東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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次回、古明地さとりは動かない:『こどもつかい』編に入ります。


後日談・その6:麟の正妻

麟と子守、大妖精の三人はジャイアントタートルの前に降り立ち、麟と子守は因縁の相手を睨む。

 

「……やっと会えたね。ジャイアントタートル!」

 

麟は全身に風を纏う。怒りが高ぶってるせいか、妹紅も吹き飛ばしかねない勢いで風が周囲に吹き荒れる。子守は麟の肩に手を添える。すると、麟から吹き荒れる風がそよ風に変わる。

 

「……子守ちゃん、ありがとう」

 

「大丈夫よ。アナタだけでやらせないわ。一緒に終わらせましょう」

 

子守が麟の手を握る。一瞬だけ握り合う二人に加えて、大妖精が二人の握り合う手を握る。

 

「麟ちゃん、子守ちゃん。私も一緒に戦うよ」

 

「ありがとう。()()()()

 

「っ!!うん!!///////」

 

そして、三人はジャイアントタートルの方を向いた。

 

ジャイアントタートルは咆哮を上げた。その咆哮には、因縁の相手に出会えた喜びが込められているのを、三人は感じ取っていた。

 

「僕達の卵を食べたいの?そんなの許さないよ。あの時みたいにやられはしないからね!」

 

三人は走り出す。ジャイアントタートルは咆哮を上げながら、走り出して三人に口を大きく広げるのだった。

 

最初に動いたのは麟だ。麟は風を足元に発生させて飛び上がる。風力を利用して跳んだ麟は翼を広げて、そのまま回転した。麟を中心にサイクロンが発生し、そのままジャイアントタートルに迫る。ジャイアントタートルの全身がサイクロンに包まれた後、ジャイアントタートルの甲羅に何かが命中する。それは、無数の砂粒や石、岩といった無機物に加えて、実体の見えない鎌鼬が襲い掛かって来ているのだ。

 

「『サイクロンスラッシュ』。竜巻の中で無数の鎌鼬にやられろ!!」

 

しかし、ジャイアントタートルは効いてる様子が無い。

 

子守がジャイアントタートルの側面に回り込んで、背びれは無いが、麟がパワーブレスを吐く時と同じように首元を光らせて、口から青い火炎状の熱線を足に向けて放った。麟のパワーブレスは高熱であるが、子守ことコモディスラックスの放つ熱線は冷気であった。冷気属性のパワーブレスがジャイアントタートルの足に命中し、足が氷で覆われる。足が冷やされて凍っているのだ。

 

そして、子守は凍った足に向かって跳び、両足で蹴った。ジャイアントタートルは蹴られる瞬間に非対称性透過シールドを全身に張り、蹴りによる攻撃を防いだ。子守は両足の痛みを堪えながら後ろへ跳んで距離を取る。ジャイアントタートルは子守を向いて、地面を蹴り飛ばした。地面の大波が子守に迫るが、子守は走って地面の大波を横へ走って避ける。

 

更に大妖精がジャイアントタートルの真下に回り込み、両手にプラズマを纏った後に獣の口のように構えながら突き出し、プラズマ光弾を両手から放つ。ジャイアントタートルの腹に光弾が命中し電撃を纏った爆発を起こした。しかし、ジャイアントタートルは怯む様子が無い。ジャイアントタートルは四本脚を広げて、下に居る大妖精を巨体で押し潰そうとする。しかし、大妖精はジャイアントタートルの真下から消えた。真上に回り込み、甲羅に乗る大妖精。大妖精が持つ瞬間移動能力だ。そして、甲羅のトゲにプラズマを纏った手刀を放つ。大妖精のプラズマ手刀がトゲに纏っているシールドに干渉する。

 

しかし、大妖精はジャイアントタートルが真上に突き上げた甲羅によって弾き飛ばされる。しかし、大妖精は吹き飛ばされた瞬間に空を見ており、其処で麟が別の形態となって力を溜めてる様子を見る。そして、大妖精は再び瞬間移動をしてその場から逃れた。

 

麟は上空で力を溜めていた。その前に火属性の形態へと変化していたのだ。

 

『ジラ・フレイムキャスター』である。不死鳥の翼を模した杖を持ち、常に熱気を放つ灼熱のローブを身に纏った姿。腕や脚にはサラマンダーの様な鱗が生えている。

 

そして、麟は光線魔法を杖から放つ。

 

「『ヴォルカニックバースト』!!」

 

そして、杖から放たれた光線はジャイアントタートルの頭部に当たり、大爆発を起こした。流石のジャイアントタートルの非対称性透過シールドも、元々は妖精が宿すセルヴァムの能力であったせいか、すぐに打ち破られてしまう。ジャイアントタートルは悲鳴を上げた。その瞬間に、麟はジラライザーで展開したインナースペースに入り、新たな形態に変身する。

 

「金の力よ!今ここに!ジラァ!!」

 

