東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第22話

霊夢とユウコが飛び出した頃、魔理沙と咲夜は予想外の苦戦を強いられていた。

 

「くらえ!『スターダストスパーク』」

 

魔理沙が二つの魔法陣を左右に展開して、其処から緑色の魔弾を連続で撃ち続けた。魔弾はフィリウスの電光を混ぜており、一発一発は熱線一つに遠く及ばない威力だ。しかしそれを数で補っており、纏めて食らえば熱線一つに匹敵する威力となる。

 

「『ウルトラブレスレット』展開。ウルトラマンの力を奪ってたエースキラーで良かったです」

 

橙は左腕の手首に装着されたウルトラマンジャックの武器であり生命線でもあるダイヤモンド状の飾りが付いた金の腕輪『ウルトラブレスレット』に右手を伸ばし、一瞬輝かせたかと思えば、橙の体を覆う程の巨大な盾に変えた。

 

「『ウルトラディフェンダー』!」

 

橙は魔理沙の撃ってきた魔弾を、全て盾で弾き返した。弾き返された魔弾が全て魔理沙に向かって行き、三発も魔理沙に直撃する。魔理沙は爆発と共に後ろへ後退したが、ダメージは無い。攻撃中でもシールドは張れる為、自分の攻撃であっても魔弾程度ならダメージは無い。

 

「余所見は禁物ですわ!」

 

咲夜は橙を蹴り飛ばし、ナイフと引力光線を同時に放つ。しかし、橙は左腕を真横にして、額から緑色の極細光線を放つ。ウルトラセブンの技『エメリウム光線』だ。エメリウム光線は咲夜の引力光線とぶつかって爆発を起こす。ナイフは爆風で吹き飛んでしまうが、咲夜は時間を止めてナイフを回収する。そして再びナイフを橙に向けて投げる。

 

「貴女の時間は私の物!」

 

時間停止を解除した瞬間、ナイフが橙に向かって飛んでいく。橙はナイフに反応して右手のウルトラディフェンダーで防ごうとするが、咲夜はそれを許さない。

 

「時を止めるだけだと思うな!」

 

咲夜がそう叫んだ瞬間、橙に向かって飛ぶナイフは突然速度が上がった。時を止めたのではない。時間を加速させたのだ。

 

咲夜の『時間を操る程度の能力』は、時間を止めたり加速させたりする能力だ。戻す事は出来ないが、実に強力無比な能力である事に変わりは無い。更にこの能力は別の切り札があり、空間を拡張したり縮めたり出来るのだ。それが、咲夜の能力の本質なのだ。

 

しかし咲夜は甘く見ていた。

 

橙の額にナイフが直撃するが、ナイフは当たっただけで刀身が粉々に砕けてしまった。

 

「なっ!?」

 

「残念ですね」

 

そして、橙は咲夜の鎧を鉤爪で引き裂いた。メカキングギドラの装甲は、宇宙のどんな物質よりも硬い鉤爪によってアッサリと切り裂かれ、咲夜自身も胸元から腹を斬られてしまう。傷が出来る程ではないが、ダメージを受けて咲夜は雪が積もった地面に落ちてしまう。

 

「咲夜!」

 

「安心してください。殺しては居ません。ただあのダメージなので気絶はしてるかと」

 

「嘗めないで!」

 

咲夜が兜の先端及び両肩から生える二体の龍の口から引力光線を放ち、橙に直撃させる。橙は引力光線に直撃して吹き飛ぶ。

 

「『ウルトラスパーク』!」

 

橙はウルトラブレスレットを短剣の形に変えて、魔理沙に向かって走り出した。

 

「『プラズマスターブレイド』!」

 

魔理沙は尻尾を縦向きに振り、大量の星々を左右に振り撒きながら飛んでくるプラズマの刃が、橙に迫ってくる。橙は短剣で受け止めるが、食い止めきれなかったのか短剣が吹き飛ばされてしまう。短剣はブレスレットの形になって橙の左手首に戻る。

 

「『マシンハンド』!」

 

左右の首の付け根と両腰から四つの小型アームを伸ばして橙を捕らえ、更に腹部の大型アームで完全に拘束する。拘束と同時に電流が流れて、橙にダメージを与える。

 

「アババババババババッ!!」

 

橙は鉤爪でアームを斬ろうとするが、魔理沙が橙の両腕を拘束して両手から電撃を流し込む。

 

全身から電撃を発した橙は、口から煙を吐き出してその場に倒れる。二人は殺してないか心配になったが、橙は両手を地面に着いて体を起こす。

 

「ぐっ・・・やりますね。流石に参りました」

 

橙は降伏した。橙が圧倒していたが、二人の連携によって最後はやられてしまった。

 

「・・・っいよっしゃあ!」

 

「何とか勝てましたわね」

 

魔理沙と咲夜は攻撃を中断した。魔理沙は大したダメージを負ってないが、咲夜はダメージを受けてしまった。元々打たれ弱いメカキングギドラの装甲。宇宙のどんな物質よりも硬い鉤爪の前には紙同然であった。

 

橙も歯痒い気持ちだ。まだまだ修行不足である事を実感した。もし『ゾフィー』の必殺技を使っていたら、結果は変わっていたかもしれない。

 

いや、そんな事はどうでもいい。橙は敗者として二人に従わなくてはならない。

 

「では、お二人の命令に従います。お望みは何ですか?」

 

「じゃあ私から!異変の首謀者について教えてくれ!」

 

「では、何処にどうやって行けば首謀者の居る場所に行けるか、教えてくれるかしら?」

 

魔理沙と咲夜が命じたのは、異変の首謀者についての情報と首謀者の居場所に向かう方法だ。

 

「はい。では魔理沙さんから。この春雪異変を起こしているのは私の主様である藍様、藍様の主様である紫様、そして紫様には古くからの親友である亡霊様が居ます。そのお方の名は『西行寺幽々子(さいぎょうじゆゆこ)』様。冥界で亡霊の管理を担うお方で、全ての生命ある者にとって天敵と呼べる力『死を操る程度の能力』持ちにして、最強クラスの怪獣『ハイパーゼットン』の宿主」

 

「最強クラスの怪獣に加えて死を操るとか、反則じゃねえか!?」

 

「大丈夫ですよ。腹の内が読めない方ですが、悪い方ではありませんので。次に咲夜さんですね」

 

橙は説明した。幽々子の居る屋敷『白玉楼』は冥界にあり、其処へ行くには冥界の入り口がある魔法の森上空へ飛んでいき、冥界への入り口である黒い穴に向かわなくてはならない。

 

「よっしゃ!サンキューな橙!」

 

「待ってください!まだ話は終わってません!其処を護る音楽を愛する三姉妹が───って魔理沙さん話を聞いてください!?」

 

橙が説明を続けようとしたが、魔理沙は既に上空へ飛んで行った。

 

「申し訳ありませんわ。後で橙の好きな食べ物作ってあげるわ」

 

咲夜も後を追って空を飛ぶ。

 

その様子を眺めていた橙は、深くため息を吐いた。

 

(嫌な予感しかしませんが・・・どうなっちゃうんでしょうね)

 

橙はそんな疑問を抱きながら、マヨヒガの中に入っていくのだった。

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