東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第24話

霊夢とユウコは、階段の後に続く行灯の続く石畳の地面を走っていた。ユウコは霊夢と同じサイズにまで巨大化した。

 

桜が咲き誇る優雅な道だが、今は花見を楽しめる状況ではない。

 

「参る!」

 

すると、妖夢が目の前に現れて刀を振り下ろす。霊夢は怪獣化した後に袖の爪で刀を止める。

 

『ミサイル発射』

 

ユウコは肩に搭載されたミサイルランチャーから五本のミサイルを放つ。上空から迫る五本のミサイルを、妖夢は二本目の刀で斬る。更に、一本一本のミサイルを二つの刀で斬る。斬る速度はあまりにも速く、ミサイルの間を通り過ぎた後にミサイルが爆発した。

 

「『業火・封魔陣』」

 

妖夢の足元に陣が展開され、電撃を纏った炎の柱が上がる。プラズマ火球と同じ構成の炎の柱だ。しかし、妖夢は一度は柱に包み込まれたが、突然体を発光させたかと思えば、三本目に増えた刀で炎の柱を斬った。

 

斬られた炎の柱は揺れ動いた後に消えていき、軈て先程と姿が変わった妖夢が姿を現した。

 

青と黒の侍の甲冑を身に付け、赤い髪を纏めた兜を被るその姿は、正に侍。背中に三本の鞘を背負い、先程振り下ろした刀を右手に、そして新たな刀を左手に握っていた。

 

「宇宙剣豪より受け継いだ星をも斬る『星斬丸』。妖怪が鍛えた『楼観剣』。そして迷いを絶ち斬る『白楼剣』。斬れぬ物など、全く無い!!」

 

妖夢は白楼剣の持ち手を口に咥えて、某剣士と同じ三刀流の形となった。

 

「ユウコ。気を付けた方が良いわね」

 

『了解。攻撃パターン分析開───』

 

ユウコが妖夢の攻撃パターンを分析しようとした。しかし、それよりも速く妖夢が動く。星斬丸を振り下ろした為に、ユウコは腕にナノメタル性のブレードを展開して、妖夢の刀を迎え撃つ。しかし、妖夢の振り下ろした星斬丸は意図も容易くユウコのブレードを斬り、ユウコの腕を斬る。ユウコの腕が真っ二つに分かれてしまい、肩のミサイルランチャーもバラバラになって崩れ落ちた。

 

『損傷率42%』

 

「ユウコ!な、何なのよあの刀!?」

 

霊夢は炎と電撃を纏った札の弾幕を妖夢に向けて投げ飛ばすが、妖夢は三本の刀を巧みに扱って札を全て切断する。爆発が起きる前に高速で斬っており、全てが斬られた直後に札が全て爆発を起こす。

 

「『三刀・崩星斬』」

 

妖夢が三つの刀を横向きに振り、三つの斬撃を一つに纏めた。

 

霊夢はユウコの壊れてない右腕を握って空へ跳んだ。

 

すると、先程まで二人が居た場所を巨大な斬撃が通りすぎていく。

 

「直撃したら危なかったわ」

 

『失礼しました』

 

「良いわよ別に。でもどうするかしら」

 

妖夢は再び二人に向かって走り出す。モンスターバトルルール等知らぬと言わんばかりの攻撃を次々と放ってくる。

 

妖夢が両手でそれぞれ握って持つ二本の刀を振り、霊夢は爪で刀を弾いて応戦する。二つの刀から繰り出す剣術を爪で受け止め続けたが、五回も楼観剣と星斬丸を受け止めた瞬間、爪が砕け散った。

 

「嘘!?ガメラさんの爪が!?」

 

霊夢は驚愕した。まさかガメラの爪が破壊されるとは思わなかったからだ。

 

『霊夢様!』

 

ユウコが霊夢の前に出て妖夢に向かって両手から生み出したレールガンを向けるが、妖夢は既に霊夢の目の前に迫っていた。ユウコは計算外の速度に、対応が遅れてしまう。

 

「『一刀・居合楼観』!」

 

妖夢が三本の刀を鞘に収め、その内の一本である楼観剣を霊夢の目の前で抜いた。そして、同時に霊夢の腹から胸元を斬る。斬られた瞬間、霊夢の巫女服が斬られては肌も露出し、腹から胸に掛けて切り傷が出来てしまう。火花と共に赤い血液が吹き出した。

 

「ッアアアアアア!!」

 

激痛と共に絶叫した霊夢。此処まで強いダメージを受けたのは、幼い頃に妖怪から受けた爪攻撃以来だ。いや下手をすれば、爪攻撃よりも遥かに強い。

 

『霊夢様!』

 