『ジラ・メタルブレイド!』

 

そして、麟は和装装束の全身鎧を身に纏い、更にその手から液状の金属を生み出し、刀の形へ変化させる。

 

「『剛刃・流走』!」

 

山を何百回斬っても刃が欠けない程鍛え上げられた一振りの刀を、金属の鞘に収める。落下しながらジャイアントタートルに迫る麟。ジャイアントタートルは甲羅からセルヴァムの両翼を展開し、翼をはためかせて空を飛んだ。麟に向かって空を飛んだジャイアントタートルは、口を開いて麟を喰らおうとする。しかし、麟は口を開いたジャイアントタートルが目の前に迫った瞬間、鞘から刀を引き抜いてジャイアントタートルの顎を斬った。一瞬にしてジャイアントタートルの顎を斬った。

 

ジャイアントタートルは顎を斬られて、顎が傷付いた後に牙も砕け散った。

 

『グオオォォオンッ!!』

 

ジャイアントタートルは怯む。その隙に子守がジャイアントタートルの脚を掴み、そのまま一本背負いの要領でジャイアントタートルを投げ飛ばし、地面に叩き付けた。

 

「はああああっ!!」

 

大妖精が拳を握り締める。刺々しい甲羅を背中に身に付け、亀の脚を模したグローブを纏った拳で、ジャイアントタートルの下顎を殴る。シールドは攻撃を無力化したが、質量によるまでは無力化出来ず、拳によってジャイアントタートルは吹き飛ばされた。

 

そして、ジャイアントタートルは尻尾の棍棒で麟を攻撃する。麟は跳んで尻尾を避けた後、口からパワーブレスを放ってジャイアントタートルの足を攻撃する。ジャイアントタートルには大して効かないが、地面が抉れて奴を倒すには充分であった。

 

子守は体当たりでジャイアントタートルの足に体当たりをして、更に大妖精がジャイアントタートルの腹に蹴りを放ってジャイアントタートルを吹き飛ばした。そして、麟は金属を生成して6メートルのハンマーを作り出し、ジャイアントタートルに真っ直ぐ投げ飛ばす。ハンマーはジャイアントタートルに直撃し、攻撃こそ無力化したが、ジャイアントタートルは足が上になる形で裏返った。

 

「藤原よ。此処は彼女達に任せよう」

 

「だな。私らは、この小さい亀共を殲滅するか」

 

モルドは元の黒い角を生やす黒光りの侍の鎧を身に付けた女性の姿に戻り、妹紅穫共に自警団やギナ、ジュダに襲い掛かるジュニアタートル達を駆除しに向かうのだった。

 

そして、ジャイアントタートルは怒り狂ったお陰か、地上に降り立った麟を狙って飛び掛かる。しかし、麟はジャイアントタートルの懐に入り込み、刀でジャイアントタートルの腹を斬った。

 

ジャイアントタートルはその場で倒れ込む。大妖精は勘付く。ジャイアントタートルの全身に張り巡らされるシールドが無くなっていく様子に。

 

「皆!!今なら倒せるよ!!」

 

「アナタ!!」

 

「よし!!此れでトドメだよ!!」

 

麟は元の姿に戻り、背びれを強く輝かせて両目も赤く染めあげる上に草木を燃やしていく。子守もまた両目を青く輝かせて、口から漏れた冷気が周囲の草木を凍らせていく。

 

そして、大妖精は目を閉じて全身に力を巡らせる。左手には炎を、右手には冷気を纏い、掌にそれぞれ小さな光の玉となるように凝縮した。そして、麟の背びれと子守の背中に触れて、それぞれの自然エネルギーを分け与える。

 

「死ぬ前に、お前に対して地獄の閻魔様に任せられない罰が二つ!それは、灼熱地獄と凍結地獄の刑だ!」

 

そして、二人はそれぞれ口から冷熱それぞれ分かれたハイパワーブレスを放つ。二人の熱線は渦状に絡み合って、炎と高熱、氷と冷気を纏った超温差熱線となり、ジャイアントタートルに直撃する。

 

「この時を長年待っていたぞ!!」

 

『グオオオオオオオオォォォ……………』

 

そして、ジャイアントタートルは全身が大爆発を起こし、体は爆発四散したのだった。その場には内部から爆発して息絶えたジャイアントタートルの遺体が残り、周囲のジュニアタートルも全て息絶えた。

 

「やった!」

 

大妖精が二人に抱き着いた。二人は漸く因縁の敵を倒し終えた安堵と疲れから、その場に座り込んだ。

 

「………終わったわね」

 

「うん。子守ちゃんと僕達の子供、二人の仇を討ったよ」

 

「全く、私がしてほしいなんて言ってないのに……本当に馬鹿な夫なんだから」

 

「ご、ごめんね。でもやっぱり……此れは僕の自己満足でやってた事だから……」

 

