東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第261話

屠自古が浮遊しながら霊夢達に迫る。屠自古は全身に電気を走らせ、磁力を利用して周りの瓦礫を浮かせる。布都も風を身に纏って空を飛び、瓦礫を風の力で浮かせて自身の周りに浮かせて盾のように纏う。

 

霊夢は屠自古に向かって札を飛ばし、更にフード口からプラズマ火球を放つ。しかし、屠自古は瓦礫を飛ばして札を相殺し、更に棒で背中の太鼓の1つを叩く。すると、叩かれた太鼓は電気を纏い、軈て一つの巨大な光球を生み出した。そして、光球は砲弾のように飛んでいき、霊夢のプラズマ火球とぶつかって爆発させる。

 

屠自古は両手から雷を発した後、霊夢に向けて黄色いリングを放った。リングは霊夢に迫っていき、迫る度に大きさが増していく。霊夢はリングを避けて屠自古に迫る。

 

「『炎刀・夢想封印』!」

 

「『1億ボルトウィップ』!」

 

霊夢は自身のお祓い棒に夢想封印を纏い、更にプラズマ火球を纏って二メートルの炎の刀を生み出した。屠自古は棒から電撃の鞭を生み出し、巧みに操る。

 

鞭を避ける霊夢。炎刀で巧みに弾いたり、切断したりと、霊夢と屠自古の闘いは続く。

 

一方、布都と魔理沙も闘っていた。

 

布都は掌から風の砲弾を放ち、魔理沙を狙う。魔理沙は砲弾を避けて行くが、布都が王冠や尻尾から赤い羽根を放ち、脳波で遠隔操作する。魔理沙に向かってくる羽根を、魔理沙は背鰭から放った電撃の波動で全て焼き払う。布都は口から生物や物体を空中に浮遊させるガス状の光線『無重力光線』を放ち、魔理沙を浮かせようとした。しかし、魔理沙は光線を避けて背鰭から放った電光をミニトライデントへ集束させて、布都に向かって一気に放つ。

 

「『アクアスパーク』!」

 

魔理沙はミニトライデントから破壊の水流と熱線を放つ。フィリウスの熱線と細く速い水流を合わせた熱線は、破壊よりも貫通力に特化しており、当たれば布都の肉体は貫かれる。どんな怪獣を纏おうとも、絶対的貫通力には無力である。しかし、布都には秘策があった。そして地下に流れる地球のエネルギーが、布都の仕掛けた風水のお陰で上手く流れているのだ。

 

そして、布都に迫る筈だった熱線は、布都から反れて最奥の壁へ直撃する。

 

しかし布都は、両手にエネルギーを集中させてある事を行う。

 

「蘇れ。最古の怪獣達よ」

 

布都がそう念じた途端、地面に流れる青白いエネルギーが形を形成していき、軈て怪獣が姿は現す。三角形の頭部と顎、赤く輝く目、鍵爪型の長い腕を持っており、全体的な風貌は昆虫を思わせる。巨大な2対の腕で陸上戦を得意とする大型の個体と、やや小柄だが腕の1対が巨大な翼となり飛行能力を持つ個体が居る。お腹の部分には小さな腕が生えている。

 

「蘇った!?」

 

「あの邪仙と、同じ能力を!?」

 

『姿は似てますが、大きさと特徴に違いが見られます!恐らく蜘蛛と同じで、大きい方が雌なのかと!』

 

ユウコが銃を生成し、トリガーを引いて怪獣達を狙う。銃弾は怪獣の皮膚に当たるが、弾かれるだけで貫く事は出来ない。

 

「ムートー達!その二人を足止めしろ!」

 

布都がそう命令すると、ムートーと呼ばれた怪獣達がユウコと成美に迫る。ユウコが両腕を変形させて砲台に変えると、雌個体ムートーに向けて砲弾を撃つ。轟音と共に放たれた砲弾が雌ムートーに迫るが、太い腕で弾かれてしまう。弾かれた砲弾は上空で爆発するが、成美はソルジェント光線を放ち、雌ムートーの胴体に命中させる。しかし、雄ムートーが成美に迫り、噛み付いて成美を殺そうとした。成美は雄ムートーに噛み付かれ、そのまま上空へ引っ張られてしまう。

 

『成美様!』

 

ユウコは成美を救うべく、自身の背中に生成したロケットからジェットを噴射して雄ムートーへ迫るが、雌ムートーが地面へ脚を叩き付けた。その瞬間、半透明な波動が周囲に広がる。電磁パルス攻撃だ。

 

ユウコを通り過ぎた途端、ユウコは全身の機能が停止し、行動が一時的に止まってしまう。

 

『あ……が…………れい………むさ…………………』

 

ピーッと完全な停止音が響き、ユウコは動かなくなって空中から地上へ落下した。ユウコは地面に叩き付けられて、頭から落ちたその体はバラバラになってしまった。特に頭部は真っ二つに割れてしまい、目玉も地面に転がってしまう。

 

「っ!!ユウコ!!」

 

霊夢は屠自古を斬って吹き飛ばした所でユウコの安否に気付き、亜空間転移でユウコの元へ駆け寄る。ユウコがバラバラになってしまった姿を見て、動揺してしまう霊夢。もし博麗の巫女として活躍してた頃の霊夢なら、此処まで動揺したりこの様な戦略的ミスはしたりしない。しかし、霊夢には愛する人達がおり、家族も同然だったユウコも居る。そんなユウコがこの様な無残な姿となってしまい、動揺を隠せなかった。

