東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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漸くレム達の勧誘編です。リゼロはあまり見てないので、私の独自解釈が加わります。時期も曖昧かもしれませんがご了承ください。


勧誘編・その11:古手梨花、フォルトナ、レム・前編

〜古手梨花編〜

 

昭和58年。ある一つの村にて、一人の少女が再び村人の手に掛かろうとしていた。頭から血を流し、弱ったまま手錠を掛けられた少女に向かって、喉を掻きながら村人達が迫る。周囲は石の壁となっており、逃げ道はどこにもない。

 

(また繰り返すのね……私はまた………どうして私だけがこんな目に………)

 

そして、狂った村人達によって梨花は再び殺されそうになる。しかし、梨花の永遠のループと呼べる生き地獄は、この時を堺に漸く終わる。

 

『グアアアアアアァァァッ!!』

 

梨花と村人達は、その咆哮を聴いて耳を両手で覆って塞ぐ。彼等が咆哮が聴こえた方向を見た瞬間、村人の一人が巨大な恐竜に噛み殺された。

 

それだけでなく、梨花は全身に影が覆われている間に影を作る者の正体を見た。それは、アルビノと呼ぶべき白い肌をした巨大な恐竜で、梨花の知識にあるティラノサウルスより遥かに大きな体躯をしていた。筋肉質で発達した腕に備わる手先には4本の鋭い爪が生えており、見るだけでもどんな生き物も切り裂けると素人目にも理解出来る。頭から背中に掛けて棘が生えており、硬質的で特徴的な頭には鋭い角が生えて、噛み付かれればただでは済まない鋭い牙は矯正が必要な程に歯並びが悪い。そんな既知の恐竜とは違う存在である事だけでなく、古代に絶滅した筈の恐竜が生きてる事に梨花は驚きを隠せない。

 

(何……コイツは!?恐竜!?)

 

恐竜は村人達に襲い掛かる。村人達は鎌や鉈、ピッチフォークや鎖で恐竜に襲い掛かる。ピッチフォークで皮膚を刺すが、ピッチフォークがへし折れてしまう。折れたピッチフォークを持っている村人が恐竜の尻尾で吹き飛ばされ、上半身が下半身の尻を背中に着けるように捻じ曲げられて、壁に叩き付けられた。

 

時に爪で裂かれ、時に喰い殺されたりと、村人達は武器を持っているにも関わらず、一匹の恐竜相手に全く歯が立たない。村人の一人が何時から持っていたのか、拳銃を取り出して恐竜の頭を何度も撃ち続けるが、恐竜の体に反射するだけで一切ダメージが通らない。

 

そして、恐竜が村人を踏み潰し、最後の一人を頭から噛み付いた後に咆哮を上げた。

 

「ひぃっ!?」

 

梨花は恐怖した。此れまでのループでも全く無かった出来事である以上に、恐竜が現れるとは思わなかった。しかし其処へ、更に信じられない出来事が起きる。

 

「いやぁ流石は人間の生み出したハイブリッド恐竜ね。手懐けるのに苦労したけど。それに……今までもそうだったけどどうして適合するモンスターと人間は、お互いに引かれ合うのかしらね?『運命』とは『引力』と言えるのかしらね」

 

目の前に惑星を頭に乗せた、奇抜なファッションをした見目麗しい女性が現れた。ヘカーティアだ。

 

「………貴女は誰よ?」

 

「私は地獄の女神ヘカーティア・ラピスラズリにして、究極生命体アブソリューティアンの戦士アブソリュートタルタロスの契約者」

 

「地獄の女神………」

 

「私は貴女の運命を変えに来たわ。雛見沢症候群に、無限のループに囚われた貴女を救いにね」

 

「……貴女、それを口実に私を殺すつもり?」

 

「あら、やはり百年も生きてる為に疑われちゃってるわね。でも心配しないで頂戴。」

 

梨花はヘカーティアを疑うが、その背後から先程ヘカーティアが連れてきたであろう恐竜が、梨花を見つめている。梨花は恐竜に見つめられ、思わず粗相をしてしまう。梨花は恐怖によりガタガタと震えてものも言えなかった。

 

しかし、ヘカーティアが恐竜の紹介を始める。

 

「彼女はインドミナス・レックス。元々複数の恐竜や生き物の遺伝子を組み合わせて生み出されたハイブリッド恐竜で、さっきも言った通り雌よ。本来の性格なら貴女は殺されてる筈だけど……どうやら貴女は波長が合うみたいね」

 