ジャイアントタートルの死体に花を添える麟。もう倒してしまった以上、死体を蹴る真似はしない。

 

「ジャイアントタートルを埋葬しよう。無縁塚に埋葬するの、手伝ってくれる?」

 

麟がそう尋ねると、子守や大妖精の代わりにサニー達が答える。

 

「手伝うわよ。その様子を見る限り、恨みは晴らせたみたいね。憑き物が落ちたようで良かったわ」

 

『それに、さっきまで恨んでた相手を埋葬するなんて、やっとお前らしい所が見れたな』

 

「……うん」

 

麟は笑みを見せる。その笑顔は、狂気に満ちた笑顔ではなく、恨みを晴らせた上に優しさと慈愛に満ちた笑顔に変わっていた。

 

その後、ジャイアントタートルは自警団やグア三姉妹、そして麟や三妖精、子守達によって無縁塚へ運ばれて、大きな墓を建てられて埋葬する予定だ。すると、麟から意外な要求をされる。

 

「ジャイアントタートルを埋葬したこの場所に、寺院を建ててください。もう恨みは無いので、今度は彼を守護神として祀ってほしいんです」

 

意外な要求に誰もが驚いたが、麟の要望通りに墓に加えて寺院も建てられる事になった。

 

そしてジャイアントタートルとの死闘から数日後、麟の方でもある議論が交わされていた。

 

――――――――――――――――――――――――

 

麟の自宅。豪邸並の家にある食堂で、昼食兼会議が行われていた。

 

その議題は、簡単であった。

 

『冴月麟の第一夫人、即ち正妻に誰がなるのか』という議論であった。

 

麟ハーレム全員がそれぞれ麟に対してアピールをして、やりすぎであればラステルやシズさんが止める。しかし、最終的に決めるのは麟だ。

 

ラステルはエレンを狙う恋のライバルが居る事で心を燃やしており、シズさんも最近、良い出会いを果たしたらしい。相手は、こいしが以前に買い物をした鶏肉屋台の女将さんの息子の一人である次男だ。

 

二人は恋してる為に、麟や麟ハーレム全員を応援する事にしたのだ。

 

その中から一部だけを出しさそう。

 

料理対決。此れはミスティアの圧勝である。和風、洋風、中華といったそれぞれのジャンルに沿った料理を作り、麟に振る舞うというものだった。審査員は麟に加えて、咲夜や妖夢、そして美鈴が加わっている。レシピは定食屋『斎藤』の次男である卓夫とギナが特別に提供した。ミスティアの腕前は一流で、洋風は慣れない部分があったにも関わらず、プロに近い味わいを叩き出した。

 

次に裁縫。服の解れや破れた箇所を直す手際と出来で審査される。此れは意外な相手が一位であった。フランである。フランは勝てた事に喜びを感じて、麟に抱き着いた。

 

そして、掃除や片付け。此れは朱鷺子が一位となる。流石は霖之助の姉を自称してるだけに、手際が良かったのだ。

 

様々な競い合いの末に麟が正妻として選ぶ時が来た。

 

「皆が僕の為に真剣に競ってくれて嬉しいよ。正直に言えば誰が正妻にするかなんて、とても選べないよ。皆大好きだからね。でも………僕の事を真剣に支えてくれて、僕の傍にずっと居てくれる正妻になって欲しい人を選べって言うなら、もう決まったよ」

 

麟は選んだ相手に近寄り、感謝の気持ちを込めて抱き締めた。

 

その相手とは―――――――――

 

――――――――――――――――――――――――

 

「うわあああんっ!!お父さんに会いたいよー!」

 

「うるさい!!うるさいのよ!!」

 

とある家にて、父に会いたいと願う娘に里奈を殴る母の景子は手を焼き、虐待行為を繰り返していた。

 

それが、“トミーの呪い”を呼んでしまうとも知らずに。




オリジナル能力

『自然の力を纏う程度の能力』
使用者:大妖精
炎、水、氷、風、雷、土、木、星、光、闇等といった自然のエネルギーをその身に纏う事が出来る。また、光に闇、空間や時間も自然の一部であるのだが、空間や時間に関してはまだ瞬間移動程度でしか無い。

オリジナル技

『ツインハイパワーブレス』
使用者:麟、子守
お互いのハイパワーブレスを同時に放ち、混ぜ合わせる事による超温差攻撃。

補足
ジャイアントタートル及びジュニア達が纏う非対称性透過シールドは、魔理沙の2割程度にしかなりません。

って事で、アンケートです。麟の正妻について、アンケート取ります。

冴月麟の正妻に誰がなって欲しい?

  • 伊吹萃香
  • フランドール・スカーレット
  • 古明地こいし
  • 封獣ぬえ
  • ミスティア・ローレライ
  • 幽谷響子
  • 朱鷺子
  • 中村恵里
  • 大妖精
  • サニーミルク
  • ルナチャイルド
  • スターサファイア
  • 姫之子守
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