 

なので、次の攻撃も躱せなかった。

 

雌ムートーが片脚でユウコ諸共霊夢を薙ぎ払おうとする。霊夢は雌ムートーに吹き飛ばされ、バラバラになったユウコも同じく吹き飛ばされてしまった。

 

そして、吹き飛ばされた筈の屠自古が背後に現れ、攻撃を行う。

 

「太子様に仇なす連中が。消えろ」

 

屠自古は雷を再び両手から放ち、1億ボルトの電撃を霊夢やユウコに食らわせた。1億ボルトの電撃に直撃した二人。ユウコは瞬く間に砕けて行き、霊夢は強い電撃によって口から煙を吐く。そして、二人は地面に落下してしまい、霊夢はその場で意識を失った。死んでは居ない。しかし戦闘不能だ。

 

雌ムートーが腕を霊夢に向けて振り下ろそうとした。しかし、此処で思わぬ助けが入る。

 

突然、雌ムートーの腕がバツ印に斬られ、雌ムートーは後ろへ後退する。そして、雌ムートーの顔に無数の光弾が当たり、爆発の連続で怯んだ雌ムートーが更に後ろへ下がる。

 

「漸く此処へ入れましたが、霊夢さんが倒れるなんて」

 

「オマケにユウコちゃんもこんなに………一体何が起きたの!?」

 

妖夢と鈴仙だ。

 

そして、雄ムートーに噛み付かれて抜け出せない成美。魔理沙が助けに行こうとするが、何故かミニトライデントが上手く働かず、箒に乗って飛んで行こうとした。しかし、落下してきた岩の数が多く、中々真上に上がれない。そんな隙を見逃す布都ではなかった。布都は両手の鋭い爪で、魔理沙の両足を引っ掻いた。引っ掻くと言ったが、剣のように鋭い切れ味で魔理沙のシールドを貫き、筋肉諸共斬る。

 

「ぐあっ!」

 

「無駄だ。この場所は我が仕組んだ風水の流れにより、我の意のままにエネルギーを操れる。お前達のマホウとやらも此処では使えぬ!無論先程のエネルギー攻撃もな!」

 

布都は神子復活に備え、この霊廟全てに風水を仕組んだのだ。どのように仕掛けを弄ろうと、どんなに遺跡を破壊しても、布都の仕組んだ風水の仕掛けに失敗は無い。この場所は完全に一つの神殿と化していた。そして今、神子は地球の核から受けたエネルギーと、風水による強化により、最早神にも等しい力を得ている筈だ。自身の敬愛する神子を、より強く、より完璧に蘇らせる為に、死す直前に色々仕組んで正解だ。

 

そして今、魔理沙や霊夢達は、布都の仕組んだ罠にまんまと嵌ってしまった。

 

「くそっ!」

 

「離せぇ!!」

 

成美は雄ムートーの口を殴るが、雄ムートーはびくともしない。このままでは天井へ叩き付けられるだろう。

 

しかし、此処で思わぬ援軍が入る。

 

突如として、雄ムートーに水色の光弾が直撃。雄ムートーは絶叫によって成美を口から離し、成美は隙を突いて雄ムートーから離れた距離へ飛んだ。

 

「大丈夫?」

 

「こ、小傘!?」

 

駆け付けたのは小傘だった。両肩のエネルギーキャノン砲から青白い光弾を放ち、雄ムートーにダメージを与えたのだ。

 

「わちきだけじゃないよ」

 

小傘のその言葉と共に、無数の烏の羽根が布都を狙う。布都には当たらなかったその羽根は、軌道が変わって壁に命中。しかし、壁にミサイルが直撃したような穴が開き、崩れた壁が地面へ塵となって落ちていく。

 

更に、突然蛇の胴体をくねらせながら現れた一人の少女が口から吐き出す光線のような消化液をレーザーのように吐き出し、雄ムートーの頭から胴体を一直線に貫いた。

 

雄ムートーは断末魔の叫びと共に、地面へ落下して爆発した。

 

「おいおい小傘から聞いて駆けつけてみりゃあ、とんでもねぇ事に巻き込まれちまったなぁ!」

 

「でもお兄ちゃん。私達なら負けないわ」

 

「ああっ。なんたって………」

 

「「俺達/私達は二人で最強だから」」

 

それは、嘗てヘカーティアによって助け出され、人造人間として生まれ変わった妓夫太郎と梅の、謝花兄妹であった。

 

梅は美しい蛇の鱗模様を持つ着物を身に着け、下半身は果てしなく伸びる蛇の胴体となった。梅の口からは蛇の牙がはみ出ており、舌は蛇の舌となっていた。美しい和装美少女に下半身が蛇という和装版メデューサとなっている。

 

妓夫太郎は両腕は烏の翼へ変化し、烏の頭を模したヘルメットを被っていた。そして、烏の胴体を模した甲冑、そして烏の脚を模した脚の鎧。そして頭部のヘルメットの烏の口が開き、妓夫太郎の素顔が現れる。

 

新たな援軍。屠自古はゴミを見るような冷たい目で見ていたが、布都は何処か期待の眼差しで彼等を見ていた。




オリジナル技図鑑

名前:1億ボルトウィップ
使用者:屠自古
1億ボルトの電撃を棒に纏い、鞭の形に変形させる。電撃の鞭は当たったり触れたりする度に、相手に1億ボルトの電撃を食らわせる。
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