梨花は再度インドミナス・レックスと呼ばれた恐竜を見た。インドミナス・レックスは梨花を見続けているが、何故か襲ってこない。それどころかインドミナス・レックスは、ヘカーティアですら知らない雰囲気を纏っている。

 

そして梨花も、インドミナス・レックスに対して恐怖ではなく共感と親近感が湧くようになる。百年ものループに囚われた古手梨花。人間の欲望で産み出された挙げ句化け物になってしまった哀れなハイブリッド恐竜。お互いに孤独である為か、互いに心が通じ合うようになる。

 

「お前、もしかして寂しかったのです?」

 

すると、インドミナス・レックスは梨花の言葉を理解しているのか、唸り声を上げながら手を伸ばした。それは、梨花を捕らえる手錠を爪で引き裂いた。

 

「……僕も百年以上生きてきて、何度も友達が死ぬのを見たり、何度も死んだりしてきたのです。何度も繰り返して来たけど、こんな状況は初めてなのです。お前が良いなら、一緒に生きるのです。一緒に行きましょう」

 

梨花も手を伸ばし、インドミナス・レックスの伸ばしてきた指に人差し指が触れる。すると、インドミナス・レックスの体が光り輝き、軈てインドミナス・レックスの体が液状になって梨花の体を包み込む。

 

そして、小さなドーム状になった後にドームは元の梨花の姿となるが、その姿は以前の梨花と違っていた。スクール水着を着ており、インドミナス・レックスの腕と脚を四肢に纏っていた。そして腰には尻尾を生やしており、両肩にはインドミナス・レックスの頭を模したパーツが付いていた。

 

「………ミナスが中に居るのを感じるのですぅ」

 

「それは良かったわ。それで、貴女に話があるのだけれど、私達の元に来なさい。其処で雛見沢症候群は……いえ、インドミナス・レックスと融合した時点で治ってるわね。じゃあ、私と来てくれる?私達ザ・キングダムへ」

 

「了解なのです」

 

「ええっそうね。…………貴女もどう?」

 

ヘカーティアがある方向を見る。其処には人間とは思えない角を頭に二本生やす半透明の少女が、冷や汗を流しながらヘカーティアを睨んでいた。しかし、梨花は彼女に告げる。

 

「羽入。彼女は味方よ。彼女なら、私達の運命を変えてくれる」

 

『……梨花がそう言うなら信じるのです』

 

「それじゃあ羽入と言ったわね?貴女もどうかしら?」

 

『……梨花が行くなら、僕も行くのです』

 

「は〜い。行くわよん」

 

ヘカーティアはその場でナラクに通じる穴を開き、其処へ二人を案内した。所属は戦闘班ではなく暗殺や偵察を目的とする諜報班であり、ヘカーティアについてよって幻想郷へ送られて麟が便宜を図って寺子屋に二人で通っている。

 

後に羽入も肉体を得る為にティアーユとステラ制作の人造人間の体を得た後に、とある怪獣を宿した。しかし、それは怪獣というより寄生体と呼ぶべき生命体で、種族名は『シンビオート』。そして羽入が新たな肉体を得た際に宿したシンビオートは、自らを『ヴェノム』と名乗っていた。

 

幻想郷の寺子屋にて、梨花と羽入は授業を終えてある家に帰宅していた。その間に、羽入に宿るヴェノムが声を上げる。

 

『腹が減ったな!此処には美味そうなモンがいっぱいあるぜ!羽入、喰って良いか!?』

 

「あぅあぅ〜………食べちゃ駄目なのですよぉ!害なす人なら分かりますが、我慢してほしいのですぅ!」

 

「羽入……折角体を手に入れたのに……大丈夫かしら?」

 

梨花は羽入が中に宿るヴェノムと話してるのを見て、親友が心配であった。

 

「「羽入ちゃーん!梨花ちゃーん!」」

 

羽入と梨花を呼ぶ声がする。フランとこいしだ。寺子屋で仲の良いクラスメイトであり、同じくザ・キングダムに所属する同志でもある。

 

「羽入!行くのですよ!ヴェノムもあまり羽入を困らせては駄目なのですよ!」

 

「あっ!待つのですよー!梨花ー!」

 

『こうして見れば、地球人は色々あるが、滅ぶには惜しい奴等だ。醜い面も良い面も、見てると面白いな。それに妖怪とは何とも面白い存在だ。見てるだけでも面白い』

 

羽入に宿るヴェノムも、羽入を介して人間や妖怪を観察しており、主に獲物として人間や妖怪の中でも悪い存在を、そしてゴーデス細胞に感染した者達やスフィアやビーストに憑依された者達。彼等を食べており、そのエネルギーを得ている。

