東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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番外編・10:プリカーサー活動拠点制圧

プリカーサー活動拠点となっている惑星の付近で、黄金の穴が開いた。黄金の穴から姿を現したのは、一本の巨大な板状の船であった。船は星に向かって真っ直ぐ突き進んで、大気圏に突入して高熱が船を包み込む。しかし、船の周囲が赤くなるだけで船自体に影響は無い。

 

「向かい風の中で〜嘆いてるよりも〜♪」

 

「上手く行く事を想像すれば〜♪」

 

「何時の日か変わる時が来る〜♫」

 

二人の少女の歌声と共に、板状の船は星に向かって進む。歌っていたのは、船の先端で星を見ながら前後に体を揺らす結芽と桜の二人だ。

 

「「夢中で生きれたら〜♪何気ない事で〜♫」」

 

「愛が傷ついて〜ためらいながら〜♪」

 

「「「何度も立ち上がるよ〜♫」」」

 

結芽と桜の間に入るように、何と彩菜であった。その様子を、一時的に彩菜から飛び出したダーゴンとヒュドラムが見ていた。

 

『彩菜かあの二人と歌っている顔を見たか?』

 

『私達を宿した頃に見た顔は狂気に染まっていましたが、今の顔はあの年頃の女が見せる幸せの笑みそのものですね』

 

『だが狂気的ではない。あれが本来の彩菜の笑顔か』

 

『……どうやら、私達も何処か丸くなったようですね』

 

すると、彼等の後ろから猗窩座が姿を現した。猗窩座の姿は鬼のままだが、今は太陽もとい恒星の光を浴びても大丈夫になった。宿した怪獣と、アブソリュート粒子の注入による変化の影響だ。

 

因みに彼と結婚を果たした恋雪は、ザ・キングダムで待機している。彼の帰りを待っているのだ。

 

「俺もザ・キングダムに来て、漸く俺を蝕む鬼舞辻の呪いから解放された。鬼のままではあるが、俺はもう人を喰う必要が無い」

 

『そのようだな』

 

『それはエクセレントですねぇ。猗窩座さん。いえ、狛治さん』

 

「「「走り出せ〜♫走り出せ〜♫明日を迎えに行こう〜♫君だけの音を聞かせてよ♫全部感じてるよ〜♫遠くまで〜遠くまで〜♫今を動かす気持ち〜♫どんなに小さなつぼみでも〜♪一つだけのHappiness〜♫」」」

 

そして、結芽、桜、彩菜が歌う途中で、純狐が全員に戦闘準備の指示を出す。

 

「全員そろそろ大気圏を抜けるわ。準備しなさい」

 

純狐の指示と同時に三人は歌うのを止めて、怪獣娘形態に変身する。結芽は全身から炎を発した後に、炎の剣トワイライトを手に持った後に頭へスルトの王冠を被り、その体にはマグマのような侍の鎧を身に着けている。桜は背中に無数の鋭い歯を内側に生やすマントを羽織い、山羊の角を頭に生やした。彩菜はゴージャスでセクシーなカルミラの体を模したスーツ姿になり、足には金色のヒールを履いている。結芽は彩菜のセクシーな姿にメロメロであり、桜は嫉妬で結芽を睨んだのは別の話。

 

「行きますわよ。紗和さん」

 

「うん。狂三さん」

 

狂三は青いドレスを纏い、ムササビ状の翼を背中に生やしている。編んだ揉み上げが特徴的な山打紗和は、ミミズのようなデザインの競泳水着を身に着け、四つに裂けた口に鋭い牙を生やしたミミズのような形状の怪物を模した頭巾を身に着けている。紗和が宿したのは、地上の生き物を捕食する地底生物であり、音に敏感な怪物『グラボイズ』。その怪獣娘形態である競泳水着姿だ。

 

「行くのです。羽入、ミナス」

 

『グルルッ』

 

「はい!梨花!そして、ヴェノムも!」

 

『おう!今日の獲物は大量だ!』

 

梨花はスク水を身に着けた姿に変身し、インドミナス・レックスの両腕と両足に四肢が変化した。そして尻尾が腰から生えて、両肩にはインドミナス・レックスの頭部を模したパーツが付いていた。

 

そして羽入は、一瞬両腕が黒く染まり、その目は赤く輝いた。そして、両足は黒く染まって巨大な足に変化する。

 

そして、全員が攻撃準備に入ったタイミングで、船は上空1万メートルに到達した。空から見下ろす大陸は青く染まり、空気は視界が利かない程に青色に淀んでいた。森は無く、大地は謎の蠢く肉塊や血管のような器官が生えており、心臓音のような音を立てながら膨張と縮小を繰り返している。

 

「では、此れより攻撃を開始する!全員、攻撃に移行せよ!」

 

純狐の指示と共に、クラウンピースを除く全員が動き始めた。

 

「友人様!アタイは何時出ますか!?」

 

「貴女は彼等が追い込まれた時の切り札よ。もし彼等だけでどうにも出来なかったら、頼めるかしら?」

 

「はーい!」

 

クラウンピースは、宿す怪獣の特性上中々出撃が許可されない。にも関わらず、強力な戦力が多い中でクラウンピースが彼等の上に立てるのは、クラウンピースが彼等より強い事に他ならない。まどかのような規格外クラスの力を持つ者ならばいざ知らず、他のメンバーよりも力を発揮したクラウンピースの方が強いのだ。

 

そして、地上へ降りていくフラン達は、空を飛んで地上に迫っていく。アブソリュート粒子を注入された者達はその力で空を飛んでおり、幻想郷から来た者や空を飛ぶ術を持つ者達は苦もなく空を飛んでいる。

 

「おやおや。さて、私も準備するとしよう」

 

スバルはその場で闇を展開した後、すぐに闇が霧消した後にその場から消えた。




今回は短いです。


今度、紗和の勧誘編もやっておこう。

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