東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

228 / 261
今回は短いです。


ヘカーティアの試練・その2:モヤモヤ神降ろしサバイバル鬼ごっこ・その2

モヤモヤサバイバル鬼ごっこが、始まった。

 

クラウンピース「変身!」

 

クラウンピースは全身から光を放った。、その瞬間、クラウンピースの体が変形していき、軈てその姿を怪獣娘形態へと変身させる。二本の困り果てたような目を持つカチューシャを頭に身に着け、両腕は鋼鉄のグローブが装着される。金色の輪が胸元に装着された胴体の鎧は、まるで凛々しくも強さのある怪獣娘形態で、クラウンピースが他のザ・キングダムメンバーよりも強い事が伝わってくる。

 

そして、クラウンピースの手には、嘗てセルととある人造人を回収した際に得た『永久式エネルギー炉』の小型装置が握られていた。更に、クラウンピースの全身からは黒炎が上がっていた。

 

此れが、クラウンピースの宿したロボット怪獣『セブンガー』だ。セブンガーは見た目こそ弱そうに見える。しかし、嘗てウルトラマンレオとウルトラマンジャックが苦戦した相手を一方的にボコボコにしたロボット怪獣なのだ。50時間経たないと使えない上に約一分間しか闘えない。そんなデメリットを抱え込んでいる為に、クラウンピースは中々出動機会が少なく、モンスターバトルでもこの弱点をつかれてしまって連敗中。

 

麟「……でも、油断出来ないよ。もしそれが無かったら?そう思ったら、ピースちゃんが僕等の上に立てた理由が解るよ」

 

フラン「ん?誰に言ってるの?」

 

麟「何でもないよ。それより、フランちゃんはクラピちゃんに勝てると思う?」

 

フラン「勝てるよ。でもそれは、怪獣娘形態が切れる時間まで立ち回るか、デストロイアの力でセブンガーの力を超えるまで成長するか、罠にハメたりとか、時間稼ぎすればの話かな。もしクラピちゃんが時間無制限で活動出来たら………恐ろしくて想像すらしたくないよ………」

 

麟は湖の岸に上がって仰向けに寝ており、フランは同じく仰向けになって麟と添い寝をしている。

 

鬼役であるクラウンピースが、ザ・キングダムのメンバーの中でヘカーティア、純狐に並んで君臨出来る理由を語り合っていたのだ。

 

ザ・キングダムのメンバー全員が知っていた。クラウンピースは確かに自分達と戦って連戦連敗だ。しかし、クラウンピースが負けた原因は全て、自分達が時間稼ぎをする戦法を取ったからである。クラウンピースと戦った者は、誰もがこう呟くのだ。

 

『もしクラウンピースの怪獣娘形態が、無制限に続くようになったとしたら……恐ろしい』と。

 

そして今、その悪夢が現実の物になろうとしている事を、麟達は知る由も無かった。

 

そんな中、勇儀は川沿いに歩き続けていた。

 

勇儀「こりゃあヤベェな。追い掛けられるのは新鮮だし、何処から来るのかも解らねぇ。だが楽しいじゃないか!」

 

勇儀はワクワクしていた。とはいえ、捕まった順番通りになれば自腹で参加者に何か奢らなくては行けないのだ。10万円以上使って。

 

勇儀「ワクワクしてるけどモヤモヤしてんだよなぁ。なんか不思議な鬼ごっこだな。ん?」

 

勇儀はミョルニルを構える。何者かの気配を感じて、身構えているのだ。

 

クラウンピース「おっ!星熊勇儀!いきなり強い奴から捕まえてやるか!」

 

勇儀「相手してやりたいが、生憎今は逃げる身でね!」

 

勇儀は走ってきたクラウンピースの伸ばしてきた手を避けて、ミョルニルをクラウンピースに向けて振り下ろした。しかし、クラウンピースは胸元を力強く張ってミョルニルを受け止めた。激しい金属音と共にミョルニルはクラウンピースから弾かれて、勇儀は後退りした。

 

勇儀「へへっ!やっぱお前さん強えな!一分しか保たないのが、残念だけどな!」

 

勇儀は更にミョルニルを振り下ろした。クラウンピースは片手で受け止めた後に、片手に纏った黒い炎を纏った拳でミョルニルを殴る。ミョルニル越しに衝撃が伝わり、手に弱い痛みが走った勇儀は、クラウンピースの力について違和感に気付く。

 

勇儀(妙だな?奴が鬼ごっこが開始された時点で変身してるなら、私と出会った時点で一分過ぎてる筈だ?どうなってる?)

 

クラウンピース「炎の滅神魔法、受けてみろ!!」

 

クラウンピースが口から黒い炎を吐く。勇儀はミョルニルを地面に叩き付けて大地を爆発させる。黒い炎は盛り上がった土によって防がれる。

 

勇儀「さて、まだやれるか?クラウンピース!」

 

クラウンピース「当たり前じゃねえか!」

 

勇儀「とはいえ、ルール上私がお前に触れたらおしまいだからな!こんな形ではあるが、ゲームである以上簡単には捕まらないぞ!」

 

クラウンピース「おっ!待てー!」

 

勇儀はミョルニルを地面に打ち付けて、それを利用して跳躍した。森の木々の天辺に乗った勇儀を、クラウンピースは追いかけ始めるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。