 

羽入と梨花は、手を振るフランとこいしに向かって走っていった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

〜フォルトナ編〜

 

フォルトナ。パンドラの権能によって『見間違えた』ジュースによって殺されてしまう。ジュース自身も精神が崩壊し、幼きエミリアが氷漬けになった。ジュースことペテルギウス・ロマネコンティは狂ってしまい、後にこの世界においてとある青年と仲間達を苦しめる事になるのだが、それはまた別の話である。

 

しかし、フォルトナの死体前に黄金の穴が開く。其処から現れたのは、ヘカーティアだ。彼女はフォルトナが生きている時間軸へやって来たのだが、フォルトナ自身は既に死亡していた。

 

「フォルトナ……此処で死ぬなんて許さないわ。狂三!」

 

ヘカーティアは背後に未だに展開し続けるナラクへ通じる穴に向かって、ある者の名を叫ぶ。すると、穴の奥から時崎狂三が姿を現した。青いドレスを身に纏い、背中にはムササビのような翼を生やしている。狂三が宿した怪獣ガゾートの怪獣娘形態だ。

 

「今まで食べたクリッター達の魂を分け与えれば宜しいのでしょう?クリッターは数が減る事はありませんので、お安い御用ですわ。キヒヒッ」

 

そして、狂三は自身の天使である霊装『刻々帝(ザフキエル)』を背後に展開。そして、怪獣娘形態となった事で変化した能力を発動する。

 

「『四の友(ガゾット)』」

 

そして、狂三が今まで喰らったクリッターの魂を込めた弾丸をフォルトナの死体に向かって撃った。その瞬間、フォルトナの体が蘇生されていく。ヘカーティアは彼女が目を覚ます前に彼女を抱えて、狂三と共にナラクへ入っていく。

 

そして、ザ・キングダムの医療施設に運び込まれた。医療班の医療施設は日本街、アメリカ街、イタリア街、ドイツ街、ロシア街、中華街といった様々な国の景観を模した街の中に必ず十個も存在する。フォルトナはイタリア街のミラノ通りの医療施設に運び込まれて、其処でアーシアを含めた医療班達の治療を受ける。

 

そして、医師やアーシアの懸命な治療によって、フォルトナは目を覚ました。患者が寝る部屋である病室だ。

 

「ここは?」

 

「おはようございます。目を覚まして良かったです」

 

アーシアがベッドで眠るフォルトナに声を掛ける。

 

「申し遅れました。私はアーシア・アルジェントと言います。ザ・キングダムでは医療班の班長を勤めています」

 

「そう………私はフォルトナよ。それより、どうして私は生きてるのかしら?ジュースの手で殺された筈なのに…」

 

フォルトナは疑問を抱くが、それにはアーシアではなく病室へ入ってきたヘカーティアが代わりに説明した。

 

「貴女を生き返らせたからよん」

 

「あっ!ヘカーティアさん、おはようございます」

 

「おはようアーシア。それじゃあフォルトナちゃん。どうして貴女は此処に居るのか、貴女の娘さんはどうなったのか、その全てを説明しつつ見せてあげる」

 

その後、ヘカーティアはフォルトナにこのザ・キングダムにやって来るまでの経緯を全て説明し、エミリアが生きている映像を見せて娘が無事な事を知らせた。

 

「そう。良かったわ……エミリアが無事で」

 

フォルトナは泣いた。自分の娘が幸せに生きてくれている事を、一人の母親として誇らしく思えた。

 

「それで、どうする?フォルトナちゃん。私達ザ・キングダムに入らない?」

 

「…………ええっ。お願い」

 

フォルトナは少し渋ったが、エミリアにとって自分はもう死んだ存在だと理解したからだ。それに、新しい人生が与えられた以上、歩んでみるのも悪くないと思ったからだ。

 

「はぁい。それじゃあ貴女にも怪獣を宿して貰うわよ。まあ、宿してなくても所属出来るけど、貴女の力もこの先必要になるから、人間を超える怪獣達の力を宿して貰うわよん」

 

「怪獣……私に?」

 

「貴女は氷の魔法を主に扱う以上………此れね。冷凍怪獣ブリザラー。この怪獣がぴったりだわ」

 

「冷凍怪獣………そう。確かに私にピッタリだわ」

 

こうして、フォルトナはブリザラーを宿し、正式にザ・キングダムへ迎え入れられた。子供や魔法に興味のある者達に魔法を教える魔法講師を勤めている。

 

――――――――――――――――――――――――

 

