霊夢は魔法の森上空を飛んでいた。何故魔法の森の上空なのかというと、単に冥界への出入口が魔法の森上空にあるからであった。
しかし、魔法の森には麟や魔理沙以外の親友の元へ向かう以外に行った事が無い霊夢だが、妖精達の襲撃を受けていた。それも全員が、青く異形な姿をした翼竜の姿をした鎧を纏っており、普通の弾幕では全く効かないのだ。
「妖精達も宿してるのは厄介ね!しかも弾幕を撃ってくるし体が硬いし数も多い!あんまり時間掛けてたくないのに!」
霊夢はガメラの姿となり、妖精達を返り討ちにしていく。妖精達は自然が存在する限り何度でも蘇る為、倒しても問題は無い。
霊夢は袖に着いた爪で妖精を裂く。金属音と共に妖精達が真っ二つに裂かれ、そのまま霧状に消滅する。
霊夢はプラズマ火球を放ち、一匹の妖精に直撃させる。火球が直撃した瞬間に大爆発を起こし、妖精達や周りの木々を焼き尽くして行く。
「陰陽火球!」
炎を纏った陰陽玉を妖精達に直撃させる。一つ一つが大爆発を起こし、木々を消滅させる。
「・・・嘘!?やっぱり威力上がってる!?これはあんまり連続で放たない方が良いわね・・・魔法の森が消えてしまうわ」
霊夢は火球は暫く封じる事にした。以前よりも威力が上がっている事に戦慄したからだ。
「っ!他に何か来るわね!?しかも、速い!?」
霊夢は自分と妖精達の元へ何かが迫ってくる気配を感じた。その気配はとても危険な気配がするのだが、何故か生きている者の気配ではない。霊力を感じない。
そして霊夢は、高速接近してくる者をその目で捉える。
「あれは・・・人形?いえ、銀色の鎧を纏ってる!?あれが出来る奴を、私は知ってるわ!」
それは、銀色の装甲を全身に纏い、背中には変幻自在の翼を装着し、両手には細く長い砲塔を持っている二体の人形であった。鎧の下には服を着ており、それぞれ赤と青に分かれている。
「シャンハーイ!」
「ホウラーイ!」
それぞれの人形は声を発して、両手に持つ砲塔から激しい砲撃音と共に飽和攻撃を放つ。すると、人形の飽和攻撃に直撃した妖精達が爆発を起こして消滅する。一発で妖精の体があっという間に爆発四散する威力だ。人間が直撃したら、あっという間にバラバラになるだろう。
「凄い威力ね。で、アンタも怪獣宿して人形をパワーアップさせたのよね?アリス」
霊夢が森に降り立って、人形を操る者に語りかける。
「全く魔理沙から修行するようになったと聞いた時は驚いたけど、やっぱり霊夢は霊夢よね」
森の奥から出てきたのは、金髪ショートヘアーに赤いカチューシャを身に付け、周囲に白銀の鎧と砲塔で武装した人形達を浮かせた少女であった。
彼女の名前は『アリス・マーガトロイド』。魔法の森の奥にある館に住む魔法使いで、主に人形を操る魔法を行使するのだ。そして彼女は、かつては二万年掛けて巨大要塞となったロボット怪獣をその体に宿し、人形をその力で強化したのだ。お陰で人形一体だけで妖精達の軍勢を楽に倒せるようになった。
「それにしても魔法の森をこんなに焼くなんて、どんな攻撃をしたのよ?」
「うっ・・・火球を制御出来ないのよ・・・」
霊夢はアリスの発した質問に胸を抉られる。攻撃を上手く制御出来ず、こうして周りに被害を与えてしまうのが現実だ。
「ハァ・・・霊夢、私の家に来るかしら?」
「いいえ。異変が終わったら、アリスの家にお邪魔させてもらうわ」
「あらそう。でも、この子を持っていきなさい」
アリスが手渡したのは、一つの武装した人形であった。アリスの意図が解らない霊夢は、アリスに問い掛ける。
「何よこれ?人形なのは解るけど」
「それは私が夢見た完全自立人形の試作品よ!メカゴジラとビルサルドの技術を使って漸く完成したわ!魔法だけでは出来なかった事を科学の力も組み合わせた事で、漸く完成したのよ!その子が貴女の護衛として着くわ!」
アリスが渡した人形は、骨のようなデザインをした怪獣のような見た目をした人形だ。その姿はフィリウスを纏った魔理沙の格好によく似ていた。メカゴジラと言っていた以上、フィリウスと何かしら関係があるのだろうと直感的に理解する霊夢であった。
「あ、ありがとう」
「性能は大丈夫よ!そうよね?ユウコ!」
『問題ありません。お母様の命により、霊夢様をお守り致します』
「喋った!?」
「でしょ!?」
「・・・まあ、面白いから良いわ。宜しく頼むわ、ユウコ」
『宜しくお願いします』
そして、霊夢は肩に乗った完全自立人形『ユウコ』と共に空を飛ぶ。ユウコは変形して戦艦のような形状に姿を変えて、ジェットを噴射して霊夢を追い掛けた。
「・・・さて、ユウコが無事に帰ってくる事を祈るわね。それに、霊夢を頼むわよ」
アリスは館に戻ろうとしたのだが、突然レーダーに何者かの反応がある事に気付く。霊夢とユウコではない。別の存在だ。
「・・・一体何のようかしら?というか、貴女は誰?」
アリスが見たのは、先程まで無かった黄金の門に一人の赤髪の女性が立っていた。雪景色に似合わない寒そうな格好である。
「我は地獄の女神!アブソリュートタルタロスの契約者!ヘカーティア・ラピスラズリ!貴女を私達の『ザ・キングダム』に勧誘しに来たわよん!」
アリスは思った。
(何よ・・・この色々と痛そうな女は?)
それがアリスが女性に抱いた、最初の思考であった。
此処まで出てきたキャラで、宿した怪獣はこんな感じです。
レティ・ホワイトロック:ウー
橙:エースキラー
アリス・マーガトロイド:メカゴジラ(アニゴジ)
モブ妖精達:セルヴァム(アニゴジ)