ユウコは妖夢の元を向き、レールガンを撃つ。搭載された砲弾は、触れた瞬間に爆発する仕組みを持つ砲弾だ。如何に切れ味の良い刀を持っていても、爆発で吹き飛ぶだろう。

 

霊夢は斬られた箇所を押さえながら、甲羅の足や手を生やす部位にあたる穴から炎をジェットのように吹き出して、妖夢から離れた。上空へ逃げた為、ユウコの砲撃による爆発に巻き込まれなくて済む。

 

「ぐっ!嘗めるな!」

 

妖夢は砲弾を斬るが、斬った瞬間に爆発して後方に吹き飛ばされてしまう。しかし、数メートルも下がった後に地面を強く踏んで止まり、ユウコに向かって走り出す。両手に刀を、口に白楼剣を咥えて、再び三刀流となる。

 

「『三刀・冥王龍星光』!」

 

その瞬間、妖夢を中心に三つの刀が光輝き、妖夢自身も輝きに包まれる。が、その輝きは空からの爆撃によって遮られてしまう。

 

「『ハイ・プラズマ』!」

 

霊夢がフード口から、エネルギーを長く溜めて生み出した最強の火球を放った。火球は真上から妖夢に直撃し、大爆発を起こした。

 

「ぐぁ・・・まだ戦え──」

 

『収束中性子砲』

 

ユウコは頭部を横向きにして、巨大な砲塔に変形した。そして、赤い電光を纏った直後に荷電粒子砲を砲口から放つ。中性子透過力を利用し、対象の外郭を貫通し、体内組織を融解させる威力がある。妖夢の鎧を貫通し、彼女の肉体を貫いて体内組織にダメージを与える。モンスターバトルルールをユウコは理解している為、死ぬ程ではない。

 

そして、ハイ・プラズマと収束中性子砲に直撃した妖夢は大爆発を起こした。そして、彼女は侍衣装の格好から元の姿に戻り、爆発で吹き飛んだ後に桜の根元に叩き付けられる。

 

「ぐっ・・・まさか、これ程とは・・・ザムシャーさん・・・幽々子様・・・申し訳・・・ありません」

 

妖夢はその場で意識を失う。ユウコは妖夢の前に出て、左腕をナノメタルの力で複製して修復しながら、妖夢はバイタルを測定した。

 

『血圧、呼吸、心拍数安定。気絶と認定し、モンスターバトルルールに乗っ取って霊夢様と私の勝利とします』

 

「痛たた・・・前のプリズムリバー三姉妹が可愛く見えて来たわね」

 

霊夢は改めて修行が足りない事を実感した。ガメラのお陰で戦えているが、それが無ければ此処まで互角に戦えなかったのも事実だ。怪獣を纏わず更に怠けてた前の自分が此処にくれば間違いなく此処で、いやプリズムリバー三姉妹、いやもっと遡ればルーミアの時点で詰んでいた。怪獣を纏わなくても修行した自分で挑めばプリズムリバー三姉妹とは善戦出来たかもしれない。

 

「・・・帰ったら修行しないとね」

 

『霊夢様。張り詰めすぎは良くありません。先ずは異変解決を祝う宴会を開きましょう。お手伝いします』

 

「ありがとうユウコ。さて、次で最後よ」

 

『はい』

 

ユウコは腕を修復した後に、霊夢の肩に乗れるサイズとなり、船の形態へ変化した。霊夢はガメラを纏ったままとなり、空を飛んだ後にジェットで加速して元凶へ迫る。ユウコも後を追って空を飛んだ。

 

春雪異変ももうすぐ終わる。

 

その頃地上でも、決着が着こうとしていた。




オリジナル技集

『業火・封魔陣』
使用者:霊夢
封魔陣とプラズマ火球を合わせた技。プラズマによる業火の柱で陣の中を包み込み、相手を焼く。本来なら万物を集中して焼却してしまうのだが、怪獣を纏った幻想郷少女達には僅かな足止め程度にしかならない。
『三刀・崩星斬』
使用者:妖夢 
三つの刀から繰り出す斬撃を一つに纏めて放つ、万物切断の一撃。縦でも横でも斬撃を繰り出せるなら、発動する事が出来る。
『一刀・居合楼観』
使用者:妖夢
居合いで相手を斬る。使用する刀は楼観剣。
『三刀・冥王龍星光』
使用者:妖夢
三つの刀を光の如き速さで振り下ろす。その際に妖夢を中心に刀が全て光り、妖夢の全身も白い輝きに包まれる。その速さから繰り出す剣撃は、万物を意図も容易く切断する事が出来る。しかし、春雪異変では不発に終わった。
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