レムは追い詰められていた。魔女教大罪司教『強欲』担当のレグルス・コルニアスと『暴食』担当のライ・バテンカイトスに襲撃されてしまったゆえに。

 

「食べ足りない!もっと!もっと食べたい!」

 

ライ・バテンカイトスに襲われ、『喰われ』そうになった、その時だった。

 

突然一瞬にしてレムの背後に黄金の穴が展開されて、其処から一人の灰色の髪を持つ少女が姿を現した。闇を放つ鎧を体に纏ったその少女は、両腕を広げて胸のひし形の宝玉に闇の力を溜めていき、L字型に腕を組む。そして、ライに向かって縦向きに立てた右腕から光線を放つ。

 

その正体は、トリガーダークを纏った怪獣娘形態の柊ナナであった。ナナはトリガーダークの必殺光線である『ダークゼペリオン光線』を放ち、彼をレムから放した。ライは爆発に巻き込まれるが、爆炎から出てきた彼は苦しむだけでダメージはあるが致命傷には至ってない。

 

「ちぃ!効いてないか!」

 

「あの、貴女は?」

 

「ナナ。柊ナナだ。今はお前の救出優先だ」

 

そして、ナナが通ってきた黄金の穴からヘカーティアが姿を現す。そして、穴は四つも開き、其処から多数の男女が姿を現した。

 

「やあっと退屈しなくて済みそー!」

 

「結芽ちゃん油断しちゃあ駄目だよ!」

 

「全くこの戦闘馬鹿ガキは………ほっとけないわねホント」

 

2つ目の穴から、結芽が炎の剣トワイライトを手に持ち、炎を纏う鎧を身に纏った姿となり、スルトの王冠を被った怪獣娘形態で姿を現す。二人目は桜だ。桜は頭に山羊の角を生やし、背中には無数の歯を持つ口のようなマントを羽織っている。最後は彩奈だ。彩奈は金と銀を基調とした妖艶なスーツを身に着け、上腕部の黄金の装飾が特徴的だ。

 

「行こう!小夜ちゃん!」

 

「私に指図するな」

 

続いてシズさんが小夜と共に、別の3つ目の黄金の穴から現れた。シズさんはカオスウルトラマンを模したスーツを身に纏い、目が赤く染まった怪獣娘形態になっている。小夜は日本の侍と西洋の騎士が融合したような和洋折衷の鎧となったアーマードダークネスを纏った姿となっていた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「酷い怪我!今治してあげる!」

 

アーシアとティアーユ。二人もシズさんと小夜が現れた黄金の穴から姿を現し、レムの介抱に入る。

 

「さて、他にも色々連れてきたわよん」

 

4つ目の穴からさとうとしおが姿を現す。さとうは白い髪になった後に狼の耳と尻尾を生やし、首元に白い毛皮を巻いている白いセーラー服を纏った怪獣娘形態となった。しおは四肢を蛇のような鱗で覆い、お腹は蛇のようなデザインとなり、背中には悪魔のような翼を生やしている。

 

更に、巨大な穴が展開されて複数人の男女と共に巨大なメカが複数現れた。その中で一際大きいメカの肩に、三人の男女が乗っている。そのリーダーの少女は小柄だが、その見た目に反してリーダーとしてのオーラが力強く放たれていた。少女の隣には、盛り上がった筋肉質な男に、痩せたイケメン男が、それぞれ特徴的なポーズを取っている。

 

「お前達!この新メカで、やっておしまい!!」

 

「「アラホラサッサー!!」」

 

こうして、ヘカーティアは魔女教大罪司教を迎え撃つ戦力を用意した。レムを救う為に、そして魔女教大罪司教を返り討ちにする為に。




羽入の補足

古手羽入
ザ・キングダムに所属した雛見沢で信仰されていたオヤシロ様の正体である神。不可視の障壁、超能力、時間を操る、実体化といった様々な超能力を持つ。ザ・キングダムに所属してから、ティアーユとステラの開発した人造人間の体に憑依して、完全に実体化する事に成功。しかし、スパイダーマンに倒される筈だったヴェノムを宿してからは、彼の我儘に苦労しつつも、神である為に完全な共生を果たしている。今ではヴェノムと悪友関係である。

オリジナルメカ
名前:チートマッター
身長:20メートル
体重:30トン
一時停止の標識や立入禁止の標識等、あらゆる『止まれ』を意味する標識を纏う、悍ましい見た目をした細長い人型のメカ。しかし、その見た目に反してとんでもない性能を秘めた対格上又は対チート能力者用のメカなのだから。
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