撃させて爆発させる。

 

「ほら、もう大丈夫だ。まあ私の敵ではないな!」

 

「アンタ、やるじゃないか」

 

天子の元に現れたのは、瘴気の谷についてとても詳しいフィールドマスターであった。初老に見える女性だが、まだ若々しく見える。

 

「それより、瘴気の谷にはまだ奥があるんだろ?私を其処へ案内してくれ」

 

「ああっ。だがこの先に待ち受けるのは厄介な相手だよ。瘴気を操る古龍さ。そんな奴がそのゴーデス細胞?って奴に感染してたら、間違いなく新大陸が滅びるよ」

 

「分かってるさ。その前に私が倒してやるよ」

 

こうして、天子はフィールドマスターに案内されて瘴気の谷の奥へ進んでいく。

 

そして、麟達は龍結晶の地で出発の準備を整えていたのだが、其処で麟の知っている敵と遭遇する事になるのだった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

《龍結晶の地》

 

「またのご利用をお待ちしております」

 

デュークの大店を利用し終えた麟達は、フィールドに出てこの地に発生したモンスターを探しに出掛けようとした。しかし此処で、受付嬢からある事を相談される。

 

「そうだ!皆さん、折角ですから此処で腹拵えでもしていきませんか?何事も食べてからです!」

 

受付嬢の提案に全員が乗った。

 

「そうだね。今思えば、幻想郷から此処に来るまでの間に何も食べてないんだ……朝ご飯食べてもないんだよ」

 

「何してんのよ。まあ、私も朝食はパンしか食べてないけどさ」

 

麟やはたてがそう言った後、全員が空腹を訴え始める。どうやら全員ご飯を食べずに来たようだ。それ程に任務に集中していたのだろう。

 

「なら、私にお任せください!このキャンプ場には食事場がありますので!相棒、高級お食事券の使用をお願いします!」

 

「オッケー!相棒の料理、楽しみにしてるよ!」

 

そして、受付嬢が料理を始めると、デュークが調理セットを取り出して受付嬢に手伝う事を提案した。

 

「では私も料理をご馳走を提供しましょう。ミス受付嬢も宜しいですかな?」

 

「お料理されるのですか?勿論です!食材は此方で用意しますので!あっ、デュークさんのお料理期待してます!」

 

「ホッホッホッ。お元気な上にグルメな方とお見受けしました。食材を提供していただき感謝致します」

 

「はい!美味しい定食をご馳走させて頂きます!」

 

そして、受付嬢とデュークの二人は料理を始めた。厚切りステーキの定食を二人は作り、人数分提供したが、麟だけは受付嬢にリクエストをしていた。

 

「お待たせしました!大食いマグロの定食です!」

 

「やったぁ♥マグロ♥」

 

麟は、大型のマグロの寿司を勢い良く食べる。此れまで味わったことのない脂の乗ったトロトロなマグロの味わいに麟はしあわせを感じる。

 

「美味い!美味い!肉は久々だ!」

 

エレンも厚切りステーキ定食を頬張る。前の世界では肉が其処まで食べられなかった為、B級だろうがA級だろうが肉は好きだ。

 

「お代わり!出来れば後5つ!」

 

「アンタ食いすぎよ!?」

 

シズさんは既に完食しており、はたてはシズさんの食欲にツッコミを入れた。

 

「ホッホッホッ!まさか火山地帯でこのような食事にあり付けるとは!いやはやなんとも言えない味わいですなぁ!」

 

「ありがとうございます!でも、デュークさんもお料理上手なんですね!相棒もどうですか?」

 

「うん!美味しいよ!」

 

「ニャアッ!」

 

こうして、受付嬢とデュークの料理を堪能する麟達。そして漸く、麟達は動き出した。

 

――――――――――――――――――――――――

 

龍結晶の地にて、火山の中へ入ろうとした。しかし、此処ではたてから思わぬ情報が入る。

 

「ちょっと!皆これ見て!」

 

はたてはカメラを使って、今回戦う中で最も厄介な相手を念写した。

 

そして、カメラに写った物を皆に見せた。

 

「この、変な姿をした奴、ニ枚も撮れたのよ。ほら、これ」

 

全員がはたてのカメラを見る。写真に写ったそれは、竜骨の頭のような姿をした微生物で、もう一枚はオレンジと赤の波模様のスライムみたいな怪獣であった。

 

「はたて!?どうしてコイツが!?この世界にも居るの!?」

 

麟は驚いた。何故ならそれは、麟が宿すジラが嘗て闘った集合微生物の怪獣『マイクローブ』だったのだから。




オリジナル技

『緋想ノ壱・生気吸命』
使用者:天子
緋想の剣で突き刺した相手から生気を全て吸い取る。吸い取られた相手は全身が枯れて即死する。吸い取った生気は緋想の剣に溜め込まれ、切れ味や貫通力を増幅させる。

ニコニコ動画で、ゴジラ・ザ・シリーズのマイクローブについてダイジェスト版が見れます。↓からどうぞ。
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm31400512?ref=user_video
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